やり過ぎ劇場版ボス転生

ヤマタマ

転生したら映画のボスだった

ピピピピピ…ピピピピピ…あれ?こんな目覚ましだったっけ?

目を開けると布団に入って寝ていた。

あれ?俺ベットだったような?

辺りを見渡そうともぞもぞと動いたとき体に違和感を感じた。

あれ?俺ってこんな体だったっけ?

「なんだ?」

そう声を出して驚いた、声が高すぎる。

ばっ!と起きて手を見る小さい子どもの手のような…

辺りを見渡すと確実に俺の部屋ではない見た目、伝統的な和室に見えるが…その時頭痛を感じ、昨日のことを思い出した。

俺、福水 仁は平凡な人間だった。普通の高校行って普通の会社に入って普通に生きた。そんな俺の趣味は『HEROs』というゲームだった。

原作の個人ゲームから漫画、アニメ、映画化と多くの人が愛したタイトル、その大二弾のゲームをやるために早めに帰ろうと点滅の青信号を渡ったのが行けないのだろうか、俺はトラックに轢かれて命を落とした。

…はずだった。もしかしたら転生という奴だろうか

「なんでこんなことに…」そう独り言を呟くとまたも頭痛を感じ、この体のこれまでの記憶も思い出した。

自分の名前が信濃 子百合であること

今日は9歳の誕生日であること

日本五家の一角、信濃家に生まれたこと

そして家族の事、それらを思い出す度に一つの可能性が頭をよぎった、この世界は『HEROs』の世界ではないのかと言うこと、だとするのならば…。

「俺は、いや、私は劇場版のボス?」そんなことあるのだろうか、しかし…

「子百合~!ご飯よー!」

…まずは、腹ごしらえからだ。




母の作った朝ごはんを食べながら考える。

俺が転生したキャラは、原作に登場しない映画オリジナルキャラだ。

アニメ終盤に出た映画だからってめっちゃ盛られたキャラ、主人公達の絆という理不尽パワーと自身に投与していた強化薬でやられたボスだ。

そんな子百合というキャラは日本五家の名門の娘。

五家とは人類がスキルを手に入れダンジョンが生まれた日に強いスキルの適性が有り、国を特に守護した家。

そんな娘が闇堕ちした理由は10歳の誕生日にヒーローの父親と兄が死ぬからだ。

それも動画を配信するために逃げなかった者を庇って、更にその戦いで庇った者の仲間が重症を負いファン達が暴走、多くの暴言や脅迫により母も自殺した。

それから子百合は配信者とヒーローを嫌悪した。

配信者は言わずもがな、ヒーローは家族を奪った職業として。

そんな彼女は多くの盛られた要素があった。通常1つ作中でも最大2つまでのスキルを3つ持っていたこと。

強化薬や自身の装備、兵器を作る頭脳と技量があったことだ。

だからこそ日本ヒーロー協会相手にたった一人で敵対できた。

素の力でラスボスと互角(相手は全力装備)、装備有なら主人公陣営+ラスボス陣営でようやく互角、そんなやベーボスだ。

「ごちそうさまでした。」

「は~い。」

部屋に戻りながら考える、俺はこの後どうすれば良いのかと、原作どうりに進ませるなら何もしない方がいい、ただ心がそれを否定している、父にも兄にも会って無いのに「助けたい」と考えてしまっている。

いや、もう無理だ、助けよう、家族を。

それにもし原作崩壊したら、俺がラスボス倒せばいいし。

まずは、この世界が『HEROs』と同じか調べないとな。

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