異世界からの侵略酒
- ★★★ Excellent!!!
曾祖母の家、その地下室にあったのは奇妙な生き物の絵と梅酒だった――。
曾祖母の家は近寄りがたい場所だった。ジメジメとしていて、古びていて、それでいて魔術書や魔法陣のような幼稚なものが溢れている。
そして曾祖母の書いたと思われる小人(ゴブリン)の絵。そして、梅を漬けたような酒漬けのビン。その正体に気づいた時、親子は恐怖に飲み込まれる。
異世界への転移、あるいは異世界からの転移をテーマに描かれるのは、圧倒的な恐怖。作者の生々しく確かな筆致により読者は現実世界に留め置かれつつ、外側からの侵略者の恐怖を目の当たりにする。
この絶妙な読書体験、恐怖体験をあなたも体感してみてはどうだろうか。