4.
真屋トオルと付き合いだして、週末だけではなく休みの日や彼の仕事終わりなど時間を作って会っている。
トオルはデートの場所を一緒に決めてくれるし、好奇心旺盛であなたのやりたいことは全力でしようとする。そしてあなたが似合うといったものは全て買おうとするし、あなたに贈るものは全てあなたが欲しいと思ったものであり、エスコートもする紳士である。
今は彼の家でゆっくりとくつろいでいるが、レポートを書かないといけないためノートパソコンとにらめっこしている。
対して向かい合っている彼はずっとスマホ画面を見つめている。普段なら本を読んでいるのに珍しい。
彼の画面にはあなたの好きだった人が激怒したり鼻水を出して泣いていたりと情緒不安定なメッセージで埋め尽くされている。
あなたの事が好きと告白した後に少し無視したり彼氏のようなものを匂わせているだけでこれだ。彼は自身の色素が淡い髪を手でかき揚げる。
(俺はあの子が高校生だったから好意を閉じ込めていたのに、そうして同年代の良い人と付き合うと信じていたのに。こんな性欲に人の脳が付いた単細胞が好きだった……まぁ、人はないものを他人に求めるというが……しかしお前は好かれているにも関わらず空想の女の方を選んだんだ…ククッ、ありがとう、俺にチャンスをくれて)
「相手が悪かったね。じゃ、さよなら」
真屋はあなたの好きだった人をブロックし、空想の女のアカウントを消す。この小さな独り言よりもあなたは彼の顔が見たことない表情を浮かべているのが気になった。
「トオルさん?」
あなたは彼から貰ったピアスを揺らしながら近づいていく。その様子を見て彼はほくそ笑んだ。
「いやぁ可愛いね」
「急になにー?」
あなたは相談した相手が悪かったと思うことは今後一切ないまま彼と人生を歩んでいくのだろう。
うんうん、それは相談相手が悪いね アレク @han21212ry
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