まだ途中ですが、どうしても書きたくなったので。
そう思わせるくらい、とにかく良質な青春小説です。
学生二人の恋愛や葛藤を描いてるのですが、そんな在り来りな言葉では、この作品の魅力は伝えきれません。
この作品の中に登場する人物がとにかく「生きている」
まるで、作者様の身近にいる人をモデルにしてるのかと錯覚するくらいにキャラクターが生きている。
特に主人公では無いのですが、竹宮君と言う子の苦悩と葛藤、そして羨望に惹きつけられる。
彼の立ち位置は凡百の物語なら「引き立て役」かも知れない。
でも、作者様は彼の内面を描ききっている。
誰でも感じる憧れや嫉妬や羨望。
そう言った光も影もあるのが青春ですが、それが豊かな陰影を持って描かれているので、本当に魅力的なのです。
心底彼の人生を追い掛けたい。
今までそんな事を考えたこともなかったです。
そして、自分も青春小説書いてみたい……
そう思わせる引力に富んだ名作です。
とにかく、青春小説読みたい方は絶対に!読んでください✨
最初にお断りしておきます。私は竹宮くんの大ファンです。なのでこのレビューはタイトルにもある通り、実質竹宮くんレビューです。
外見は非の打ち所がない完璧男子、竹宮くん。勉強もスポーツもできて、クラスの女子からは憧れの的。でも彼の本当の魅力は、そんな完璧な仮面の向こうに見える意外な不器用さにあります。そして彼の不器用さの9割9分はヒロイン・奈々美でできています。
スマートな振る舞いとはうらはらに、奈々美のこととなると一喜一憂。松永先生と奈々美の距離感に嫉妬したり、チャットを送るタイミングに悩んだり。そんな等身大の男子中学生らしさが、竹宮くんを他のイケメンキャラとは一線を画す存在にしています。
この物語は複数のキャラクターの視点から書かれるのですが、竹宮くん視点で描かれる心象描写のキュンキュン度合いははっきり言って異常です。特に奈々美が松永先生に笑顔を見せたときの、釈然としないこのモヤり感! しかも意外と口が悪い! 途中からはもう普通に嫉妬してますしね! でも外見はクールな竹宮くん、最高です。
それでも竹宮くんの奈々美への想いはとても純情です。彼女に近づきたい気持ちが行動のひとつひとつに表れていて、それがまた押し付けがましくなく自然なところが絶妙です。策士だね竹宮くん。
ですがそんな彼も、家庭や受験に悩むひとりの中学生。そんな彼の悩みや願いもまた作中では浮き彫りになっており、松永先生や周囲の助けを得てそこから立ち直っていく過程にも注目してほしいです。
また奈々美の視点から描かれる甘酸っぱい初恋未満にもキュンが詰まってます。隣の席になったことから始まる竹宮くんとの関係、修学旅行での出来事、花火大会、高校見学などキュンイベントが盛りだくさん。どのエピソードも初々しさに満ち満ちていて、これぞボーイミーツガールの醍醐味をこれでもかと味わうことができます。
ふたりの関係が少しずつ深まっていく過程もとても丁寧に描かれていて、読んでいて一緒にドキドキハラハラできます。気持ちが通じるまでの心の軌跡はまさに青春。ふたりが自分の気持ちと向き合い、勇気を出して一歩踏み出す姿を応援せずにはいられません。
そんなわけで軽率に竹宮くんレビューを書いてしまいましたが、本作の主人公はまだ恋を知らない内気な少女・奈々美です。そして本作には松永先生というとても魅力的な大人の男性、そして友達のすみれに奈々美の母といった理解ある人物も多数出てきます。
奈々美と竹宮くんと松永先生の山あり谷ありの中学生活を、ぜひあなたも楽しんでください!
中学時代にあった大人への憧れ……
人気者の同級生とのもどかしいやり取り……
そして、恋愛に不慣れだからこそ生まれる、言葉にできない想い。恋愛だけでなく、家族との関係や進路への悩みなどなど。
周囲の目を気にして、どこに進めば良いのか迷ってしまう心細さ……
子どもであり、子どもではない。微妙な年齢の出来事をリアルに表現されています😌
10万字超えの長編ですが、それを忘れるくらい楽しめます✨
スピンオフも出ている作品なので、一つの作品をじっくり楽しみたい方にもおすすめ!!
作者さんの文章はいつも読みやすく、スラスラと読めるのが有り難いです。
主役の奈々美ちゃんや竹宮くんと同世代の方にも、読んでもらいたいですね😌