「好き」を詰めて走る、自由な週末

バイクに夢を積んで、
女子高生・晴子はひとり旅に出る。

行き先は、富士山を仰ぐ人気のキャンプ場「ふもとっぱら」。
これは、カブ一台で挑む――彼女の「はじめてのソロキャンプ」の記録。

荷物の積み込み、父との会話、初めて使うお気に入りのテント。
早朝の潮風、ヤエー、道の駅で飲むコーンポタージュ。
どれもささやかな出来事だけど、彼女の中では全部が「冒険」だった。

そして、キャンプ場に到着した彼女を待っていたのは、
雲一つない空。
真っ白な富士山。
そして――思いがけない隣人との出会い。

初めての装備、初めての設営、初めての自由。
すべてが「自分で選び、動いて、楽しむ」喜びにつながっていく。

これは、大きな事件もドラマも起きない。
けれど、静かに心を揺らす、
等身大の「旅立ち」の物語。