俺とあなただけがこの世界の救世主に成れるらしい
花藤暁
第1話
「あなたは滅びを見続けるとしても、この世界に残りたい?」
それが、倒れた少女の第一声だった。
銀糸のような髪は月明かりを反射して微かに輝き、漆黒の瞳は夜の闇よりも深く、まるで底なしの宇宙 のようだった。
彼女を見かけたのは、いつもの夜のランニング中だ。
家の裏手にある小さな丘道。人気のないその場所は、ただ風の音と俺の足音だけが響く、静かな時間。
そんな中、道端に少女が倒れていたので、心配になって駆け寄った。
彼女は完全に道に寝そべっており、その瞳で空を見つめている。
その目はどこか、この世のものでないように見えた。
「ねえ、君、大丈夫?」
「あなたは滅びを見続けるとしても、この世界に残りたい?」
返答がこれである。俺は困惑した。一体どういうことだ?
「えーえっと……どういう意味?」
答えに困惑する俺を見て、彼女はふっと笑った。
「ごめんなさい、急だったね。すぐ分かるから」
それだけ言うと、彼女は立ちあがり、俺が走って来た道を歩き始めた。
「またね」
そういって手を振る彼女を夜の街灯が淡く照らしている。
その光の中で、彼女の銀髪はふわりと揺れ、まるでこの世のものではない何かが、夜の闇に溶け込んでいくようだった。
まるで夢のようなその出来事に、なぜか俺の心は酷くざわついた。
新学期の朝。
クラス替えを経た教室は、どこか浮き足立った空気に包まれていた。
久しぶりに顔を合わせる旧友との再会、新しい出会いへの期待と不安――さまざまな思いが交差し、教室はざわめきに満ちていた。
そこへ、カタンと音を立てて扉が開く。
担任の先生が静かに教室へ入ってきた。
その瞬間、空気がすっと引き締まる。
ざわついていた生徒たちも、自然と自分の席へと戻っていった。
ホームルームが始まる合図だった。
だが――先生のすぐ後ろに続いて入ってきた、その姿を見た瞬間。
俺の鼓動が、一拍、強く跳ねた。
……あの少女が、そこにいた。
銀色の髪が、教室の蛍光灯に淡く照らされている。
昨夜、夜の丘で出会い、あの不可思議な問いを投げかけてきた少女が――
今、クラスメイトとして、俺の目の前に立っていた。
夢でも、幻でもない。
彼女は、確かにこの“現実”の中に存在していた。
「はい、みんな静かにー。今日は最初に転校生を紹介します」
教室がざわめきを飲み込んだ瞬間、先生が黒板の前をあける。
その少女は、すっと前に出て、チョークを手に取った。
黒板に、迷いなく名前が書かれていく。
――蛍田 空(ほたるだ そら)。
それが、彼女の名前だった。
「蛍田空と言います。よろしくお願いします」
その自己紹介は、ごく普通のものだった。
だが、その平凡な言葉は、彼女の浮世離れした雰囲気とは妙に釣り合わなかった。
銀色の髪、どこか遠くを見るようなまなざし――まるで、教室という現実に馴染んでいないようにさえ見える。
……それでも、クラスメイトたちは気にも留めず、いつもどおりの調子で口をそろえる。
「よろしくー!」
そんな彼らの声は、まるで彼女の異質さを――見て見ぬふりをしているようだった。
「じゃあ、蛍田さんは……早瀬さんの隣の席に」
早瀬。それが俺の名前だ。
何の因果か、いや、もはや偶然とは思えなかった。
彼女は俺の、すぐ隣の席に決まった。
「……よ、よろしく」
席に着いた彼女に、ぎこちなく声をかける。
自然なはずの挨拶が、なぜか喉の奥で重たく引っかかった。
「よろしく、早瀬さん」
その声は、凛としていて、美しく――どこか優しさを含んでいた。
けれどその優しさには、なぜか俺を憐れむような響きがあった。
まるで、これから訪れる何かを知っているかのように。
それから、何事もなく授業は終わり、放課後となった。
俺はいつもの足取りで図書室へ向かった。
俺が所属しているのは、少し風変わりな部活――文学部だ。
中学では珍しく、派手さはないが、静かに本と向き合える場所。
読書が中心だが、時には自分の作品を持ち寄って、互いに見せ合ったり、語り合ったりもする。
そんな時間が、俺にとっては何より落ち着ける居場所だった。
図書室の扉をそっと押し開けると、鼻をくすぐる紙の匂いとともに、いつもの穏やかな空気が迎えてくれる。
そして、そこにはあの蛍田空がいた。
メンバーは彼女と楽しく談笑している。
まるで、今までもそこにいたかのようだ。
「お、来たか。早瀬。今日は新入部員が来てくれたんだよ、お前のクラスと同じなんだろ?」
「あ、ああ」
「彼女、俺たちが書いた作品にすごく興味を持ってくれててさ。今、あっという間に何冊も読んでんのよ!」
ページをめくる速度は異様に速い。
ほんの一、二秒もしないうちに次のページへと指が動く。
「しかも、内容もちゃんと理解しててさ、即戦力って言う感じだな」
「へえ~」
俺は適当な返答をして、彼女の方をじっと見つめた。
そのとき、彼女がゆっくりと顔を上げ、こちらを見た。
吸い込まれるような深い漆黒の瞳と、俺の視線が交差する。
見つめ合った瞬間、時間がふと止まったような感覚がした。
教室のざわめきも、ページをめくる音も、遠く霞んでいく。
どれくらいそうしていたのか分からない。
数秒か、あるいはもっと長く。
やがて、彼女がふっと微笑んだ。
「……えっと、何か用? 私の顔に何かついてる?」
肩の力が抜けた。
「い、いや……ただ、俺の小説なんか読んでて、本当に面白いのかなって思ってさ。そんなに上手いわけでもないし……」
「うん、君の小説さ、確かに面白くはないの」
「そこまで率直に言われると俺も悲しいな」
「でもね、情景の描き方がすごく綺麗で……読んでると、君が見ている世界が少しだけのぞける気がするの。
その感覚が、すごく好き。私には見えない景色だと思うから、余計に――惹かれるのかも」
「そうなんだ。……そう言ってくれるのは、ちょっと嬉しいかもな」
思わず顔が熱くなり、俺は少し視線を逸らした。
けれど、胸の奥にはどうしても引っかかっていることがあった。
今日のクラスでは聞けなかった、けれど――
「ねえ、昨日……どうしてあんなことを言ったの? その……世界が滅んだらどうとか」
あの夜、彼女が俺に投げかけた不可思議な言葉。
その意味が、喉に刺さった小骨のように、ずっと引っかかっていた。
静かな風景の中に差し込んだ違和感。
彼女と出会ったあの瞬間の、胸のざわめきが、まだ消えていない。
「えーっと、昨日って……何のこと?」
彼女は首をかしげながら、柔らかく微笑んだ。
「私が早瀬くんと会うのは、今日が初めてだと思うけど?」
「……え?」
思わず間抜けな声が漏れた。
言葉の意味がすぐには飲み込めなかった。
「もしかして……他人の空似とか、そういうのじゃないかな?」
そう続ける彼女の表情は、驚くほど自然だった。
演技とも嘘とも思えない。昨日の出来事なんて、本当に知らないかのように、澄んだ目をしていた。
――どういうことだ?
確かに、あの夜の丘で出会ったのは彼女だった。銀色の髪も、漆黒の瞳も、あの問いも――全部、目の前の少女と一致している。
なのに、本人はまるで記憶にないと言う。冗談でもなく、本気で。
戸惑う俺をよそに、まわりの空気はにぎやかだった。
「なあなあ、それでさ、蛍田さんってどんなジャンルが好きなんだ?おすすめいっぱいあるよ!」
「ミステリなら俺が案内するよ!」
「私はね、この小説をぜひ読んでほしいの!」
次々に声をかける部員たち。歓迎の輪の中で、彼女は笑顔で受け応えていた。
それはまるで、初めからこの場所に馴染んでいたかのような光景だった。
その輪に、俺だけが入り込めずにいた。
ぽつりと取り残されたような感覚。
図書室のざわめきの中、俺だけが異なる時間を過ごしているような――そんな気がした。
夕焼けが、静かに町を包んでいた。
朱に染まった空が、家々の屋根をゆっくりと撫で、影を長く伸ばしていく。
俺はいつものように帰宅し、鞄を置いて、無言のまま裏山へと足を向けた。
山道を登りきってから、眼下に広がる町を眺め、そのあとランニングに出る――それが、俺の日課になっていた。
山の入り口は、夕方ともなればすでに薄暗い。
けれどその静けさと、木々の隙間から漏れるわずかな光が好きだった。
日常の喧騒から切り離された、もうひとつの時間のようで。
ふと足を止め、振り返って町を見下ろす。
そこには、代わり映えのない風景が広がっている……はずだった。
朱の光に染まった街並み。
穏やかに暮れていくはずの空。
だが、その風景が――突然、歪んだ。
太陽を中心に、空がぐにゃりとねじれ、光と影が不自然に揺れ動く。
まるで、見慣れた世界そのものが軋み、悲鳴を上げているかのようだった。
目の奥がチリチリと痛む。
現実感が、少しずつ崩れていく。
何かがおかしい。
確かにさっきまで、ここは――ただの夕焼けの中だったはずなのに。
足元の感覚もおかしく浮かんだり沈んだりするような、不思議な感覚がする。
あまりに突拍子もない出来事に、俺はその場に倒れ込んでしまった。
目を閉じ、ただこの奇妙な感覚が過ぎ去るのを待つ。
しばらくして、おそるおそる目を開けると――
空は、何事もなかったかのように、いつもの姿に戻っていた。
……めまい、か何かだったんだろうか。
体調でも崩したのかもしれない。今日はもう帰ったほうがよさそうだ。
頭を振って無理やり気を取り直し、俺は立ち上がる。
すると、ふと気配に気づいた。
誰かが、こちらに向かって歩いてくる――。
「あっ、奇遇だね、早瀬くん!」
あの澄んだ、美しい声で、彼女はにこやかに挨拶してくる。
「えっ……こんなところに、なんで来たの?」
つい、そんな言葉が口をついて出た。
まるで、彼女がここに現れたこと自体を否定したいかのような、ぶっきらぼうな言い方だった。
「それはね――君に会いに来たから、だよ」
そう言って、彼女はまっすぐ俺の顔を見つめてくる。
その瞳に吸い込まれそうになって、心臓が跳ねた。
視線をそらす間もなく、顔が熱くなるのがわかる。
そんな俺を見て、彼女はくすりと笑った。
「……なんてね。冗談だよ。せっかく景色のきれいな町に来たんだから、高いところから夕焼けでも見たいなって思っただけ」
さらりとした声色。ごく自然な回答。
なのに俺は彼女が何かをごまかしているように思えた。
「それで、早瀬くんこそ、なんでここに?」
「お、俺は……いつもこの道を歩いてるんだ。ランニングが日課でさ。ほら、綺麗だろ? この風景」
そう言いながら、俺は坂の下に広がる街並みを指さした。
「うん、とっても綺麗。……早瀬くんは、こういう景色を見て、ああいう小説を書いてるんだね」
そういって振り返り、街を眺める彼女は陽光に目を細めた。
銀髪がふわりと風に乗って、きらきらと輝いている。
「じゃあ、私はもう少し上まで行ってみるね。……早瀬くんは、どうする?」
「……ああ、俺は今日はちょっと体調が悪くて。帰るよ」
「……そう。無理しないでね。体調には気をつけて」
そう言って、彼女は微笑んだ。
そして、ゆっくりと背を向け、坂の上へと歩き出す。
「うん、じゃあね」
俺もそう返したけれど――
どこか、胸の奥がざわついていた。
あの声。
あの優しさには、やっぱり……どこか、俺を憐れむような響きがあった。
それから、日々は何事もないように過ぎていった。
――少なくとも、表面上は。
けれど、時折現れる“歪み”のような現象が、静かにその日常を侵食していた。
物がふわりと浮かび、気づけば人がその場から消えている。
摩訶不思議なその光景の中で、なぜか――俺だけは、何も起きなかった。
自分だけが“普通”であることが、逆に気味悪く感じられた。
そんな中でも、蛍田 空とはよく話すようになった。
あの夜、丘で出会ったときの得体の知れなさとは打って変わって、彼女は意外と気さくで、話しやすい人だった。
たまに、胸がざわつく瞬間はある。
けれどそれ以上に、彼女とは気が合った。特に――本の趣味が。
「私はさ、SFが好きなんだ。人間がどこまで空想できるのか、その限界に挑戦してる感じがして、ワクワクするんだよね」
「わかる! やっぱ創作って言えば空想、フィクションだよな。特にSFは一番、本人の人生観が出るというか」
「そうそう。SFって、空想の中にその人の哲学が滲んでるというか……考え抜かれた“もしも”の世界が好きなの」
「蛍田は何が好きなの?俺はやっぱ『1984年』が一番かな。あの救いのない終わりが、凄くドラマチックだと思うんだ」
いつも通り、俺たちは本の話をして教室の休み時間を過ごしていた。
互いに読み込んだ本の話をしていると、時間を忘れる。
それが、少しずつ“当たり前”になっていった。
その“当たり前”は、突然、終わりを告げた。
世界が歪む――けれど、今回はいつもと違った。
教室の中心に、ぽっかりと黒い穴が開く。
それは重力のようにすべてを吸い込み、飲み込んでいった。
机も椅子も、クラスメイトも。
砕け、裂け、血しぶきを散らしながら、音もなく崩れていく。
まるで地獄の底が、現実に口を開いたようだった。
これは“あの歪み”じゃない。
これは、現実そのものを壊しにきている。
俺は恐怖に駆られて隣を見る。
そこに立っていたのは――たったひとり、何も歪んでいない存在。
蛍田 空。
銀髪が蛍光灯の下できらりと揺れていた。
「おい、逃げるぞ! 蛍田!」
「え? どうしたの?」
「何でもいい! いいから、俺についてこい!」
思わず彼女の手をつかみ、教室を飛び出す。
背後では、教室が――いや、世界そのものが、崩れていく音が聞こえた。
廊下も、壁も、空さえも。
すべてがぐにゃりと歪み、黒い穴へと吸い込まれていく。
俺は、どこへ逃げればいいのかも分からないまま走った。
だが――視界の端に、ひとつだけ“歪んでいない”ものがあった。
あの先に、まっすぐ伸びる一本の道路。
それだけが、この崩壊の中で、ただ静かに存在していた。
「……あそこだ!」
俺と蛍田は、息を切らしながら、その道路へと駆け出した。
俺たちは、ただひたすらに道路を駆け抜けていた。
後ろをちらりと振り返る。
彼女――蛍田 空は、しっかりと俺の手を握り、黙ってついてきている。
その表情は不思議なほど、いつも通りだった。まるで、この光景を見慣れているかのように。
そして、さらにその背後。
道路は、まるで飲み込まれるように、音もなく崩れていく。
舗装が剥がれ、街路樹が引き裂かれ、すべてが黒い空間へと吸い寄せられていく。
道端に散った桜の花びらも、その風に舞い上がった。
雨のように視界を覆い、薄紅色の嵐が背後から押し寄せてくる。
俺はその桜の雨を背に、ただ前だけを見て走った。
足が痛い。息も苦しい。それでも止まれない。
そして――ようやくたどり着いた、先。
それは、俺が彼女と初めてあったあの丘で。
そこには、“それ”があった。
まるで世界のルールから切り離されたかのように、歪まず、静かに存在している。
人ひとり分はありそうな銀色の球体。
滑らかで、完璧な球形。
それは明らかに、この世界のものではなかった。
まるで――別の法則で作られた何か。
「な、何なんだよ、これ……」
目の前の銀色の球体を見上げながら、俺は声を絞り出す。
そんな俺に、答えたのは――蛍田 空だった。
「これはね、世界を旅するための、閃きの乗り物」
平然と言い放つその声に、俺は思わず彼女の顔を見る。
彼女の瞳は、どこか虚ろで、あの“暗い穴”を思い出させるような深さをたたえていた。
「……蛍田? 何を言ってるんだよ……」
「早瀬くん。今まで嘘ばかりついてて、ごめんなさい」
そう言って、彼女はすっと頭を下げた。
崩れゆく町を背にして、それは妙に静かで、どこか儀式のようだった。
「ま、待てよ……! 蛍田、今の状況が分かってるのか!? 一体これは何なんだ!? 何が起きてるんだよ!」
俺の声は、叫ぶように荒ぶっていた。
それでも彼女は静かに、穏やかに告げる。
「この世界はね……もう“滅び”を迎え始めてるの」
「――は?」
「観測者の数が減った世界は、やがて存在の意味を失って崩壊する。これはその過程なの」
「……なんだよそれ。SFの読みすぎか? そんなの、現実にあるわけ――」
言いかけた言葉が、喉で止まる。
さっきまでいた教室も、町も、確かに“現実にあるはず”のものが、崩れ、消えていった。
あれが幻覚だと言い切るには、あまりにも、生々しかった。
「その“観測者”って……一体何なんだよ! 意味がわからない!」
声を荒げる俺に、蛍田は落ち着いた表情で応じた。
「観測者は、この世界を――別の次元から眺めている存在。
たとえば私たちが本を読むように、彼らはこの世界を見つめているの」
「……は? じゃあ……君は、一体何なんだよ」
問いかける声が震える。
信じがたい話なのに、彼女の口調には一切の冗談めいたものがない。
蛍田は、淡々と、けれどどこか寂しげに告げた。
「私は――いくつもの“滅びを迎える世界”を見届ける者。
何かを変えることはしない。ただ、観察し、記録し、見送るだけ。
私は……この世界の傍観者なの。そして君は、この世界の主人公」
そう言って、彼女はそっと俺の頬に手を添えた。
その手は驚くほどあたたかく、柔らかくて――こんな状況だというのに、心臓が不規則に跳ねる。
「大丈夫。……もし観測者がまた増えたら、この世界は元に戻るわ。
だから、それまでは……お別れ、ね」
穏やかな声だった。けれど、その言葉が意味するものは、あまりにも重い。
そして――彼女は、迷いなく顔を近づけてきた。
唇が、そっと触れる。
一瞬、時間が止まったような気がした。
心臓の鼓動だけが、うるさいほどに響いていた。
「全てのものにはきっと意味なんてないの、価値を与えるのは、あなただけ」
そうつぶやく彼女の声は、どこか遠い空を見上げているようだった。
次の瞬間、彼女の銀髪がきらりと輝く。
同時に銀色の球体が輝き、蛍田 空は――その光と共に、ふっと、消えた。
俺はただ呆然と、空を見上げていた。
少しずつ歪み始めた空とは対照的に、世界は静まり返っていた。
「……何なんだよ、本当に」
そしてゆっくりと丘の下を見下ろす。消えていく空、太陽、町。
だけどなぜだろう。
その光景を見て――俺はすべてを、悟った気がした。
……ああ、神様。
あなたが、あなだだけがこの世界の救世主だ。
どうか――
あなたがこの世界を読んでくれるなら。
あなたが忘れずにいてくれるのなら。
たとえ星屑となっても、あなたがこの世界に「評価」を与えてくれるのなら。
この世界は、まだ終わらない。
俺は消えゆく世界に手を合わせ、
心から祈りを捧げた。
俺とあなただけがこの世界の救世主に成れるらしい 花藤暁 @Hanahuzi677
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