男子高校生の四人組が、七夕の夜にそれぞれ、女性を巡って、ある出来事に遭遇します。切なく、ほろ苦い、まるで青春映画を観ているような、素敵な小説です。
東京から来た「ルーズソックスの女」を最初に見つけたらヤらせてくれるらしい。そんなバカげた噂が流れる中、高校三年生の男子四人は年相応な性への関心から、それぞれが自分たちの目的のために行動をするのだが…。大人になりきってない少年たちの性への関心をリアルに描いた作品だと思います。リアル故にスカッとする作品ではありませんが、青春のほろ苦さを味わえる作品とも言えます。青春の葛藤を味わいたい人にオススメです!
1996年の恵庭市、こちらの作者様ではお馴染みのアメリカンダイナー「R66」(ロクロク)とその周辺で起きる少年達となかなか現れない「ルーズソックスの少女」、そして何人かの物語。読むと青春時代のあのほろ苦さ、切なさがグッと胸に迫ります。「青春」はなかなか上手くいかない。「青春」や「人生」に大成功なんてなかなかない。けれどもそんな少年達を少し離れた場所から温かく見守るマスター。マスターと同じ位置で彼らを見守りたくなる、そんなストーリー。お勧めです。彼らに、幸あれ!
1996年の蝦夷の七夕。18歳の少年たちが夢を求めて、灯をねだる子供のように夜の街へ繰り出す──切なくもリアルな物語です。酒や喧嘩、性といった生々しい描写もあり、読者を選ぶかもしれません。ただ、そっと彼らを見守るマスターの存在や、流れる音楽の選曲が印象的で、店の名〈R66(Route sixty-sixと勝手に呼んでますが)〉──通称「ロクロク」も、物語に鮮やかな彩りを添えていました。等身大の彼らの姿をぜひ感じて頂きたい、後味の良い物語でした。