芥シリーズ第3段であるが、Ⅰ、Ⅱに続き、主人公は、芥シリーズⅠ、Ⅱと同じ青山翠雲。職業はジャーナリスト。
Ⅰ、Ⅱをお読みで無い方には申し訳ないが、いろいろあって、主人公の青山は、惑星エーアデに再度赴くことになる。
そして、いろいろあって、青山は、与えられた任務を遂行し、地球への帰途につく。
この、“いろいろ”が、もちろんこの物語の中軸をなし、壮大なテーマの中枢を語るのだが、それをここに書くと、え〜っ、そんな話ぃ〜?と、読者が離れていくのは目に見えているので、あえて“いろいろ」とだけ述べておく。
一つだけ言えるのは、他の青山作品と同様に、読んでいて辺りが何故か“白濁”して見えるということ。
あれ?白内障にかかった⁈と、誰もが感じるであろう、そんな作品であることを保証する。
更に、読んだ後に、身に覚えのない妊娠を告げられる女性がおられたら、その父親はきっと‥‥
青山 翠雲先生を以前私は「カクヨムの鬼才」と評したが、現在は「カクヨムの天才」と認識を新たにした。二回拝読したが、正直な感想は、モーツァルトを前にしたサリエリの気分である。
青山先生の文章は学術的であるのに読みやすい。全編を通じて青山先生の世界に対する愛が貫かれている。小説を読むことで先生の愛に触れた時、青山先生というウェブ小説界史上空前絶後の天才ぶりを痛感した。
こんがらがった量子もつれを最適化するのは、「交渉」に他ならない。読めばあなたも新たな物語を構築したくなるだろう。それは「新米」となって誰かの食卓を潤すであろう。