＜MUSE＞ 忘れたつもりでも、胸の奥で燃え続けているはずだ

創作の無限の地図に使われる藍色インクになりたかったの

さよならの前菜としての文字列　送った指がまだ燃えている

曇り空あなたの残骸拾わずにロケット花火で切り裂く大気

恋殺し　体に亀裂走るよな鼓動を閉じたい冷やしてくれよ

殴られて「あたし強いし平気だし」そんな女の生まれ故郷さ

土下座して地球に謝るロボットが握りしめてる子どもの上履き

臆病な暴君だったね　ラズベリー　ずっと好きって言ったくせして

真珠貝みたいな矛盾　午前２時　きみの不在はドーナツの穴

「味方だよ」それは他人に言うセリフ　プロポーズさえ他人に言うし

まるい胸　細切れにする呪い文字　かき揚げにした春菊とともに

お別れは風が吹く日にいたしましょう　ガラスのコップに生けたエニシダ

公演前ミューズが消えた舞台には　錆びた空き缶一つあるだけ