第二話  街を抜けると

亜紀斗は、健二に「行ってくる」と言ってひとまず家に帰った

そしてクローゼットを開け、ワイシャツの上に羽織を羽織った

(懐かしい感じがする)

ネクタイを締め、畳の部屋に置いてある刀を手に取っり

「よし!」

と意気込んだ

親は仕事で家に大体居ないため、置き手紙を書くことにした

漸く準備ができたので亜紀斗は勢いよく家を出た

「絶対、連れ戻したやっからな!」

そう心構えると、亜紀斗は走り出した

-数分ぐらいしたら、やっと、街を抜けることができた

亜紀斗の目の前は、森だった

足元は草が生い茂っている

「歩きにきぃ」

すると、ドカァと音を立てながら、"ナニカ"が地面から飛び出してきた

「どわぁ!」

亜紀斗はギリギリ避けることができた

その"ナニカ"の正体は牛頭鬼だった

見上げるほど大きく、頭には角が生えている

亜紀斗は咄嗟に刀を構えるが、怖くて手が震えている

すると牛頭鬼が攻撃をしてきた

「ぐっ!」

動かない足を頑張って動かして避けた

それから、攻撃の体制にはいり牛頭鬼目掛けて飛びあがった

「ふ、ファイアーサーベル!」

亜紀斗が術を唱えると刀が真っ赤に燃えた

その刀を思い切り牛頭鬼に叩きつけた、が弾かれてしまった

そのまま牛頭鬼は拳を振り上げ、亜紀斗目掛けて振り下ろした

「ガハッ!」

亜紀斗は凄い力で地面に叩きつけられたので、身体中から、血がでていた

(…俺、もう終わりなのか…)

牛頭鬼はまた拳を振り下ろした

亜紀斗は意識が朦朧としてきた

(せめて、新発売のゲームやりたかったなぁ…)

そんな事を思っていると、何処からか、シャキン、と刀でなにか切る音がした

すると、牛頭鬼の叫び声が聞こえてきた

(なんだ…?)

薄ら目を開けると長い髪の毛と、お守りが見えた

「君、大丈夫?…あっ!ごめん、今は喋れないよね」

その子はそう言って刀を腰の鞘に差した

亜紀斗はそこで意識を手放した

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"かい"と"あき" Mr.ふぁいんごっど @Mr_Finegod

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