焼いた死体の数だけ、

雲霓藍梨

心地好くなる。

嗚呼、匂う。


匂うぞ…!


焼けた死体の匂いがする。


既に固かったそれ。


強い陽射しに焼かれ。


ひとつ、またひとつと命が消えていく。


太陽が真上を過ぎた頃、

柔らかさを取り戻し始めたそれをひっくり返す。


そしてまた、

じわじわと命が減っていく。


陽が傾いた頃、

残骸を取り込んだ。




——さて、今日は気持ち良く眠れるだろう。



ほかほか温かく、膨らんで。


お日様の匂いがする。




せんべい布団は、

ふかふか布団に生まれ変わったのだ。




(お日様の匂いって、日光で焼けたダニの匂いらしい)

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焼いた死体の数だけ、 雲霓藍梨 @ungei

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