嘘肌

Rie

― みっともなく、愛しく ―


--- 


 また 来てしまいました

 昼間の部屋に 灯りもつけず

 靴音ひとつ 盗むように


 


 どなたの奥さまでしょう

 知らぬふりなど もういたしません

 わたくしも たいがい ずるいのです


 


 「すぐ帰る」と

 わたくしより先に 脱がされて

 くやしいほど 抱かれました


 


 咎(とが)のない肌など

 今さら ございますか

 抱きしめられてなお みっともなく

 「行かないで」なんて


 


 化粧もせず

 濡れた髪のまま 寝転んで

 図々しくも 腕を掴んで


 


 ……愛されたふりで

 愛してしまっただけです

 

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嘘肌 Rie @riyeandtea

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