電礫文庫蒼天乃王

つばき

蒼天乃王 二人の王の物語

【外伝】 光天と友也。

俺は斎藤友也。現在、二十六歳。青龍国の国王である。

俺には兄弟がいる。正彦、乙夜だ。

子供の頃、俺らは母と共に普通の生活をしていた。

城には住んでいなかった。あのころは楽しかった。だがある日、家族の幸せは突然消えた。父が消えたからだ。

月日が流れ、俺は岡山に来た。母と弟と共に。

生活は不安定。心の中は孤独だった…。

孤独な思いを抱え、野原を歩いているときれいな花畑を見つけた。

俺は花が大好きだった。

「なんて綺麗な花畑だ。東京の蒼天村ではみたことがない。」

感動のあまり俺は座り込んだ。その時、後ろから声が聞えた。

「君はどこから来たんだい?この岡山の村の人間じゃないね。」

「誰だ。」

俺は剣を握り、立ち上がった。振り返ると青年が立っていた。

俺と同じ年ぐらいの青年だった。

 俺は彼に尋ねた。

「なあ。友也。あの白い雲。なんていうと思う?」

「わからない。」

「蒼天雲ていってな。願いをかなえる雲ともいうが平和の雲ともいう。」

「平和の雲。」

「俺はな。友也。あの雲のような蒼天の世界を作れる王になりたいと思う。民や貴族。すべての人が幸せにできる世界を作りたいのだ。」

「それはいい考えだ。俺もしてみる。」

「じゃあ一緒にいつか。この夢を叶えよう。友也。」

「ああ。約束な。光。」

俺と光は指切りして、野原で別れた。

俺と光天はこの頃、友だった。

あの夢はまだ続く。忘れられない夢だから。

すべてはここから始まった。

                       END

【第一章】 呪詛

ここは日本。日本には多くの町が存在する。住宅や様々な店もある。けれど今の人々はまだ知らない。町が栄える前に、貴族が日本に住んでいたことを。

これはそんな国を変え、人々を幸福に導いた王の物語である。


【呪詛】

千九百九十年、四月二十日。

この日本は貴族が住む国であった。

日本は神の力を持つ貴族が守っていた。

東北地方を守る青龍国。彼らは関東と九州を守る貴族である。

その王は斉藤友也。優れた青龍の力を持つ王である。

彼は人々からこう呼ばれていた。青龍様と。

彼は英雄と讃えられていた。しかし、彼と同じくこの日本を守る王が存在した。

中国地方と近畿を守る貴族が岡山に存在した。

光と闇と火を操るなど、様々な力を持つ国。それが光天国である。

その国の王の名は光天光といった

そして王はこうも呼ばれていた。光様と。

だが青龍国はその国を許せなかった。自分の国より豊かに国を栄えさせていたからだ。

そして、人々まで幸福にさせていたその力を恐れていたのである。

「くそっ。よくも我が国よりこの日本を先に幸福にしたな。断じて許すわけにはいかない。」

青龍王は怒りを増していた。

側近兵は言った。

「どうします、王様。彼らは兵まで強化しています。このままでは奴らに支配されてしまいます。今までの統一が無駄になります。」

王は笑って言った。

「名案がある。生まれたばかりの姫に呪いをかけよう。そして、攻め込むのだ。これこそ我が器にふさわしい統一だと思わぬか。」

兵は答えた。

「はい。とてもすばらしい考えです。では青龍家の秘伝術を用意いたします。」

「頼んだぞ。」

しばらくして兵士は王の前に来た。王は尋ねた。

「準備は出来たか。」

「はい。ただ今用意いたしました。それでは始めます。」

「承知。」

兵士は術を唱えた。

「ああ神よ。今こそ姫に邪悪な呪いを与えたまえ。ブリーダーク!」

一方その頃、光の国で生まれた鈴は、体中に闇が大量に放たれた状態に陥っていた。姫は泣き始めた。

…おぎゃあ。おぎゃあ…

「あなた、姫の体が闇に侵されたの。もうこの国は終わりよ。」

母は姫を抱きかかえながら泣き崩れた。側にいた鈴の姉、五月は母に寄り添い言った。

「お母さん。大丈夫よ。」

「五月…。」

王は三人の側に近寄り、こう言った。

「大丈夫だ。光でどうにかする。ライトオーダ!」

王は光で姫の体を浄化し始めた。


一方、友也は第二の呪文を唱えようとしていた。

「王様。第一の闇をかけることに成功しました。」

「よくやった。姫の様子はどうだ?」

はい。闇が放たれた事に気づき、どうやらそれを王が浄化しているようです。」

「よし、チャンスだ。第二の術を私が唱えよう。さあ準備は整った。では始めるぞ。」

友也は術を唱え始めた。


【術式】

「いにしえの青龍よ。邪悪な光を払い、姫を悪しき闇で覆うのだ! ダークレイスン!」

光天光の力が姫の中に入り込み、次第に浄化しつつあったが、第二の術が放たれた瞬間、再び闇が少しずつ姫を包み込んでいった。そして闇はだんだんと激しくなり姫をさらに包み込んでいった。

王妃は驚いた。

「あなた…こんなことって。」

王は再び大量の闇が放たれたことに驚いた。

「そんな。私の光が効かないなんて。だが安心しろ、希望はある。いつかこの子を闇から救ってくれる王子が現れる。それまではこのペンダントが守ってくれるのだ。これは王家に代々伝わる光のペンダントだ。イエス様がこのペンダントに光を入れてくださったという。これをつけていればきっと姫を守ってくれるはずだ。」

王妃は姫を見つめながらかすかに笑って言った。

「そうね。姫神様のお導きで必ずや光に守られますように。」

姫は両親に守りのペンダントをつけられ静かにすやすやと眠りについた。

王は決意した。

「王妃よ。私は兵を率いて奴らを破壊する。たとえ、刺し違えても・・・構わん。」

王の決意を聞いた王妃は言った。

「王様、それがあなたの意志なのですね。わかりました。では私はこの城と民と町を守ります。」

王は言った。

「ありがとう、王妃…。よし、兵ども。これから青龍国に攻め込む。貴様ら行くぞ! この国のイエスに誓いを立て、奴を叩くのだ!」

「はい!」

「参るぞ!」

王は岡山から二百万の兵を率いて各県を統一しながら、敵のいる東京についに入り込んだ。

一方、青龍家を守る兵はその異変に気づいた。

「大変です。王様。」

「どうした。なにか動きがあったのか、奴らに。」

「はい。光天国が攻めてきました。」

青龍王は不敵に笑いながら言った。

「意外と早かったな。いいだろう、兵を準備しろ。」

「はっ。」

友也はただちに二百十万の兵を準備した。

「出陣!」

「大変です。青龍国が二百十万の兵を率いてこちらに来ています。もう近くです。」

「大してして変わらん。なぜなら上空部隊を二百万用意してるからな。」

兵士は王様を誉めた。

「さすが王様。」

「では行くぞ。出発。かかれ。」

光天軍が青龍家の領土に攻め込もうとした次の瞬間、友也が率いる青龍軍が攻めて来た。

「くたばれ。光天国!」

「くたばるのは貴様らだ。ワァー!」

だが光天国の方が上手だった。

「くっこのままじゃまずい。撤退して態勢を整える。王よ覚えとけ。いつかお前の国を滅ぼしてやる。ほほほ。」

青龍国の王は笑いながら兵を率い去っていった。

「終わったな。」

「はい。これでやっと平和になりますね。」

「まだだ。平和はまだ来ていない。いつか姫の呪いが解け、奴を倒せてからが本当の平和だ。」

「はい。」

彼らの闇の戦いはまだ終わっていなかった。これは全ての始まりに過ぎなかったのだった。



【第二章】 神々の子

人は、憎しみ、悲しみ、怒り、喜び、様々な感情を持っている。私達もそう。

だがこの日本は国と国が争いを続けていた。権力と国の平和の為に。それでも決着はつかず、戦争は何年も続いている中で私は育った。

「鈴、遊ぼうぜ。」

浩之は鈴を誘った。

「いいよ。何して遊ぶの、浩之君。」

拓也は浩之がタメ口を使っているのに気づいた。

「無礼者。姫に向かって失礼じゃないか。」

浩之は尋ねた。

「拓也。お前は俺に注意する。なんでだ?」

「こいつは姫だ。それなのにおまえは普通の子供と同じように会話しているからだ。」

「ごめん、拓也。知らなかった。」

「別にいいけど。謝るなら鈴に謝れよな。俺が王様に怒られるじゃないか。」

「ごめんよ、鈴。俺、鈴がそんな思いをしているなんて知らなくて。」

鈴は笑って言った。

「いいよ。姫でも私は鈴だよ。それにね、無理して姫って呼ぶ必要ないよ。」

僕たちは尋ねた。

「どうして?」

「嫌いなの、姫って呼ばれるの。私の所は城だよ。でもいつも戦争なの。そして、私の呪

のことで頭がいっぱいなんだもん。だから貴族は嫌いだもん。」

「そうなんだ。ごめんな。」

「いいよ。じゃあ私決めないよ、遊び。浩之君達と同じ遊びでいいよ。」

「分った。じゃあ王様ごっこ。」

「おもしろそう。じゃあ私は妃役。」

「いいけどそれでいいのか。」

「いいよ。でもお城ごっこならしてもいいよ。」

「本当。じゃあしようぜ。」

私達がお城ごっこをして遊んでいたその時、地面が突然揺れ始めた。

「何なんだよ。地震?」

「僕もよく分からないよ。」

「戦争よ。また青龍家が攻めて来たんだわ。」

「青龍家だってよく分からないけどまずいよ。机の下に隠れよう。」

「おう。」

私達三人は机の下に隠れた。しかし、揺れは収まらなかった。

「揺れが止まらないよ。」

その時、闇が床から解き放たれた。

「いたいよ。」

鈴は胸を押さえ倒れこんだ。

「おい。鈴しっかりしろ。おい」

鈴は意識を失った…

「鈴!」

僕は鈴を抱き抱えた。

「おい浩之、鈴はどうなったんだよ。」

「闇に犯されて眠っただけだよ。」

「目覚ますの?」

「だめだってよ。今方法を考えてるんだ。どうすれば鈴を救えるか。」

その時、声がした。

「姫を助けたいですか。」

浩之は尋ねた。

「誰だよ。」

「どうしたの、浩之。」

「声がした。女の声が聞こえた。」

拓也達は言った。

「うん、聞こえた。微かな声が。」

再び声が聞こえた。

「あなたたちには私の声が聞こえます。力を持って生まれてるから。この日本を救うために。」

「この声は巫女の声だ。うわさで聞いたことはあるけど、力を持つ者にしか聞こえないと。」

再び声がした。

「存じていて下さってありがとう。聞いて下さい。今、国は青龍家を止めるためにこの地で戦争をしています。今や姫を守る人はいません。どうか助けて下さい。」

「いいけど。僕らに力があるの?」

「はい。」

「俺らに鈴を守る力があるのか。僕にできるかな。」

僕たちは不安になった。

巫女は言った。

「できます。」

「僕たちが?」

「はい。私は光の神、紗綾玲那。玲那とお呼びください。」

そして、巫女はついに姿を現した。玲那の姿はとても美しく、背には光の羽を生やし、手には剣と盾を持っていた。

浩之は尋ねた。

「君はどこを守ってるの?」

「私は姫の城を守る巫女です。」

「なるほど。理解したけど僕らは何をすればいい。」

「姫の呪いを解いて下さい。」

「分った。けどやり方が分らない。」

「安心して下さい。私が力を貸します。」

「ありがとう。僕やってみるよ。」

「では、私と一緒に唱えてください。」

「うん。」

「目を閉じてください。」

「分かった。」

僕は目を閉じた。

「では一緒に唱えてください。」


【術式】

「いにしえの光。僕は浩之。汝の命によりいにしえの光を解き放て。イルーライト!」

いにしえのが鈴に解き放たれた。

巫女は言った。

「これで大丈夫。目を開けてください。」

僕は目を開けた。ふと首元を見るとペンダントが掛けられていた。

「浩之すげえ。魔法のペンダントだ。しかも剣の形している。」

拓也達は驚いた。

「本当だ。僕も初めて見たよ。」

巫女は言った。

「それを姫に掛けてください。そしてこう言ってください。姫の邪悪な呪いを浄化したまえ。ライトフェアリー!」

「わかった。」

浩之は鈴に鍵の呪文を唱えた。

「姫の邪悪な呪いを浄化したまえ。ライトフェアリー!」

その瞬間、鈴の体がペンダントの光に包まれていった。鈴から邪悪な呪が消えていった。そして、鈴は目をさましした。

「あれ。私どうしたの?」

「鈴。」

浩之君は私を抱きしめた。

「どうしたの、私?」

「なんでもない。」

「うん。」

拓也達は言った。

「何でもないわけじゃないだろ。浩之はな、お前が闇に犯されたから浩之が助けたんだ。感謝しろよな。」

「ありがとう、浩之君。」

「うん。鈴ちょっといいかな。」

「いいよ。何?」

僕は鈴にペンダントを掛け、祈りの言葉を告げた。

「鈴の呪いを払いたまえ。ライトフェアリー。」

「これで大丈夫だ。」

「ありがとう。」

「おう。」

「姫様。」

「あなたは玲那様。」

「はい。私はあなたが生まれたときからあなたを守っていました。」

「そうだったの。今回も助けてくれたのね。」

「いいえ彼です。私は手助けをしただけです。」

「そう。でもありがとう。」

「…はい。」

妖気が漂い始めた。

「この妖気、青龍家だ。」

「お前、感じるのか気配?」

「うん、ものすごい邪悪な青い竜の気配がするよ。」

「お前よく気配がわかるな。」浩之は言った。

「感知することができるんだ。」

「すごい。」

紗綾は言った。

「姫様、これを。」

「これは?」

紗綾は鈴に短剣を差し出した。

「これはお父様が神棚に祀っていた短剣…」

「はい。これをお使いください。光天様はあなたに授けると言ってました。使い方はあなたのイメージでと。」

「私にできるかな。」

きっと大丈夫よ、あなた様なら。」

「分りました。父の命、私が引き受けます。」

神は微笑んだ。そして、神は浩之に言った。

「あなたにはこれを差し上げます。」

「この短剣は何?」

「これは光の力を宿した短剣です。あなたには鈴様を守る力があります。」

「俺にそんな力が…。これで鈴が守れるのか?」

「はい。使い方はあなた次第です。その剣で鈴を守りなさい。」

「分った。ちょっと試していいか。」

「いいですよ。」

 浩之は地面に短剣を突き刺した。剣が光った。

拓也達は拍手して浩之に言った。

「短剣も使えるんだ。」

「俺も不思議だよ。でも光っているだけじゃいけないし、ちょっと呪文唱えて見るよ。」

「おう。」

浩之は考えた。

「よし、呪文が決まったよ。いくよ。」

「うん。」

浩之は術を唱えた。

「ゼアールライト発動!」

その瞬間、短剣が光った。そして、光の剣に変わった。そして、盾が現れた。

「これが僕の力。生まれつき持っていた力なのか。」

「すげえ俺はこれだ。セイテスライト。」拓也は魔法を唱えた。

その瞬間、空に光が放たれた。

「すげえな。」

「俺は浩之のように力持ってないから。浩之は感知能力も持っているけど。俺はこれしかない。」

「でもすげえ。」

「あとこれもできるよ。クナンソードライト!」

呪文を唱えた瞬間、花の剣と光の剣が現れた。

「すげえな俺ら。」

「それはお互い様。」

「二人ともすごいね。」

鈴は笑って誉めてくれた。

「鈴は俺らの後ろに着いてくればいい。」

「うん。」

「お待ちを。あなたも戦うのよ。」

神は鈴を引き留めた。

鈴は言った。

「私も? でも私、力はないわ。」

「大丈夫です。姫だから。」

「いいえ。私は一人の人間です。」

「何が言いたいのですか。」

「もし戦うのなら姫ではなく人として戦います。」

「分りました。」

「ありがとう。」

「はい。」

「浩之君、拓也君、私も戦うわ。ただ条件あるんだけど聞いてくれる?」

「もちろん。」

「ありがとう。」

「うん、それで条件ってなに?」

「私を姫じゃなく人として見てほしい。私は人として戦うわ。」

「いいぜ。俺らがサポートする。人として鈴を見るよ。だから一緒に行こうよ、戦地へ。」

「うん、ありがとう。浩之君、拓也君、私も 戦うわ。」

「よし、皆で倒そう。」

「おう。」

浩之は言った。

「妖気があるのはあっちだ。急ごう。」

「ラジャー!」

僕らは陽気がある方へ向かった。国王は兵軍を率いて青龍家の領土に入った。激しい戦いが続いていた。

浩之達も戦地に到着した。

「着いたな。」

「うん。」

拓也は尋ねた。

「鈴、その短剣。」

「お父様が下さったの。私に強くなれと。だから私は戦うわ、二人と一緒に。」

「ああ。そして平和にしよう、三人の手で。」

「おう。」

一方、青龍家と光天国は激しい戦いを繰広げていた。

「この時を待っていたのだ。さあ滅びるがいい、光天!」

バン!

「敗北は貴様らだ。ハーッ!」

「王様、きりがないです!」

「一度、退勢を整えるために姫路に行こう。そこで追い詰めよう。」

「はっ。引くぞ! 退勢を整えるぞ。」

「はいっ。」

「私についてこい!」

「はい。」

光天王は兵を率い、姫路に向かった。そして、姫路にたどり着いた王は姫路城の庭に入った。

一方、その動きに青龍家は気づいていた。

「王様。奴ら姫路に集結したみたいです。いかがいたしましょう。」

友也は兵士に言った。

「すぐ出発だ。やつらが集結している場所に向かい、叩こう。まずは京都に進入し、兵庫県姫路に向かうぞ。行くぞ。」

「はっ」

友也は兵を率いて、京都へ向かった。

一方、浩之達はその動きに気づいていた。

「戦場が変わった。ここにはもういない。」

「どういうこと?」

「光天国軍は姫路にいる。そして青龍軍は姫路に侵入しようとしてる。」

「そうか。じゃあ急ごう。」

「ああ。」

「間に合えよ。」

僕たちは姫路へと向かった。

一方、青龍軍は京都に到着した。そして、兵庫へと向かった。光天国軍はその異変に気づいた。

「王様。大変です。奴らは京都からこちらに進入しています。もうじき近づいてきます。あっ、もう来ました!」

「光天、覚悟!」

青龍家は光天軍に襲いかかってきた。

「戦闘用意! 開始!」

「わー! 食らえ! ライトレスアーファイアリーライト!」

兵達は光の術剣で敵に攻撃した。青龍家は押されていった。

「くっ、魔術剣だと。ふざけんな!」

青龍兵を率いる隊長は光天王に立ち向かおうとした。

「今だ! 光様!」

「おう!食らえ! ライトソードフラワー!」

「くっ、まだだ。ブルーライトダーク!」

隊長の力は跳ね返された。そして、次々に軍は倒されていった。

青龍家は押されていった。

「友也様。このままではやられます。」

友也は言った。

「撤退するぞ。」

「はっ! 撤退!」

兵は王とともに青龍国へと退却していった。

「光様。なんとか乗り切りましたね。」

「いやまだだ。ただならぬ妖気を感じる。この気配は青龍家。どうやら別部隊も用意してたのか。鈴がいる。すぐ岡山に向かうぞ。」

「はい。」

天光国は兵を率い、岡山に向かった。果たして鈴は無事なのか。鈴達は悪魔を倒すことが出来るのであろうか。


【第三章】 絆

幼き私達は日本を守る為戦う事を決意した。そして、悪魔にたち向かったのである。そして、私達は姫路についたときはすでに戦いは終わっていた。

「鈴、何か感じないか。」

「感じる…微かだけど。でもここには邪悪な気配はしないわ。もしかしたら岡山に向かってるのかも。」

「なるほど。俺にも感じるが光の気配だけだ。おそらく岡山に邪気が集結してるはずだ。」

「行こう。」

私達が岡山に戻った途端、青龍家の別部隊が攻めてきた。

「浩雪君、これって?」

「ああ待ち伏せだな。」

王は兵を率い、天光家の二百万の兵にたち向かった。

「よう。お前らガキの相手は俺たちがする。さあ、さっさと殺してやる。レイトンソード!」

前線の原隊長が強力な青龍剣で斬りかかろうとした。

浩之は剣を抜いた。

「あいにく僕は死ぬ訳にはいかないんだ。わー!」

浩之は原隊長と激しい戦いを始めた。

「浩雪君!」

「鈴、ここは俺に任せろ。そっちを頼む。お前にはやることがあるだろう。」

「うん。そっちは任せるわ。」

「おう。」

私達は気配が感じられる方向に向かった。

「ここなのか。」

「うん。それよりなに、この死体。」

俺と鈴の前に現れたのは呪でやられた光天国の兵士の死体だった。

「ひどい切り方しやがる。」

「いったい誰が?」

「あの軍勢だ。」

「あれは青龍国。」

「あれ? まだ残りの兵がいたのか。」

「違うわ。あれは別の軍よ。用意していたんだわ!」

「なんてやつだ。」

青龍国兵は私達の姿を見ていた。

「どうします。我々三人であの二人のガキをかたづけようか。」

「そうだな。では任せるぞ」

「はい。」

兵士が私達のところにきた。

「よお、神の姫様。我の綬の内輪よ。」

「私は綬の内輪じゃないわ。」

「それを証明する奴がいるわけ?」

「いないわ。けど私はあなたを倒し、城や民を救う。」

「あがくのもいまのうちよ。死になさい。ファイアリー!」

青龍兵は火の力を解き放ち襲いかかろうとしていた。

「こんなところで死ぬ訳にはいかないわ。フラワーライト!」

鈴は花の光で兵士の火の力を包み込んだ。

火の力を使う青龍兵と戦闘になった。しかし、鈴の力は火により消された。

「くっ、どうして?」

「我には聞かぬ。さあそろそろケリをつけよう。最後に名を名乗っておこう。我は青龍家の兵、理欄。王が掛けた呪いを持つあなたを迎えに来た。」

「私はあなたのいる国には行かない。私はあなたたちを倒してこの日本を救うまでよ。くらえレイアーフラワー!」

花ふぶきの力を解き放った。

「効かぬわ。ファイアリーサンダー!」

鈴の力は火の雷の力により無効化された。

「しまった!」

「死ね、姫!」

 鈴に襲いかかろうとした。

バン

「俺の存在を忘れるなよな!」

「食らえ。ライトソード!」

「くっ!」

「鈴、今だ!」

「うん。行け、フラワーライトスノー!」

鈴は理欄に術を掛けることに成功した。一方、浩之は剣の光で前原術剣を跳ね返した。

「ちっ、なかなかやるじゃないか。」

「おまえもな。あいにく僕は死ぬ訳にはいかないから。鈴を守る為に。」

「ほう。いい目をしてるな。」

「お前に鈴は渡さない!」

「ほう。だが終わりだ、ここで。」

「…終わりじゃない! 鈴を守る。そのためにお前をここで倒す。」

そして拓也と鈴は理欄との戦闘が続いていた。

「傷を負わしたことは誉めてやろう。だが無駄だ。ファイアーブル!」

「効かないよ。ライトエリア!」

「くっ。リメンバーブルー!」

青き光を解き放った。

「諦めないぞ、僕は。鈴を守るために。ハーッ、食らえ! セサミーブルーライト!」

光は青い闇を照らし理欄ごと払い始めた。

「なんだと、このガキ。我ごと力を破るとは。揺るさん! あー」

青き灰になり空へと消えていった。

だが彼は力を振り絞り再びよみがえった。

「私を倒したことは誉めてやろう。しかし、私は簡単には倒せない。最後に聞く。貴様は何がしたい。」

拓也は言った。

「貴様を倒しこの世界を救ってやる。」

理欄は言った。

「坊主よ、いい心がけだ。だが死んで貰う。クーブルーソード!」

青き光で攻撃してきた。

「諦めない。フラワー睡蓮!」

花の剣で敵の能力を跳ね返した。

「拓也君。大丈夫?」

「うん。なんとか。そっちは無事?」

「一応。けどこいつはやばいな。」

「うん。」

「さあ終わりにしましょう、少女よ。ファイアーダークボルト!」

急に空が暗くなり、闇雲が現れ闇の稲妻が私に攻撃してきた。

「こんなところで死ぬ訳にはいかない。フラワーレインズ!」

鈴は花の結界を張り敵の攻撃を無効化した。

「今よ! 拓也!」

「おう。食らえ。ライトニングブレインソード!」

光術切り裂きソードで敵の攻撃を受け止め、敵を切り裂いた。

「何? この私を破るとは。アーッ」

敵は光に包まれ消えた…

「なんとか倒したよ。拓也君のお陰だよ。」

「いや。鈴が頑張ってたから。」

「でも拓也くんが来てくれなかったら私、死んでたよ。ありがとう。」

「おう。」

一方、浩之は追い詰められていた。浩之は光りの粉の結界で敵の攻撃を無効化した。

「はあはあ。なかなかやるじゃん。」

「けど次で僕はもう終わりね。君は?」

「くそ!」

「終わりじゃない。ライトブレイク!」

「君、だれ?」

「僕は吉岡。よろしくね。君が危なそうだから手伝いに来たんだ。」

「そう、ありがとう。」

「礼はあとでしろ。行くぞ。」

「おう!」

「食らえ。ライトフェリー!」

「効かぬ。レイアレスティー!」

青龍兵が放った闇が浩之達に襲いかかってきた。

「そんな簡単には死なないぜ。バリアライト!」

吉岡は敵の闇の力を跳ね返した。

「浩之。あいつの力を無効化するだけじゃ倒せない。だから最強の力を唱えて、ヤツを倒そうと思う。力を貸してくれればいい。僕に続いて言えばいい。僕が術を唱えるから僕に会わせて一緒に唱えて。」

「わかった。」

「ちっ、貴様。ガキめ。」

「行くよ。」

「うん。」

僕たちは祈り術を込めた。


【祈り術】

「主の神イエスよ。汝に襲いかかるいにしえの的を払いたまえ。主よ汝を救いたまえ。我らは主に誓いたもう。ライトラーメン。」

空からイエスが現れ敵に光を照らした。

「わあ、まぶしい。くそ、この場でやられるとは。わあっ」

兵士は光りに包まれ空ヘ消えた。

「終わったのか?」

「ああ。そうみたいだな。闇が少し残ってるがじきにに消えるはずだ。」

「そうみたいだね。でも吉岡がきてくれなかったら僕は死んでたよ。本当にありがとう。」

「いいよ。僕も守りたいものがあるしね。」

「守りたいもの。誰?」

「秘密だよ。」

「ほう。君たちが私の娘を助けたのか。」

後ろから声がした。僕らが振り返ると光天家が立っていた。

「誰?」

「知らないの浩之? 光の国の城光天城の王だよ。」

「光天様。」

「光天様て? 光の王国の?」

軍は言った。

「紹介します。我々は光天国です。そしてこの方は光天国の王様です。」

「すみません。」

「よい。お前は知らないであろう。だが横にいる園児は知ってるようだな。」

「はい、王様。母から聞いていました。」

「そうか。母は元気か?」

「はい、元気です。」

「ならよい。危ういところだと思っていたが、お前達が倒してくれたようだな。我が娘を守るために。」

「はい。」

「一つ礼を言う。かわいい坊やよ。娘を守ってくれてありがとう。お前が娘を助けたことは確かだ。園児なのにたいした強さだ。伸びがある。」

「ありがとうございます。でも僕は戦いたくて戦ってる訳じゃないんだ。」

「では聞くがお前はなんのために戦っているんだ?」

「わかりません。僕が何の為に戦ってるのか。」

王は浩之の肩に手を添え笑って言った。

「幼いから無理もないであろう。だが簡単な答えはあるであろう。」

「あります。」

「申してみよ。」

浩之は言った。

「鈴のためです。」

王は誉めた。

「よく言った。幼いが上出来だ。なら鈴の友達として支えてくれるかな。それが私からのお願い事だ。」

「はい。」

「感謝するぞ。これからもよろしくな。」

「はい。」

「では失礼する。」

王様は兵を率い、園児達の前から去っていった。

「いいのかよ、引き受けて。」

「いいんだよ。俺がしたいから。」

「ふーん。」

後ろから声が聞こえた。

「二人とも大丈夫?」

「鈴、拓也、無事だったんだ。」

「うん。私達二人で倒したんだ。」

「すごいね。」

「こいつがいなかったら俺は死んでた。こいつがが来てくれなかったらあいつを倒せてなかった。」

「そうなんだ。でも浩雪君。彼を指差しちゃだめ。失礼でしょ。」

「ごめん、鈴。」

「いいよ。私からも礼を言うね。ありがとう。」

「うん。」

「名前なんて言うの?」

「吉岡啓介。」

「吉岡君ね。私、鈴。そういえばよく教会で会ってたね。」

「そうだったな。」

「いま思い出したわ。よろしくね、吉岡君。」

「ああ。」

「そういえばあなたも強いの?」

「もちろん。僕も君をを守るために戦ってるから強くないと。だから僕は鍛えてきたんだ、園児だけど。」

「そうなんだ。じゃあこれからも私のために兵士として青龍家と戦ってくれる?」

「僕たちも君と同じでまだ園児だよ。」

「それは分かるけど。私はただお願いしてるだけだよ。」

 「そうなんだ。わかった。理のためなら僕たち何でもするから。なあ、拓也?」

「うん。」

「ありがとう。これからもよろしくね。」

「おう。」

浩之は言った。

「そういえば鈴。さっきお父様が俺たちのところに来たんだ。」

「お父様が? それでお父様はなんか言ってた?」

「いや、何も。」

「そう。じゃ帰ろう。」

「うん。」

僕たちは自分の家に帰還した。

一方、青龍家は城に戻り作戦を行い始めた。

「くそ。このままでは光天家にやられる。」

「どうします。奴らを皆殺しにするしか方法がありません。」

友也は激怒した。

「貴様は子供の命を奪えというのか。」

「それは…。」

「我らは光国の姫、鈴に青龍の呪の呪いをかけた。まだ勝ち目はある。だが子供らは強い。いずれ我らにたち向かう敵となろう。それまで時を見よう。そして、その時が来たら戦おう。」

「はい。」

一方、光天家では穏やかな気配が少しずつ近づいていた。

「こんばんは、鈴。」

「こんばんは。どうしたの?」

「鈴の無事を案じて来たんだ。」

「そう、ありがとう。」

「うん。鈴君に聞きたいことがあるんだけどいいか。」

「いいよ。拓也とはどんな関係。」

「友達だよ。」

「俺にはそんなふうに見えないよ。もっと別の関係に見える。」

「そんなんじゃないよ。あの時拓也君が来てくれなかったら私、闇に犯されてた。」

「そうか…。 あともう一つ聞くがいいかな鈴。」

「いいよ。なに?」

「最近変わりないか。ほら闇とか?」

「うん。それは大丈夫。ねえ私モテモテね。だって皆私が好きだもん。そう思わない?」

「それは…」

「吉岡君だって拓也君だって浩之君だって同じじゃない?」

「僕はあの二人とは違う。」

「どう違うの?」

「好きの意味が違う。」

「浩之君は私のこと、友達として好きなの?」

「それは…僕は…」

「待て。言うなよ。」

拓也が突然僕と鈴の前に現れ、僕に短剣を抜いた。

「ちょっと拓也君。短剣を下ろして。」

「だめだ。浩之君は私と話してただけだ。」

「うるさい。鈴は口挟むなよ。これは男の問題だ。黙って見てろ。」

「拓也君。」

「拓也…どういうつもりだ。短剣を下ろせ。」

「嫌だね。君に言われる筋合いはないよ。それに鈴に好きって言っていいのは僕だけだ…。なのにお前は鈴に告白しようとした。僕は君を許すことができない。」

「拓也。やめるんだ。」

「君に何が判るんだ。浩之、ここで死ね。」

「拓也。やめろ。お前とは戦いたくない。」

「うるさい。はー!」

拓也は短剣で浩之を切り裂こうとした。

見ていた鈴は泣きながら訴えた。

「お願い、拓也君。短剣を捨てて。お願い、殺さないで。お願い!」

僕は殺されると思い、目を閉じた。

バン!

誰かが短剣を受け止める音がした。僕が目を開けると、あの時俺を助けてくれた吉岡君が立っていた。

「吉岡!」

「君たちやめろよ。争いをする君達、僕嫌いなんだ。それに僕も鈴のこと好きだよ、拓也と浩之と同じように。けど決めるのは鈴なんだから。僕たちが決めるんじゃないんだしね。違うか?」

「そうだな。ごめんよ鈴。」

「うん。」

「ただこれだけは言える。今一番幸せだということだ。そう、ここに友達といるから。そう思えた…。」

「ねえ、吉岡君。もう喧嘩収まったの? お願い、喧嘩はやめて。」

「喧嘩じゃない。男だけの取り合いだ。」

「誰の?」

「鈴しかいないだろう。」

「もしかして、二人とも私のこと好きなの?」

「当然だ。」

「私、好きな人いるよ、三人。」

「誰だよ。」

「拓也君と吉岡君。」

「やっぱりいるじゃん。ライバルがよ。」

「もう一人は?」

「言わないよ。中学生になったらその子に言うよ。」

「わかった。俺らにも教えろよな。約束だよ、鈴。」

「うん。」

僕たちは鈴と指切りをした。


あれから月年が過ぎた。

私達は小学生になった。

吉岡君は違う学校に。拓也と浩之、雄介君は同じ学校になり、私達はクラスは違うが仲がよく、いつも一緒であった。

理由は戦いはまだ終わっていないからである。

「おはよう。鈴。」

「おはよう。あれから 敵が攻めてくることはないの?」

「ないよ。って、浩之。なんで後ろからついて来るんだよ。」

「ごめん。鈴がお前に取られるのが怖いだけだ。」

「なんだと。お前に鈴は渡さない。」

「なんだと。」

その時、地面が揺れた。

ゴロゴロ。

「なんだこの揺れは。地震?」

「違うぜ。ものすごい妖気を感じる。闇だ。」

「きゃーッ、浩之君、助けて!」

鈴は地面から吹き出た闇に引きずられていた。

「鈴! させるか! ブルーセレクト!」

青き光で鈴を救おうと探検の力を闇に放った。しかし、闇はそれを吸収し跳ね返した。

「なに! 俺の力を跳ね返すとは。これは前と違う!」

「確かに。呪の気配が違う。もしかして別の敵の仕業かもしれない。」

「だとしても戦わないといけないだろ。」

「だな。それより鈴は?」

浩之は辺りを見渡した。鈴はロッカーの前に倒れていた。

「鈴、大丈夫か?」

僕たちは鈴の傍に駆け寄った。

「鈴、しっかりしろ!」

「……。」

「浩之、鈴は?」

「息はある。ただ闇に呑まれ意識を失っているだけだ。それに脈も動いてるし。だから鈴はまだ生きてる。」

「浩之…、俺はお前の奇跡に託す。」

「おう。だから鈴は俺が助ける。お前はここで待っていろ。俺になにかあったらその短剣

で助けてくれ。」

「わかった。浩之はどうするんだよ。」

「鈴を助ける。鈴は俺が好きなんだ、たぶん。だから助けに

行く。それに鈴の力を感じる。俺には分かるんだ。」

「お前には敵わないさ。行ってこい。そして必ず戻ってこい。

夢の闇に負けるなよ。お前が死ねば鈴も危ないんだから。」

「ああ。やつの力は弱まってる。さっき俺が力で無効化した

し。だから今がチャンスだ。」

「死ぬなよ、浩之。奴の力は外で弱めることはできても夢で

はそうはいかない。気をつけろ。」

「おう。」

「行くぜ。…闇の地面の扉を開きたまえ。青き光よ、セリ

ナーブルー!」

浩之は地面に光を解き放った。その瞬間、闇の扉が開いた。

「これが闇の扉か…。」

その時、闇が浩之に襲いかかった。

「危ない! 精霊バリア!」

拓也は浩之に結界を張った。結界は闇を跳ね返した。

「助かったぜ。」

「礼はいい。この結界は長く持たない。俺が食い止めてる間に飛び込め。」

「わかった。」

「気をつけろ。」

「ああ。必ず戻る。」

「浩之。必ず鈴とともに帰ってこい。約束だ。」

「おう。」

二人は拳をぶつけた。そして浩之は短剣を抜き、握りしめて闇の中に飛び込んだ。その瞬間、闇が浩之に再び襲いかかった。

「こんなところで死ぬわけにはいかないんだ。ブルーバリア!」

浩之は精霊の結界で敵の攻撃を跳ね返した。

「助かった。けど鈴の姿がない。ただ俺を襲ってきた闇が消えた。」

「浩之。大丈夫か?」

「ああ。闇の気配はしない。鈴の気配を感じる。この闇の向こうにいる可能性が高い。俺はこの先に行く。」

「わかった。必ず戻れよ。」

「おう。」

「じゃあまたな。」

「うん。」

僕は心の中で思った。

鈴を助ける。鈴は俺が好きなんだ。待ってろ、鈴。すぐ助けるから。

浩之は闇の中に走り、飛び込んだ。


「どれくらい眠っているんだろう?」

私は夢の闇の中にさまよい続けていた。

「ここはどこ? 夢の中?」

私は闇の空間に立っていた。辺りは闇ばかり。

遠くから声が聞こえた。

「さあいらっしゃい。我が源の元へ。我は王の力でできた成精鉱王女未来よ。あなたはもうここで生きるの。私とともにこの世界を支配しあの光から。あなたは呼ばれたの。私が闇であなたを呼んだ。あなたは私の道具。」

声が強くなった。闇のほうから聞こえたそれは女の声だった。

私は恐怖を感じていた。

「なんで夢なのに声が聞こえるの?」

しかし、私は闇に引きずられ、ついに女性のもとにたどり着いた。

「あなたが未来?」

「そうよ。さあ私は全て話したの。覚えてる?」

「はい。でも私はあなたのいる場所には行かない。」

「そう。でもそれは私の配下により変えられた。あなたはこの友也の下部の道具になるの。あなたがいる世界には平和がない。」

「そんな!」

私は崩れ落ちた。未来は私に近づき座った。

「未来様。私は…。」

「もう大丈夫。私とともに友也を守るの。それであなたの運命が決まるのよ。それがあなたの運命。」

「私の運命が?」

「そうよ。」

私は近づいた。

「さあ。」

私は少女にもたれた…。

「…。」

果たして鈴の運命は。鈴は闇の支配から逃れ得られるのか。


【第四章】 英雄王子と成精鉱王女

これは幻想でもない空間。あるのは闇のみ…私は闇の中にいる。もう希望もない。幸せにもなれない。絶望。

そうは思いませんか?

私は暗闇でそう思い少女にもたれた。その少女から何も闇の気配を感じなかったからだ。私は未来の手に触れようとした。その時、声が聞こえた。

「駄目だ。そいつに触れるな。」

私は我に返り、少女から離れた。そして後ろを振り返ると。浩之が立っていた。

「浩之君。」

「鈴、大丈夫か?」

「どうしてここに?」

「君を助けに来た。」

「私を? でもあの人が助けてくれるって。」

「あいつは敵だ。お前を支配しようとしている。」

「そんな!」

「間違いない。君は闇の力で意識不明状態だ。」

「私が?」

「つまり、理の心は夢術に取り込まれたんだ。それで俺は鈴を助けるため君の中に漂う夢術に力を解き放ったんだ。」

「じゃあ浩之君は?」

「このなかだ。」

「俺の本体は眠っている。」

「なるほど。理解したけど脱出は?」

「あいつを倒してからな。」

「わかった。」

「俺から離れるなよ。」

「うん。」

未来は言った。

「よくも邪魔をしてくれたわね。お仕置きをさせて貰わないとね。」

「お前が奪った鈴を取り返しに来た。」

「私の道具をよくも邪魔したわね。これ以上邪魔をしないでね。ブールルト!」

闇を解き放った。

「鈴、俺の手を離すなよ。」

「うん。」

「いくぜ。ブルーライトフラワーズ!」

浩之は闇の王女の力をはね返した。

「私の力を跳ね返すとはいったい何者なのかしら。」

「倒したの?」

「まだだ。簡単には倒せない。まずあいつの力を知らないと。一つ聞く。あいつの名前を知ってるよな。」

「うん。」

「なんて名前だ。」

「鉱王女未来。」

「やつは未来って名前なんだな。」

「うん。」

「能力は?」

「それは分らない。だだ浩之君が来る前、少し感じたの。」

「何をだ。」

「微かな闇の光よ。その光が少し見えて、その光の先から声が聞こえたの。私の運命を変えてくれるといってくれたからついうれしくて手を伸ばそうとした。その少女が闇だと知らず。これだけじゃ足りないかな?」

「いいや、十分だ。これでやつの能力がわかった。」

「本当?」

「ああ。やつは青龍の神を光に変え、それを剣に込めている。その神の力は光、花、氷、火、水の力が出る。さらに融合術を唱えれば闇の光ができる。」

「じゃあ私が誘い込まれたのは。」

「おそらくだが、融合術に掛けられたのだ。」

「そうだったの…。」

パチパチ…

「見切ったことは誉めてあげるわ。だがそれもここまで。ここで終わりにしましょう。さあ一緒に祈りましょう。」

「終わりにはしない。終わりはお前だ!」

「どういうことかしら。」

「おまえは青龍の神の力を光に変え、それを剣に込めてるんだ。貴様の剣には花と光、そして氷、火、水の四つの力が備わっている。また闇は五つ目の能力で備わっている。」

「さすがね。でも見抜いたところで貴様らに勝ち目はないわ。」

「いいや。俺の剣は属性ではない。だが俺の剣は光の神の持つ黄金薔薇の剣から作られた剣。これには闇を浄化する力が流れてるんだ。」

「たとえ流れても私には勝てないて言ったでしょ。食らいなさい。ダークレバーズ!」

闇が浩之に襲いかかってきた。

「言ったろ、俺には闇が効かないって。食らえ、ライトソード!」

浩之の放った光は闇の力を跳ね返し、浄化した。

「なんですって? この私の力を跳ね返すとは!

「お前の力は俺には効かない。なぜな俺には貴様の弱点を見る目があるからだ。」

「おのれ! 死ね、ソードダーク!」

未来は闇の禁術で浩之に攻撃した。

「バリア!」

浩之は結界を張り、闇を無効化した。

「鈴。いけるか?」

「いけるよ。」

「よし、行け鈴!」

「うん!」

「奴を花の力で包み込み、禁忌目録の力で破壊するんだ。」

「わかった。やってみる。」

「……。」

「防げたところで私に勝てるわけがない!」

「そんなことはない。世の中には強く願い、諦めない意志を持ち戦う人がいるんだから。私と浩之君のようにね。」

「食らえ。ハランフラワーソード! これで終わりよ!」

花の吹雪が敵を包み込んだ。

「くっ、言ったはずよ。勝てないって。浄化発動! 禁忌無限精霊光、禁忌目録発動!」

王女は私に力を跳ね返した。

「無駄じゃない。まだ諦めるわけにはいかないんだから! フラワースイートファイアーフリード!」

火の力を解き放った。

「私には火は効かないのよ。属性だから。ハー、食らいなさい。フォーディライト!」

鈴の力が跳ね返された。鈴は吹き飛ばされた。

「きゃー!」

浩之は鈴に駆け寄った。

「鈴! 大丈夫か。鈴!」

「熱い。体が焼けそう。私の力が効かないなんて。」

「待っていろ。リライトフォーティ…」

浩之は鈴の傷を癒やし、火の力を浄化した。

「ありがとう。」

「ここであいつを倒し、夢から帰らないといけないからな。」

「そうね。もう少しだね。」

「ああ。鈴、まだ戦えるか?」

「うん。いけるよ。」

「よし。禁忌であいつの力を食い止めるんだ。」

「わかった。禁忌目録発動。 ライト!」

鈴は光の禁忌術を解き放ち、未来の闇の火を包み込み、浄化した。

「何? 禁忌だと。私以外で使えるとは。まあいい。なかなかやるわね。私の力を浄化する姫がいたとは。誉めてやろう。」

「……。」

「だがその花の光は通用しないわ。たとえ花でもね。 ハーッ、ライトスノー!」

鈴の花の光を跳ね返した。

「これで終わりよ。」

「いやまだだ。終わりはお前だ。食らえ! 青薔薇氷期スノーベールソード!」

「まだよ。ダークハード!」

王女は闇の禁忌目録を発動させた。

「だから効かないって言ってるだろ。ハーッ!」

僕は剣を握り走った。

「行けーッ、浩之君!」

そして、僕は敵に剣を突き刺した。

「なに。ああっ」

「食らえ、王女! スノー青薔薇ライトフリーズ!」

「ああーっ」

王女の体から鈴の力が抜けていった。力は鈴の元へ戻った。

「なぜ君は強い…?」

浩之は未来に言った。

「強くない。ガキだから俺は。守りたい大事なものを守るために戦ってるんだ、この短剣で。」

「そうか。お前の守りたいものは何だ?」

「この国と彼女を守ることだ。」

「そうか。それは間違っている。」

「どういうことだ?」

「あなた方が行っているのは主より邪悪なものです。じきに我が国の王が正すでしょう、いつか。地獄で見ていてください。」

「……。」

「最後に聞く。お前たち青龍家の目的は何だ?」 未来は言った。

「光の神を破壊し、我が青龍家の支配下に置くこと。あと花の破壊だ。」

「それだけか。」

「ええ。」

鈴は尋ねた。

「あなたの目的はわかりました。あなたはなぜここに私を呼んだのですか。」

未来は言った。

「……わかりません。私は気がつくとここにいたから、命じられて。」

「誰に?」

「斉藤友也。」

「まだ戦いは終わってないんだな…。」

「はい。主は言っていました。この岡山を我が物にすると。」

「統一か。」

「はい。私はその手助けにと言われここに来ました。」

「そうか。」

浩之は言った。

「お前は記憶を操作されて生まれたんだ。君は本来いた場所の記億を書き換えられたんだ。」

「そんなばかな。」

「まあそんなことをするのは青龍家ぐらいだが。」

「そこまで我が国を知っているとは。でも神は我らを仏より愛してくださった。それは主。イエスが私たちにされていることは救いの道です。」

鈴は言った。

「それは違います。主は私の光天国をあなたがたから救ってくださったのです。」

「馬鹿な。神は我らに…。でももうよい。神は私に記憶より大事な命をくれた。これこそ神よ。ああイエスよ、我を地獄より天へ導き給え。」

王女は手を広げ叫んだ。王女は氷の結晶となり消えて行った。

「終わったね。」

「ああ。帰るぞ。」

「でも帰れない。出口もないし。」

「出口は作る。鈴俺の手をしっかり握ってろ。脱出術を唱えて脱出する。」

「わかった。」

私は彼の手を握った。心の中でこう思った。

浩之君の手、温かいな。

「絶対に離すなよ。」

「うん。」

「行くぜ。」

浩之は術を唱えた。

「光の扉よ。我が汝、浩之の名によりそのいにしえの光の扉を開きたまえ。オープンライトドアーズ!」

光の渦扉が開いた。

「行こう。」

「うん。」

私と浩之は雄介のいる地上に戻れた。

「戻れたみたいね。」

「ああ、そうみたいだな。だが僕らが目を開けないと。」

「そうだね。あれ? 私、体が光ってる。どうして。」

「鈴の意識が戻りかけてるんだ。」

「私の?」

「そうだよ、鈴。俺は君を助けるために君の夢に入った。けど僕にできることはここまでだ。僕も戻らないと。」

「そうだね。また目が覚めたら会える。」

「ああ、会えるよ。」

「うん。またあとで。」

「ああ。」

パチ

「浩之!」

「雄介…。」

「よく戻ったな。おまえすごくうなされてた。」

「そうか。どれだけ眠ってた?」

「一時間以上だ。」

「そうか。…実は敵と戦ってた。」

「そうだったんだ。途中で闇に染まりかけたからちょっと浄化しておいたぜ。」

「ありがとう。それで鈴は?」

「それが、意識が戻りかけてるんだ。」

「何だって? 本当か?」

「ああ。」

僕は眠っている鈴を見た。そして、声を掛けた。

「鈴。しっかりしろ。鈴!」

「浩之君…私…。」

鈴は目を開けた。

「鈴! よかった。」

「助けてくれてありがとう。」

「うん。」

僕の頬から涙がこぼれ落ちた。

「鈴…。」

雄介君が私に飛びついてきた。そして雄介君は私を抱きしめた。

「雄介君…。」

「よかった。鈴が無事で。」

「心配してくれてありがとう。」

「おい、鈴から離れろ。」

「なんだよ。嫉妬かよ。嫉妬の理由はなんだよ。」

「私の好きな人だからよ。」

「浩之が?」

「なんで? 決められたからか?」 鈴は顔を赤くして言った。

「違う。好きだから。そうでしょう?」

「ああ。それに俺が王になるのは中学を卒業してからだ。鈴は俺の妃になる。高校卒業するまでだ。定めなんだ、俺が第二王になることは。」

雄介は言った。

「早い。お前らその先は離れるんだよ。」

「わかっている。けれどそれが運命だ。あいつらが消えない限り。覚悟の上だ。」

「仕方ないな、それは。俺らもいずれなるんだよな。」

「ああ。それと俺の鈴だ。それだけは忘れるなよ。」

「どういうこと?」

「友達だろ?」

「そうだね。」

鈴は気になり尋ねた。

「それは鈴…。」

「おーい。お前ら。」

「拓也君、吉岡君。」

「無事か、よかった。城から知らせが来たんだけど、終わったみたいだな。」

「まあね。」

「戻ろう。」

「うん。」

私たちは城に帰還した。

一方、青龍家では新たな作戦を練ろうとしていた。だが友也は自分が作り上げた作戦を破られ、怒りと悲しみがあふれ出していた。

「くそ。俺らの邪魔をするとは。」

「どうします?」

「時を待ち、倒そう。奴らの敗北する日はすぐ来るだろう。今の戦力は弱いが我が軍は着々と成長している。時を待ちこの軍を使い、奴らを倒し平和を取り戻すんだ。光天よ。あがくのも今のうちだ。ははは!」


【第五章】 第四戦争

時は流れ、この日本は新しい世界を迎えた。だが青龍家と光国の戦いはあの時代から四度目を迎えたのである。

「ついに我らの勝利が来た。この日を迎えた。今こそ我らの力を光国に見せ勝利の旗をあげよう。」

「はっ。」

「決行は明日だ。今日の夕方に出発する。皆準備を進めよ。」

「承知しました。」

一方、光国の王光天国王は浩之を騎士として迎えていた。

「おはよう、浩之。立派に大きくなったな。」

「ありがとうございます、王様。これも王様が私にできることを与えて下さったからです。」

「礼は無用だ。娘も喜んでいるからな。」

「はい。一つだけ言っておきますが、私は鈴のことが好きだからやっています。それだけは忘れないでいただきたい。」

「ありがとう。娘もお前を好きだしな。感謝する。」

「ただし私が王となるには条件があります。承知いただければ幸いです。」

「いいだろう、申せ。」

「では申し上げます。もし他に彼女ができても王として迎えていただきたい。そして鈴にも自由を与えていただきたい。」

「なるほど、わかった。条件をのもう。」

「ありがとうございます。では失礼します。」

「待て。もう一つだけ頼みがある。」

「何でしょうか。」

王は言った。

「お前は幼い頃から修行を受けておるな。長年見ていたが強くなった。」

「ありがとうございます。これも王様にご指導いただいた修行の成果です。」

「そんなお前に頼みがある。近々戦争があるのは存じておるか。」

「存じています。」

「…お前が受験で忙しいのは分かる。だがお前は王になる。その先も未来も娘と一緒になれぬ未来もわかる。だからこそ王になり、鈴と結婚をしてこの国を守ってくれぬか。この戦争で私に何が起こるか分らぬからだ。それを同じ運命を他の者にも伝えるつもりだ。それまでは普通に学園生活を送ってほしい。できるか?」

「はい。王様の願いは引き受けました。ですが運命の人に会うかもしれないということを付け加えておきます。先ほどの条件を叶えていただけいならば、王にするのはやめていただきたい。」

「わかった。そなたの条件をのみ、そなたを王にする。」

「ありがとうございます。では行ってまいります。」

「…鈴を守れ。」

「承知いたしました。」

浩之は学校へ向かった。

一方、青龍家国王友也は鏡に手を当て語りはじめた、笑いながら。

「戦力はそろった。さあ明日が楽しみだな。そなたを倒すのが。ははは。」

僕は学校に向かった。

「おはよう、浩之。」

「おはよう。」

「お前いつもより遅いな。そうか、二人とも俺が遅いとよくわかったな。」

「王に呼び出しを食らった。明日の戦争で何かあれば、鈴のことを頼むって言われたんだ。」

「そうなんだ。だいたい見当はつくよ。」

「なんで?」

「勘だよ。それに友達だろ。野球組だし。」

「そうだな。」

「他にもなんかあったのかよ。」

「家の用事。」

「お前の仕事。鈴のお付き兵だろ?」

「正式に言うと護衛兵だ。」

「そうなんだ。傍にいなくていいのか?」

「いいよ。鈴も俺も学生だ。つきあってるとか思われるのは嫌だし。遠くから見張っていればいい。」

「まあな。けど好きなんだろ?」

「うるさい!」

教室についた。鈴と俺は同じクラスだ。

「おはよう。朝、なんで一緒にいなかったの?」

「鈴、おはよう。実は蓼太達に捕まったんだよ、途中で。」

鈴は笑って言った。

「仲いいね。」

「皆、部活同じだから。鈴も仲良い友達いるじゃん。」

「うん、部活のね。」

「鈴が楽しければいい。」

「ありがとう、心配してくれて。浩之君は大丈夫なの?」

「まあな。鈴は俺がいなくて平気か。目を前にやられたから。」

鈴は言った。

「大丈夫。浩之君は私のこと気にしなくていいから。」

「気にするよ。」

「なんで?」

「鈴が好きだから。」

鈴は言った。

「知ってた…。でもそれももう終わりでしょ。」

「終わりでもいい。終わりでも鈴を守れるならそれでいい。」

「浩之君、ありがとう。」

「うん。」

僕は思った。

たとえ、鈴が消えようとしても俺は鈴を守る。学校が違っても。この先の未来に何が起こっても。この腐った世界の幻想を壊してやる。

一方、青龍家と光天国の激しい戦いが始まっていた。

「切り裂け。ライトンエルージョン!」

光天は友也を光で切り裂こうとした。

「そう簡単には死なない! ルーダーク! 防壁!」

友也は青龍の光の壁で光のハイ光線を防いだ。

「はあはあ…。なかなかやるじゃねえか。」

「貴様こそやるじゃないか。だがこれで終わりだ。ハーッ!」

私達の運命はどうなるのか。崩壊か平和か。



【第六章】 対決

風が吹いていた。邪悪な妖気が漂い、地面が揺れ始めた。

「なんだ? この揺れは。」

「みんな。机の下に隠れて。」

「うん。」

私たちは机の下に隠れた。しばらくして揺れは収まった。

「みんな無事?」

「うん。」

「よかった。他のクラスは?」

「今、健太から連絡がきた。他のクラスも無事だって。」

「そうか。よかった。ただ闇の気配を感じる。」

クラスメイトたちは言った。

「闇? 私たちには感じないけど…。」

浩之は言った。

「君たちは無能力者だから感じないが、鈴は昔から感じ取れる力も持っている。他にもあるが。」

「すごい!」

クラスメイトは誉めた。

「ありがとう。」

「感心している暇はない。次の揺れが来るぞ。」

「次の揺れが!」

「ああっ!」

クラスメイトの咲希は言った。

「地震。」

「わからない。けどここは危ない。」

「そんな。」

咲希は不安に陥った。周りにいる人も不安状況に陥った。

「とにかくみんな落ち着け。鈴、この揺れは何だ? みんな不安になっているぞ。机の下にって言ったが。みんな動けない状態だ。」

「わからないけど、みんな机の下にとりあえず隠れて。私が感知して地震の原因を突き止めるから。隠れて!」

「わかった。鈴はどうする?」

「気配を感じ取ってから隠れる。」

「わかった。」

クラスメイトたちは机の下に隠れた。

「鈴、どうだ?」

「うん。」

私は目を閉じた。そして、術を解き放った。

「汝の揺れよ、今こそ姿を現したまえ。カレーン!」

私は目を開けた。

「見えたわ。」

「で、どんな気配なんだ?」

「闇の青龍の気配がする。」

「感知できるか?」

「やってみる。揺れが収まってからね。さっきの揺れの衝撃でちょっと厳しいから。次の揺れが収まってからなら、たぶんできると思う。」

「わかった、頼む。」

「うん。」

その時、再び揺れた。

「また地震だわ。机の下に入ろう。」

「おう。」

私たちは机の下に隠れた。 しばらくして揺れは収まった。

「みんな、もう大丈夫よ。」

「よかった。」

「できるか、鈴?」

「うん。じゃあ始めるね。」

ああ。」

私は術を唱えた。

「いにしえの力よ。私の問に答えたまえ。」

ピカー

光が解き放たれた。

「汝の命に応えその妖気を感知したまえ。ライトフリア!」

私は目を開けた。

「鈴、何か見えたか?」

鈴は言った。

「この先の東の方向で光天国と青龍国軍が戦争してる。そこに吉岡君もいる。」

「吉岡が!」

「うん。」

浩之は鈴に尋ねた。

「現状は悪いのか?」

「軍が押されてる。吉岡君が危ない。私が守らなきゃ。」

「待て、俺も行く。」

「私一人で行くから。浩之君はみんなをここで守って。」

「俺も行く。お前を守らなきゃ。」

「みんなを見捨てることはできない。」

浩之は涙をこぼしながら言った。

「じゃあどうすればいいんだ。」

その時、拓也、昌樹が教室に来た。

「拓也君。」

「俺と持田で行く。」

「拓也…。」

「昌樹、浩之とともにここを守ってほしい。」

「わかった。」

「鈴はこの国の姫だ。鈴には俺たちがいる。必ず守る。」

「二人ともありがとう。昌樹君も。」

「おう。」

拓也は鈴に剣を差し出した。

「鈴。この剣で吉岡を助けろ。きっと役に立つはずだ。」

「拓也君、これは?」

「湖魔剣だ。その剣には光の力が宿ってる。俺の力だ。受け取ってくれ。」

「ありがとう。」

私は剣を受け取った。

昌樹は浩之に言った。

「浩之、ここには大切な仲間がいる、俺たちの。そしてそ鈴を守ることと同じだ。」

「同じ?」

「ああ。だからここで一緒に守らないか。」

「昌樹…わかった。」

「行こう。持田、準備はできたか?」

「おう!」

「じゃあ行こう!」

「浩之君、みんなをお願い。」

「おう。」

「行ってきます。」

「…鈴…。」

私は後ろを振り返った。

「大好きだ。」

「私も。」

私は拓也たちと学校を出て東の戦地へ向かい、ユラーズと戦っていた。

「ライトンへフィールソード!」

「効かぬ! ダークフォレスソード!」

「まずい! ライトサーベル結界!」

結界防御でなんとか交わすことができた。

「はあはあ。なかなかやるではないか。」

「それはどうも。」

「…。」

「こいつ強い。どうすれば倒せる。前より強くなってる。くそ! このままじゃ俺がやられる…。」

一方、光天王は友也軍に接近していた。

「ファイアーライトソード!」

「くたばれ! ライトソード! これで終わりだぁ!」

「終わりはお前らだ! ダークソード!」光天軍と青龍軍は激突していた。

一方、光天王は友也王と激しい戦いを行っていた。

「青龍ソード!」

青き刃が光天王の体を突き刺そうとした。

「無駄だ。ライトフィアーヌバリア!」

敵の攻撃を跳ね返した。

「何? 次はこちらだ。サードフィーズライトソード!」

光の剣で突き刺そうとした。

「効かぬ。バーリアダークソード!」

「わあーっ、なんだ?」

光天王の攻撃を無効化した。光天王は傷を負い倒れ込んだ。

「くそ。ここまでか。」

「もはや終わりだな、光天。」

「くっ …。」

果たして王の運命は? 軍の運命は? 吉岡の運命は? この戦場の未来は?





【第七章】 運命

戦地の戦いは幕を終えようとした。

「そろそろ終わりか。」

「まだだ。勝利は我のものだ。」

「違う。この光国のものだ。貴様はなぜ光を恐れる?」

「我には光がない。家族も頼れん。」

「気持ちはわからん。だが我を頼れば貴様にも光がくるはずだ。」

「黙れ!」

闇が解き放たれた。

「わあーッ」

「ルートライト!」

「だがこの世界は光と自然があるから俺たちは生きていられる。違うか?」

「…くっ、ダークレイナー!」

一瞬で闇が解き放たれた。そして闇が消えた。

友也は消えて行った。

「待て!」

「おやめください、王様。」

王は後ろを振り返った。眼鏡を掛けた青年が光の剣を持ち、立っていた。

「君は…鈴の幼なじみの?」

「望田です。ご無沙汰しています。王様。」

「どうしたのだ?」

「鈴が家族を助けたいと言ったので。」

「娘が?」

「はい。私はサポートに来ました。」

「そうか。ありがとう。」

「はい。」

「娘はなんと言っていた?」

「お父様を守るようにと。」

「鈴が?」

「はい。」

「娘には敵わぬな。」

「王様。一つだけお伝えしておきますが、友也に光の平和を理解することはできません。やつには奴のやり方がありますから、簡単に王の話を信じることは難しいと思います。少し時間が必要です。」

「そうだな。 ところで鈴は無事か?」

「無事です。」

「よかった。君は学校へ戻れ。」

「いいえ。私は王様が城に帰還されるまでお供いたします。鈴から頼まれましたので。」

「わかった。では参ろう。」

「はい。」

王様は望田とともに城に帰還した。

一方、学校では浩之がみんなを守っていた。 浩之はみんなに知らせた。

「今、望田から連絡があった。」

「なんだって?」

生徒たちは驚いた。

「王様の援護に成功した。ひとまず安心だな。」

「そうだな。」

「…。」

その時、学校が揺れ始めた。机も窓も植物も。

生徒達は騒ぎ始めた。

「なに? 地震?」

「みんな机の下に隠れろ。俺を信じろ。」

昌樹が言った。

「浩之君が私たちを守ってくれる。みんな、隠れよう!」

「うん。」

みんなが机の下に隠れた瞬間、術を唱える声が聞こえた。

「ダークレイタストーンシャー!」と。」

昌樹は言った。

「敵を退けられたのか?」

「ああ。今は王様の帰還護衛をしてるそうだ。」

女の声が聞こえた。

「この声、敵だ!」

「何だって?」

「昌樹、助かりたいなら俺から離れるなよ。。今みんなを移動させるのは厳しい。やつの餌食だ。」

「ああ。」

僕たちは手を握った。そして剣をかまえた。

再び女の声がした。

「ふふふ。私たちの術中にはまったわねえ。」

「やはり貴様らの仕業か。」

「だったらなにかしら。」

「出てこい。ここで貴様を討ち、平和を取り戻す。」

「お断りよ。私はあなたのいうことなんか聞かないわ、浩之お・う・じ。だってあなたたちはここにいる生徒と死ぬのだから。」

「なに?」

「ダークサンダー!」

青龍家の手下は闇を解き放った。

「邪悪な気配がする。感じないか?」

昌樹は言った。

「ああ。俺も感じる。闇の気配だ。」

「苦しい、息ができない…。」

生徒が次々と倒れ始めた。

「みんな、しっかりしろ!」

「……。」

浩之は昌樹に言った。

「みんな闇の影響で意識を失いかけてるんだ。」

「なんだって! これは青龍国の仕業なのか?」

「ああ。昌樹、お前闇は平気か?」

「ああ。俺は光の力を持ってる。頼りになるぞ。ちょいと力を貸してもらう。」

「いいぜ。まずこの闇を浄化する。」

「頼む。」

「おう。行くぜ。ライト!」

浩之が光を解きはなった瞬間、闇が消え敵がついに姿を現した。

「手下じゃない。お前は青龍家の女王。」

「ふふふ私の正体を見切ったのは誉めて差し上げましょう。だが貴様らは私たちの術中にはまったわねえ。」

「やはり貴様らの仕業か。ここにいる友達が皆苦しんでるのは。」

「ふふふそうよ。だってあなたたちに我らの国を支配されるのは困るのよ。だからこの女王が排除してあげるわ。どう? うれしいでしょ。私のお陰で平和がくるのだから。」

僕たちは女王に言った。

「うれしくない。俺らは貴様の国を支配していない。平和を手を組めば作れる。」

「…。」

「これ以上話しても無駄だ。どうするんだ、浩之。これではきりがない。ここでこいつを倒し、策を練らねば。」

「わかった。」

二人は剣を握った。

「さあ話は終わり。新しい平和作りの始まりよ。」

一方、吉岡は兵とともに危機に陥っていた。

青龍軍が尋ねた。

「どう導いてるの。あなたたちは闇より我らに光ばかり送る。私たちの国はぼろぼろなのに。私たちは闇の提供が必要なの。けれどあなたたちはしてくれなかった。」

「君らが勝手に思い込んでるだけだ。」

「あなたたちには分らないようだな、我らの気持ちが。ここで殺すしかなさそうだ。」

「…くそ。このままここで死ぬのか、俺たちは…。」

吉岡の軍は諦めかけていた。吉岡は兵に告げた。

「そんなことさせない。」

「生きがいもここまでだ。氷期ダーク!」

氷の結晶が空から放たれた。

「くっ。」

「リミットライトー!」

光の結晶が放たれた。そして、闇の結晶が消えた。

「みんな大丈夫?」

それは鈴と拓也の力だった。

「鈴、拓也、来てくれたのか。」

「もちろん。助けに来たのよ。」

「ありがとう。みんな、援護隊がきたぞ。」

「おう、姫様。」

鈴は吉岡君に言った。

「話はあとよ。まずはここを突破しないと。」

「そうだな。まずはあいつを倒す。」

拓也は吉岡君に言った。

「俺は鈴と兵士で突破口を開く。開いたら連続でなんとかなる。お前は全速で走り奴を倒せ。お前の剣ならいけるだろう。」

「ああ、わかった。なんとかやってみるよ。」

「おう。」

鈴は旗を揚げて言った。

「じゃあ作戦開始。」

果たして、浩之と昌樹や生徒の結末は。吉岡達の戦争の結末は?



【第八章】 呪詛切り女王

女王が浩之に襲いかかってきた。

「切り裂け、闇切り!」

「俺に任せろ。ライトバリア!」

昌樹は光の結界で闇を跳ね返した。

「はあはあ。これじゃ不利だ。」

「なんとかしないと。ただあいつには弱点がある。」

「なんだ、その弱点は?」浩之は尋ねた。「感情がないんだよ。」

「なんだって?」

昌樹は言った。

「またくるぞ!」

「死になさい。 死闘中施術切り!」

浩之は女王に言った。

「簡単に死ねるか! 食らえ、光カ六銀切り!」

浩之は光の剣で切ろうとした。

「させない! ダーク波動秘伝切り!」

浩之は不意に現れた女王の兵、清清愛にいきなり切られた。

「わーっ!」

「浩之、大丈夫か?」

「俺たち…もう終わりだ。女王から救えないんだ。」

浩之の頬から涙がこぼれ落ちた。

「くそ!」

昌樹は立ち上がった。

「俺がやる。」

「無駄よ。ここで終わりよ。死ね、呪詛八道切り!」

女王と清清愛が浩之に襲いかかってきた。

「まずい…させない! 湖小間剣ライトウハレーズ!」

昌樹は敵の攻撃を跳ね返し、剣も跳ね返した。

「よくしのげたわね。でも次で終わりね。ねえ清清愛。」

「はい、女王様。」

「くっ、このままじゃ…もう終わりなのか?」

その時、少女の声が聞こえた。

「浩之君、昌紀君。」

「鈴。どこに?」

「私は離れてるけど、昌樹君たちの心の波長を通して話してるの。」

「心…俺たちの?」

「そうよ。浩之君、昌紀君、諦めないで。立ち上がって彼女たちを倒して。」

「無理だ、倒せない。あいつの力は闇だ。強烈な連繫剣の力なんだぞ。」

「知ってる。でも大丈夫。一つ方法があるわ。融合剣よ。」

「融合剣?」

「そう、融合剣で倒すの。浩之君と昌樹君は契約術を使えるでしょう?」

「ああ。」

「その契約術で二人の力を融合させ、女王たちを倒すの。」

昌樹は言った。

「そうか。体内にお前を取り込み契約術を互いに唱えて、契約剣を使えば奴を倒せるということか。」

「そうだよ、浩之君。私たちは婚約者でしょ? どうか私を信じて。」

「ああ。信じて俺たちやってみるよ。ありがとう、鈴。」

「うん。」

鈴の声は消えていった。

「やろう!」

「おう!」

二人は融合術を唱えた。


【融合術】

「霧の神よ。汝の命に応え、光を与えたまえ。そしていにしえの時の力を解き放ち、浄化せよ。セーラライト!」

昌樹は青き光の剣の姿に変わった。

「行くぞ、友よ!」

「おう!」

「ふふふ。さあ、あなたたちの墓場ができたわ。」

女王が地面に使ったのは。闇のゲートだった。

「これは私と清清愛が作ったあなたたちの墓場よ。これに入ればあなたたちは闇に染まり、死ぬ。さあ、入りなさい。その前に清清愛、浩之たちを破壊しなさい。墓場に入れるのはそれからよ。」

「はい。では抹殺開始、行きます。主剣精霊ダークソード、これで終わりです。はーっ!」 清清愛は闇の精霊剣を浩之たちに突き刺そうとした。その時、

「ぐっ!」

浩之は清清愛の剣を掴んだ。

「死ぬわけねえだろ。俺はあいつのために、この戦争を終わらせるためにここにいるんだ。てめえにはわからないだろうな、この人斬り女。食らえ、禁術剣融合術セレンザードライトソード!」

浩之は昌樹と融合術で敵を切り裂いた。

「なに!」

「融合解除。昌樹、今だ!」

「おう。食らえ、精霊ライトオブミラージュソード!」

「あー? この私がやられるとは! この私が、なぜだ?」

「お前は俺らが死ぬと思い、切り裂こうとした。だがあいにく俺は死ぬわけにはいかない。あいつの婚約者だからな。」

「墓場には行かねえな。それにあいつを守らなきゃいけないからな。」

「くっ、お前らがいる限り平和など、この世界には来ない。それを忘れるな。女王様、あとは任せました! わーっ…」

清清愛は光の廃となり、闇のゲートに消えていった。

「清清愛…清清愛がやられるなんて。よくも私の部下を殺してくれたわね。この場で成敗するしかないわね。これ以上貴様らを許すわけにはいかないわ。」

昌樹は剣を構え浩之に言った。

「…浩之、油断するな。」

「ああ。で、どうする? 連繫プレイして倒すか。俺は第二禁術剣を唱える。時間をできるだけ稼いでくれないか。だいたい五分。できるか?」

「ああ、やってみる。」

「…。」

「そろそろ終わりにしましょう。これで死になさい。食らいなさい、ライトンダークソード!」

女王は浩之に向かって突っ込んできた。

「行くぜ、ライトーソード!」

浩之は光の剣を女王に向けて突っ込んだ。剣と剣がぶつかりあい、激しい戦いが続いた。

一方、昌樹は禁術を唱えていた。


【禁術】

「契約術第二禁術発動。いにしえの闇を解き放て。精霊よ、我が主、昌樹の命に応え、いにしえの剣の光の呪文を解き放て。ライトオブレアスレイソード!」

光の剣の力が解き放たれた。

「浩之、さがれ!」

「わかった。」

浩之は昌樹の後ろに下がった。

「なに? 時間稼ぎだと! しまった!」

「食らえ、第二の力を。ソードスレイ!」

昌樹は解き放った剣を握り女王に突っ込んでいった。

「これで終わりだ!」

「まだよ。ダークソード!」

「効かぬ。はーっ!」

「きゃー! 何? あーっ!」

ついに女王を切り裂いた。

「…この私が敗れるとは…王様…お許しください…。」

「…一つ聞く。なぜ青龍国は光天国を襲う?」

女王は言った。

「恐れているのよ、光を。ただそれだけ。私も光は嫌いです。だから光天国を滅ぼす計画を立ててるの。ただそれだけ。」

「なぜ光を恐れる必要がある。光があるから闇もあるんじゃないのか。」

「確かに。けれど我らの国は闇だけを欲しがる人もいるのよ。あなたたちはそういう人の声は聞こえないのですか。」

「…それは…。」

「…」

女王は語りかけ、そして灰となり、青い空に向かって消えて行った。

「…俺たちは何を見ているのかな。昌樹…。」

昌樹は言った。

「これから皆で考えて築いていこう。昌樹だけの問題じゃない。」

「確かに奴の言ってることは間違ってはいない。俺たちはある程度は知ってるが、知らないこともある。これはみんなの問題でもあるからな。」

「そうだな。ありがとう。」

 「おかえり、望田。」

「ただいま。昌樹たちも無事でよかった。だが教室がめちゃくちゃだぜ。ちょっと戦闘があったが、倒したから安心してくれ。」

「ならいい。生徒は?」

「みんな無事だ。じき目を覚ますと思う。俺たちも無事だけど。」

「全員無事ならいい。あとは鈴たちか。」

「うん。」

浩之は心の中で思った。

…鈴、無事でいてくれ…

一方、鈴たちは戦闘態勢に突入していた。

「あなたたちの仲間はみな死んだわ。王は撤退し、女王たちも死んだわ。それでも戦う気なの?」青龍軍は言った。

「我らの王はまだ生きてる。王がやっていることは間違いない。王の命令は正しい。」

王兵たちは剣を握り始めた。

「もはや戦うしかないな。」

「そうね。拓也君、吉岡君、動ける?」

「ああ問題ない。」

「わかった。みんなよく聞いて。兵は立って私の元に続き奴らを攻撃せよ。吉岡君と拓也君は私の補佐を。」

「わかった。」

拓也は言った。

「つまり俺の力を鈴の光の術に融合させるってわけだろう?」

「そうよ。」

「了解。じゃあやろうか。」

「おう。」

「行くわよ、みんな!」

「おう!」

果たして鈴たちは平和の道を切り開くことができるのか。



【第九章】 蒼天乃心

私達人間は互いに喧嘩したりすることがある。逆に互いに助け合ったりもする。

だが恐れを感じている人もいる。もしそんな人がいたら私たちは救う道があるのだろうか。

いよいよ鈴の中学時代最後の戦いが始まる。幕が開ける。


【道】

「闇よ切り裂け。ライトライトセイティスソード!」

吉岡は敵の力を無効化した。

「防壁術発動。いにしえの光ダークライト!」

青龍国兵は吉岡君の力を無効化した。

「なに? ここは鈴に任せる。鈴、頼む!」

「わかった、拓也君。」

「おう。」

「きたわ。行くわよ。花術発動、フラワーレイ!」

「まだだ、ライトオブロード!」

鈴たちは青龍国の兵と戦いを繰り広げていた。

「ファイアリーライトソード! これで終わりだ、青龍兵!」

光天国兵は光の剣で青龍兵軍を切り裂こうとした。

「あまいぞ。そんな力で我らに勝てると思うなよ。食らえ、ダークレイトレスティソド!」

青龍兵は闇剣で切り裂こうとした。

「く、まだだ。吉岡隊長、今です!」

吉岡は兵士たちに告げた。

「わかった。行くぜ。食らえ、ライトエリーゼ!」

吉岡は光の術で青龍軍の力を跳ね返した。

「やったか?」

「こんなことで我らが死ぬとでも思うなよ。ダークラザー!」

青龍軍は禁術闇を解き放った。

「何? これでも駄目なのか?」

「隊長、こっちに来ます!」

「させない、ライト!」

光で闇を無効化した。

「残念だが無効化できてもその闇はすぐ消え、狙ってる人を対象に襲うんだ。」

「なに?」

僕が振り向くと闇は消え、その闇が再び現れて鈴に襲いかかってきた。

「鈴、危ない!」

「…。」

私は目を閉じた。

目を開けると、呪を浴びて立っている父の姿があった。

「お父様! どうして?」

「娘よ。お前に死んで欲しくない。お前は大切な娘だ。最後にお前を守りに城からここまでこれてよかった。お前を守れて良かった…。」

「お父様…。」

「家族とこの世界を頼む。」

鈴は父に言った。

「できない、私には。お父様がいないと…。」

光天王は娘に言った。

「鈴よ。もうお前は大丈夫。私は彼に託した。」

「お父様…。」

「これをお前にあげよう。」

父はペンダントを鈴に渡した。

「それは禁術の力だ。融合術。鈴よ、拓也とこれを使い、軍を倒すのだ。」

「わかったわ、お父様。」

「拓也、鈴を頼む。」

「はい。」

「ありがとう。そして娘よ、強くなるんだよ。」

「駄目よ。お父様行かないで。お父様行かないで、お父様。」

父は闇の灰になり空へと消えた。

「お父様…。」

「鈴…」。

「…拓也君。吉岡君を呼んで。それと兵は離れたところで待機させて。」

「わかった。何するんだ?」

「三人で禁術作戦を開始する。父が目の前で死んだことを刻み、戦うわ。」

「わかった。一つ聞くけど鈴、どうするんだ?」

鈴は答えた。

「父の分まで最後まで戦うわ。父が夢見た幸せを手に入れるために。」

拓也は言った。

「鈴…わかった。俺もお前が行く道へ行く。俺も鈴の道に光と闇が一つになった平和あるのならこの先もついて行く。」

鈴は笑って 言った。

「拓也君、ありがとう。」

「おう。」

吉岡君が鈴のそばに来た。そして抱きしめて言った。

「俺も一緒に戦う。お前の道を作るのが俺の仕事だから。それに鈴、俺たち友だちだろう。一緒に戦おう。」

「吉岡君、ありがとう。」

「拓也君、ありがとう。」

「おう。」

「うん。」

「二人ともありがとう。そのためにもここを突破して帰ろう。浩之君たちがいる場所に。」

「おう。」

鈴は言った。

「二人に告げる。兵もよく聞いて。」

「はい。」

鈴は宣言した。

「これより最後の作戦を開始する。」

「おーっ!」

光天軍は一つになった。

「話は済んだかね、ガキども。」

拓也は言った。

「ああ、済んださ。青龍軍隊長さんよ。光天王の仇を取る作戦がな。」

「…。」

鈴は最後の作戦を開始することにした。果たして鈴たちの戦争は終結となるのか?



【第十章】 光と闇

父が目の前で死んだ。その光景を見た鈴は立ち上がった。

「…お前が隊長か。」

「そうだ。我は青龍騎士隊長クロードだ。貴様らはもう敗北が決まってる。我が国の勝利が決まる。」

鈴はクロードに言った。

「お生憎さま。まだ終わりではないわ。」

クロードは鈴に剣を向けて言った。

「あがいても無駄だ。行くぞ、兵ども!」

「はい。クロード様!」

クロードは光天軍に向かっていった。そして攻撃を仕掛けた。

「我が騎士隊の力を思い知るがいい。食らえ、ダークソルトレイオブジェクト!」

闇吹雪が鈴たちに接近していた。鈴は拓也に指示した。

「禁術をやるわよ。作戦は私が伝える。まず、術を唱えている間に契約剣術で融合術を発動させ、敵の闇の力を跳ね返して。いい?」

「わかった。行くぞ、鈴!」

鈴は言った。

「はい。では作戦開始!」

「これで終わりだ! はーっ!」

クロードが放った闇の吹雪が近づいてきた。

「今よ、拓也君!」

「おう。融合術発動。第三解放!」

拓也は術を唱えた。


【融合剣術】

「いにしえの力よ、我が剣にいにしえの精霊の力を与えたまえ」。

光が解き放たれ、光の剣が現れた。拓也は剣を握った。

そして敵に向かい走り攻撃を仕掛けた。

「クロード。終わりだ! 食らえライトニングソード!」

拓也はクロードを切り裂こうとした。しかし、クロードはそう簡単に切れる男ではなかった。

「効かぬと言ったろう。食らえ、レボルトバリア!」

クロードは特殊結界で拓也の攻撃を跳ね返した。

「やるな。だが俺は時間稼ぎだ。」

「なんだと?」

クロードは驚いた。

「嘘は言ってないぞ。お前の結界には穴が空いてるんだ。」

「くそっ。」

拓也は笑って言った。

「命拾いしたな。さようなら。」

クロードは怒りに狂った。

「くそ!」

拓也は吉岡に言った。

「吉岡、あとはと頼む。」

彼は笑って言った。

「おう!」

一方、鈴は禁術の力を唱えていた。


【禁術発動】

「かの者に答え給え。いにしえの光の花の力を解き放て。そして我が命に従い、いにしえの邪悪な敵を払いたまえ。」

一方、吉岡は、契約術を唱えた。


【契約術】

「契約術発動! 闇よ! 我が剣に闇と光の力を与え給え! いにしえの花を解き放ちたまえ! スレート!」

闇が解き放たれた。そして、光の花の剣が現れた。

吉岡は剣を握り、走り始めた。

「いくぜ、クロード。これでお前らは終わりだ! 切り裂け、ライトニングダークプリンスソード!」

敵の力を切り裂いた。

「拓也、止めだ。今だ、行けーっ!」

「おう。食らえ、フラワーライトセイティールソード!」

クロードを切り裂いた。

「わあっ…この我らがここで終わりなど…あり得ぬ。食らえ、ザフトダーク!」

闇の破壊光線が飛んできた。

「そう来ると思ったわ。禁術解放、ディライトフラワーハレィションー!」

花の破壊光線で敵の力を破壊し、そしてクロードが率いる兵軍も破壊した。

「わーっ!」

ついに青龍軍は鈴軍に敗北した。

「なぜだ? なぜ我々が負けるのだ?」

鈴はクロードの傍に駆け寄った。そして剣を向けて告げた。

「それは我らを恐れているからです。」

「恐れているから勝てなかったか?」

鈴は言った。

「けれどあなたはもう戦うことはできないはず。」

クロードは言った 。

「確かに、君の言う通り私には恐れもない。もはや生きる希望もない…。」

鈴は言った。

「一つだけあります。ただあなたには罪を償っていただきます。」

「…。」

クロードは何も言わなかった。まるで罪を認めたような表情をしていた。

「クロード・リア隊長。あなたを私の父殺害罪で逮捕します。」

クロード隊長は鈴により逮捕された。

「終わったんだな。」

鈴は拓也に言った。

「そうね…。」

吉岡君は笑って言った。

「これが終わったら卒業か。」

拓也は言った。

「いや、卒業前に結婚式らしい。」

吉岡は落ち込んだ表情で言った。

「ああ。浩之と鈴のだな。さびしいけどしかたないな。鈴、おめでとう。」

鈴は笑って返事をした。

「ありがとう。でも奴らを倒すための結婚だからしかたないよ。」

二人は頷いていった。

「そうだね。」

鈴は言った。

「ただ、守るって言ってくれたからついて行くだけ。」

拓也は言った。

「鈴、この先もやつらと戦い続け、平和の世界を築くんだな。」

鈴は言った。

「そうだね。私たちの未来は変わる、きっと。」

吉岡は言った。

「うん、じゃあ行こう。その前に言いたいことがある。」

鈴は尋ねた。

「何?」

吉岡君は鈴に告白をした。

「好きだ、鈴のことが。叶えられるなら、叶えられている。でも無理だから今、言う。」

拓也はその様子を見て慌てて言った。

「俺も鈴が好きだ、この先も。」

鈴は笑って言った。

「ありがとう。じゃあいつか迎えに来て。どっちかが私をね。」

達也たちは言った。

「ああ、約束するよ俺たち。だからそれまで友としてお前を死なせないからな。」

鈴は言った。

「ありがとう、約束ね。」

二人は笑って頷いた。

「うん。」

私は拓也たちと指切りをした。

私たちが戦いを終えて学校に戻ったのは三日後のことだった。

「みんな、ただいま!」

クラスメイトたちは喜んだ。

「おかえり、鈴。お疲れさま。」

鈴はクラスメイトに言った。

「みんな無事でよかったわ。」

クラスメイトは言った。

「ありがとう。昌樹君も皆を守ってくれてありがとう。」

昌樹は言った。

「いいや、俺一人じゃどうにもできなかったけれど、あいつがサポートしてくれたから。」

浩之は黙って頷いた。

「…。」

吉岡たちは浩之に近づき言った。

「浩之…。」

浩之は二人に言った。

「吉岡、拓也、おかえり。」

二人は言った。

「ただいま、浩之。」

浩之は笑って言った。

「おかえり。鈴を守ってくれてありがとう。」

吉岡は言った。

「いいや。俺、拓也と鈴が来てくれなかったら死んでたよ。むしろ感謝するべきだと思ってる。」

浩之は笑って尋ねた。

「吉岡…あっ、鈴は?」

吉岡は答えた。

「ああ、さっき昌樹と話してから外に出ていったぜ。」

浩之は笑って言った。

「ありがとう。」

俺は鈴のところへ向かった。外に出ると桜が咲いていた。 そこに鈴が立っていた。

「鈴…。」

姫が後ろを振り返ると、浩之が立っていた。

「浩之君。」

僕は鈴のところへ行った。

「鈴、おかえり。」

彼女は笑って言った。

「ただいま。」

鈴は微笑んでいた。眩しかった。僕は鈴を抱きしめた。

ガサッ

「浩之君…。」

僕は彼女に言った。

「すごく心配した。お前が死んだのかと思い不安になった。けど鈴は勝ってきた。正直言うとほっとしている。本当によかった。」

彼女は涙をこぼしながら笑って言った。それは嬉しい涙だった。

「ありがとう。私も浩之君が無事でよかった。浩之君と昌樹君の声、聞こえたよ。」

彼の頬から涙がこぼれ落ちた。それは嬉しい涙だった。

彼は笑って言った。

「ああ、俺も。俺らを導いてくれてありがとう。」

鈴は笑って頷いた。そして僕に告げた。

「…うん。私たちつながっているんだね、みんな。」

彼は言った。

「ああ、当たり前だよ。…好きだよ、鈴。俺と結婚してくれないか。」

「私も好き。でもこの未来は形だけ。高校卒業まで私は違う人とともに歩むことになるかもしれない。それでもいいの?」

僕は言った。

「それでもいい。これから傍で守るから、君を。それにこの戦場はまだ続く。でも俺、守るから。学校違っても。」

鈴はうなずき言った。

「わかった。私も守っていい? それが約束。私たちの誓いは永遠に続く。どんな困難があっても。それは理解してほしい。」

彼は言った。

「わかった。その約束守るよ。」

彼女は俺の手を握り言った。

「ありがとう。」

彼は告げた。

「王様に挨拶しないと。」

彼女は俺に父の死を告げた。

「父は死んだわ。」

彼は驚き、尋ねた。

「王様が? なぜ死んだんだ?」

彼女は戦場と王のことを僕に話した。

「私を守って死んだの。父は最後まで王の役目を果たした。灰になって消えても父は私たちの心の中にいる。」

彼は悲しみの視線で言った。

「そうだね。」

鈴は浩之に言った。そしてペンダントを差し出した。

「父からあなたに渡して欲しいって。これを。」

僕は王様から鈴に託された贈り物を受け取った。中を開けると二つの指輪が入っていた。

「これは?」

鈴は言った。

「父が残した魔法の指輪よ。」

浩之は尋ねた。

「王様は何のためにこれを?」

鈴は答えた。

「城の人の話によれば、国を守るために作られた指輪らしいわ。」

浩之は頷いた。彼は言った。

「この指輪に誓い生きていこう、高校卒業するまで。あいつらと戦いながら平和を築き、一緒に岡山を青龍家とともに造る世界を。次の人につなぐまで。」

鈴は笑って頷いた。

「うん。」

私達は互いに誓いを立てた。

人は大人になり初めて気づくことがある。時間がかかるけれど、変えていくのが私たちではないだろうか。これはそんな社会の道に向かう少女が、愛と平和の道に気づく物語。


                           終わり

次週は新章でスタート

光天家の次女、光天鈴十四歳。

父と母に定めを与えられながら耐え、国を守ろうとする。しかし、純粋さを忘れず、岡山の平和を守るため邪悪な青龍軍団を倒すとの誓いを立てるのであった。

まだ闇の眠りから醒めない岡山の空に、彼女の誓いが響いたのであった。

【第十一章】 蒼天の戦い

あらすじ

ここは日本。日本には多くの街が存在する。住宅や様々な店もある。

けれど今のこの日本は崩壊しつつある。街が栄えていた頃、貴族たちの戦いが繰広げられていたことを。

これはそんな国を変え、人々を平和に導いた王の物語である。


【蒼天の戦い】

千九百九十年、四月二十日。

この日本は貴族が住む国であった。日本は神の力を持つ貴族が守っていた。東北地方を守る青龍国。彼らは関東と九州を守る貴族である。

その王は斉藤友也。優れた青龍の力を持つ王である。

彼は人々からこう呼ばれていた。青龍様と。

彼は英雄と讃えられていた。しかし、彼と同じく、この日本を守る王が存在した。中国地方と近畿を守る貴族が岡山に存在した。光りと闇と火を操るなど、様々な力を持つ国。それが光天国である。その国の王の名は光天光といった。

そして王はこうも呼ばれていた。光様と。

だが青龍国はその国を許せなかった。自分の国より豊かに国を栄えていたからだ。そして、人々まで幸福にさせていたからその力を恐れていたのである。

友也は光天が築いていた国と民、街まで滅ぼそうとした。しかし、光天軍の圧倒的な力により青龍軍は押された。

友也は撤退を軍に命ずるが岡山を支配することを諦めていなかった。友也は光天の二女の姫に呪詛をかけるが光天の力により抑えられてしまう。しかし、友也は再び立ち上がり、年月をかけ、襲撃を仕掛けることを決意する。

二千六年、二月二八日。

友也は、再び、軍を率い、岡山を襲撃する。

光天軍、鈴たちは青龍軍の圧倒的な押されてしまう。そして、鈴は青龍軍の兵に殺されかけるが光天王により、命を救われる。だが光天王は軍と鈴たちの前で命を絶つ。

悲しみに覆われた光天国は再び立ち上がり戦う。しかし、蒼天を築くことは互いに出来無かった。

だが蒼天の結末はこれで終わりではなかった。

「王様。ご用件は何でしょう?」

「次の手を用意した。あの貴族の学校を貴様は知っているか?ハデス。」

「はい。王様。明光貴族高等学校ですか?」

「そうだ。あの高校は悪魔も我々のような神の力を持つ物も通う学校でもある。貴様にあそこの学校を滅ぼして欲しい。街と住宅と共に。」

「承知しました。王様。このハデス命をかけて王様をお守りいたします。そして、必ず勝利して見せます。」

「期待している。兵士も用意した。学生だ。入りなさい。」

「はい。王様。」

少女たちは王の前に現れた。

「挨拶を。」

「はい。初めまして中本由衣と 申します。」

「島原白百合と申します。私は耳が聞こえません。ですが目はいいので。あなた様を目になりお守りいたします。」

「松藻紗代です。宜しく。」

「彼女たちは我が騎士隊で殺戮隊のトップだ。能力については君に教えておく。

紗代は闇の剣の使い手だ。光りを闇にかけることができる。白百合は炎の使い手だ。防御もできる。由衣は魔術使いでね。闇で包み込むことが可能だ。どうかな?」

「王様。すばらしい。とても良き騎士を配下につけています。私は感動いたしました。

王様の力になれるよ。最善を尽くします。」

「頼んだぞ。私も最善を尽くす。共に戦おう。平和の為に。」

「はー」

「光天よ。貴様は死んだ。貴様が生き返ろうが私は貴様の平和作りは決して許さない!

貴様が蒼天を築こうが無駄だ!蒼天は貴様のものではない。この我が斉藤友也のものだ。覚えておけ!ははは!」

王は笑って言った。

一方、光天国は父光天を生き返そうとしていた。

「王様を生き返すだと。正気か!浩之。」

「ああ。今明光高校に危険が迫っている。俺は違う学校だから鈴を守ることが困難だ。だから俺の輪廻転生術で王を生き返させる。」

「鈴は承知なのか?俺は鈴が賛成しないなら俺は反対だ。他の連中だってそう思っているはずだ。」

「拓也と望田は承知だ。昌樹も」

「ならいいが。だが王はお前に蒼天を継げと言ったはずだ。」

「確かに。だが俺に勤まるか?蒼天乃王が。」

「それは分からない。」

「だろう。俺は蒼天がなにか分からない。わからないものがやると失敗する。だからこそ光天様を生き返し、奴らを食止めないと。敵が迫っている。この城と鈴の通う学校に。鈴を呼べ!早く。」

鈴は浩之に呼ばれ、王宮に戻った。

「お父様を生き返すのは本当なの?」

「ああ。あの襲撃から一月きた。斉藤友也が再び動き出した。王がいない光天国は蒼天を築くには不離になる。だから光天を生き返し、体制を整え、奴を食止めなければこの岡山は壊滅状態になる。力を貸して欲しい。俺が光天を生き返す。その間に、兵を固め、食止めて欲しい。学校と民、王国、街を守って欲しい。つぶすわけにはいかないのだ。例え王が空室でも。今は代行として出来るのは俺と吉岡だけだ!頼む鈴!力を貸してくれないか?」

「浩雪君…分かった!そっちは任せる。」

「うん。吉岡。俺の警護を頼む。俺は魔術室で術を唱える。その間、俺の周囲を見張れ。頼んだぞ。」

「おう!」

「鈴!学校は任せた。」

「うん。」

鈴は学校に向かった。

「申し上げます。浩之様!」

「どうした。精森。」

「大変です。斉藤友也を率いる。青龍軍が。岡山に侵入いたしました。」

「何だって!街の人々はどうなった!民は!」

「ご安心ください。皆、避難させました。人々は無事です!ですが住宅や建物は全て壊滅です。いかがいたしましょう。浩之様!」

「くそっ。よくも光天を死なせ、我が国より先にこの日本を支配したな。俺は絶対許さない。」

浩之は怒りを増していた。

精森は言った。

「どうします、浩之様。彼らは兵まで以前より強化しています。このままでは奴らに支配されてしまいます。今まで光天様が築き上げた平和な世界が無駄になります。」

浩之は笑って言った。

「名案がある。精森。兵軍を率いて、斉藤友也が率いる軍を攻め込むのだ。学校の襲撃は望田に連絡して学校に忍び込ませている兵と力を合わせ、鈴にも頼んでいる。拓也にも頼んでおくように手配する。その間、俺は光天を生き返す。これこそ光天が考えたふさわしい統一だと思わないか。」

「はい。とてもすばらしい考えです。光天様に近い考えで。では兵軍を率い、出陣の準備をいたします。」

「頼んだぞ。」

しばらくして精森は浩之の前に来た。浩之は尋ねた。

「兵の準備はできたか?」

「はい。今用意いたしました。いつでも出陣できます。」

「承知。ではこれより光天復活または青龍家を食止める任務を開始する。いざ出陣!」

「はー」

精森は軍を率い、青龍家が侵入した街に向かった。

「光天代行が動き出しました。兵軍が。率いているのは側近兵の精森です。いかがいたしましょう。」

「いざ参るぞ。達彦!」

「出陣!」

「友也の軍が近づきました。」

「訛音。迎え打つぞ!かかえ!」

「はー」

「我らは青龍兵!光天軍。ここで滅びよう。グリンダークソード!」

「貴様らに蒼天軍を継がせない!滅びよ!ライトグリンレト!」

「我が名は青龍兵隊長グリア様だ!貴様はここで終わりだー死ね。精森。はー」

「我が名は精森。この世を変える蒼天乃兵。死ぬのはお前だ。グリア。俺は貴様らに蒼天軍を継がせない!ここで滅びろ!グリア!はー」

青龍軍と光天軍の蒼天の戦いが始まった。

一方その頃、学校内で生徒たちが次々に倒れこんでいった。生徒たちの体内に大量の闇が放たれていた状態に陥っていた。生徒たちは泣き始めた。

「鈴。皆が闇に侵された。もうこの学校は終わりよ。」

「どうしたの?千!何があったの?」

「紫織を助けて!紫織の様子がおかしいの!助けて!」

鈴は紫織の傍に寄り添い、彼女に触れた。

「これは!闇。私の剣じゃとけない!どうすれば。皆同じ症状だわ。」

「大丈夫。鈴ちゃん。ここは私に任せて。」

「私もいます。生徒の安全を守るのも先生の役目です。私の光の力で生徒たちの闇を浄化します。加奈恵さんは彼女を頼めますか?彼女は一番重度の闇に侵されています。」

「分かりました。鈴ちゃん。ここは先生と私でなんとかするから行って。この原因を突き止めて。私も終わり次第行くから。」

「加奈恵…ありがとう。」

「うん。」

「では。行ってきます。」

鈴は学校内の原因を確かめに向かった。

千の親友の闇はだんだん強くなっていった。紫織は苦しみ始めた。

わー

千は紫織を抱き抱えながら泣き崩れた。傍にいた鈴の親友、加奈恵は彼女に寄り添い言った。

「大丈夫。私のこの剣で彼女の闇を浄化する。この剣には浄化そして、闇の敵を切りさく剣。問題無い。刺すだけで浄化できる。」

「あなたはいったい…」

「私は鈴の親友。加奈恵。大丈夫よ。彼女は必ず助ける。」

「加奈恵さん…」

先生は生徒たちの闇の浄化を終えた。

「こちらは終わりました。あとは彼女だけです。」

「先生。ありがとうございます。」

「はい。」

加奈恵は紫織の傍に寄り、こう言った。

「大丈夫よ。光りの剣でどうにかする。エンジェルソード!」

加奈恵は光の剣を紫織の体に刺し、浄化し始めた。

一方、浩之は城で光天の復活の授受門を唱えようとしていた。

「浩之。大変だ。生徒たちが闇に侵された。」

「なんだって!それで学校はどうなっている。」

「鈴の親友と学校の先生が生徒の呪詛を浄化しているみたいだ。」

「鈴は?どんな状況だ!」

「鈴は学校内の綬を闇の原因を調査している。」

「なるほど。外の状況は!」

「外は精森軍と減とグラン軍が戦闘中だが友也が戦闘を仕切り、突破している。南は壊滅、東、北、西の侵入は防ぐことに成功いたしました。」

「よくやった。さすが精森。学校の様子は?」

「実は鈴の親友加奈恵が闇に侵されたクラスメイトを浄化しているようだ。」

だが戦闘は厳しい。学校内にも怪しい動きがある。」

「よし。チャンスだ。吉岡。第二策を実行する。輪廻転生術だ。準備は整った。さあ始めるぞ。」

浩之は輪廻術を唱えた。


【術式】

「いにしえの汝よ。あの死から天に授けられた魂よ。いまこそ我が力となり蘇りたまえ。ライトセイソール!」

光天王の体の中に光が入り込み、次第に闇を浄化しつつあった。光が放たれた瞬間、光天王は目覚めた。

「王様!お目覚めでしょうか?」

「浩之と吉岡か?」

「はい。王様。」

「君たちが代行を勤めたことは耳に残っている。神から聞いた。よく持ち越した。」

「おそれいります。」

「挨拶をしている暇ない。明光高校に向かえ。鈴たちが危ない。敵が三人いる。少女の闇も危ない。急ぐのだ!」

「分りました。浩之。行くぞ!」

「おお。」

「頼んだぞ。」

「はい。

浩之たちは明光高校に向かった。

「私も参ろう。戦地へ。」

王妃は驚いた。

「王様…おかえりなさい。帰還をお待ちしていました。」

「王妃…苦労掛けた。あのとき死んだのは娘のためだ。だがもう死ねない。神が奴を救うまで生きろと命じたから私は生きて救わないと行けない。力をまた貸してくれないか。」

「勿論です城は私にお任せください。」

「頼んだぞ。」

「はい。王様。」

光天王は戦地に向かった。

一方、グリシス副隊長は光天国の動きに気づいた。

「グリシス様。大変です。浩之様が光天を目覚めさせることに成功いたしました。」

「くそっ。よくも我が軍の勝利を崩そうとしたな。断じて許す訳にはいかない。」

側近兵は言った。

「どうします。グリシス様。浩之は光天王を生き返し、戦地に向かわせました。このままでは奴らに再び支配されてしまいます。今の統一が無駄になります。」

グリシスは笑って言った。

「名案がある。生徒に大量の呪詛をかけ、奴らをおびき寄せるのだ。再起由衣、島原紗代をここに呼べ。彼女たちとそなたを学校に向かわせる。そして、攻め込むのだ。これこそ我が王の策にふさわしい統一だと思わぬか。」

兵士は答えた。

「はい。とてもすばらしい考えです。では彼女たちをお呼びいたします。」

「頼んだぞ。」

しばらくして兵士はグリシスの前に再起由衣、島原紗代を連れてきた。グリシスは尋ねた。

「連れてきたか。」

「はい。」

「では三人に命ずる。明光高校にいる。生徒全員に呪詛をかけよ。そして邪魔をする生徒がいたら速やかに抹殺せよ!」

「承知。」

「では行け。」

グリシスは術を唱えた。

「ああ神よ。今こそあの場所に導き給え。ブルーシート!」

三人は明光高校にたどり着いた。

「ここは明光高校の中ですか?」

「ああ。名を言うのを忘れていた。私は古森側近兵だ。ここは校舎の中だ。この校舎には生徒が沢山いる。階は四階まである。今回の任務は生徒に呪詛をかけることだ。もし、怪しい敵がいれば抹殺しろ。君たちはここの生徒だ。だが先生には気をつけろ。抹殺はできるだけさけるように。」

「承知。」

「私は。生徒に術をかける。君たちは抹殺をしろ。怪しいものがいたら。」

「分かりました。では行って参ります。」

「頼んだぞ。」

「はい。」

再起たちは校舎内の偵察に向かった。古森は術を唱えた。

「我が天与。生徒たちに邪悪な闇を解き放ちたまえ。クラインダーク!」

その瞬間、生徒たちが次々と苦しめ始めた。

「苦しい。この痛みは何?」

「これは。どういうことですか?先ほど呪詛をとったばかりなのに。」

「分かりません。出来る範囲でなんとかします。」

「苦しい…助けて。」

「紫織。しっかりして。」

紫織は意識不明になった。

「紫織が。意識失った。どうしよう。」

「大丈夫。皆助ける。この剣で。」

加奈恵は、浄化術レイナを唱えた。


【術式】

「いにしえの邪悪な闇を浄化したまえ。ライト!」

生徒たちに掛けられた闇は浄化された。紫織に掛けられた呪は消えた。

「これで大丈夫よ。あとは彼女たち次第。」

「ありがとう。紫織…よかった。」

バン

何者かが攻撃してきた。

「危ない!レイントソード!」

加奈恵は剣で結界を張り、クラスメイトたちを守った。

「大丈夫ですか?」

「はい。先生。ここは危険です。生徒たちを非難してください。体育館に。体育館には結界を張っていますので。お願いします。」

「分かりました。あなたも生徒です。無茶しないように。」

「はい。」

先生は生徒を連れ、体育館に行った。

「あなた一人だけ残るとは。さすがね。」

「あなたは何者なの。」

「私は。由衣。あなたの親友。」

「親友だって。鈴を狙っているくせに。」

「そう。私は鈴を狙っている。青龍家の勝利のために。」

「青龍家の勝利だと。ふざけないで。鈴から聞いている。あなたたちは統一軍を結成している。」

「そう。私たちは友也様のためにこの学校に入った。あなたは私の思うように動けばいい。ここの生徒は皆。私の物となる。」

「さあ。最後の仕上げをさせてもらうわ。皆私の配下となれ。クラインダークソード!」

由衣早見を解き放った。闇は避難してない生徒たちに襲いかかった。

バン

「させない。癒やしは同発動!防衛。」

加奈恵は生徒たちに結界を張った。

「こんな能力では勝てないわ。あなたは弱い。食らいなさい。波動の剣。無限ソード!」

「私は弱くない。腐っているのはお前だ。ソードバスター切りさけ。烈風ソード。」

「このくそ女。くたばれ。ダークセイソード!」

剣と剣がぶつかった。だが由衣の方が力は上手だった。

「くっ よい。こいつを切ろうと思っても切れない。でも倒さないと。でもこのままでは皆が持たない。皆を庇いながら戦うのは無理。どうすればいい。」

「ふふふ。そろそろ終わりにしましょう。」

「くそっ。ここまでなの。私の力は。」

「違うだろう。お前は強い。だがお前は一人じゃない。」

後ろを振り返ると先生が軍を率いて立っていた。

「邨瀨先生…。」

加奈恵の頬から涙がこぼれ落ちた。先生は加奈恵の方に触れた。

「泣くのはあいつを倒してからだ。」

「はい。でも由衣は強いです。」

「ああ。鈴と先ほどあったよ。鈴によれば奴は軍を率いているらしい。」

「軍を?」

「そうだ。後ろを見てみろ。」

加奈恵は由衣の後ろを見ると二百万人の兵が立っていた。

「これは!先生。」

「ああ。だからやつは強い。だが奴は生徒だ。生徒は生徒らしく生徒指導室に連れて行き、指導しないと行けない。」

「でも先生。どうやってやるのですか?」

「学校内に結界を張って貰った。須々木先生に。壊れても修復できる結界だ。存分に戦える。だが奴を倒すには軍がいる。我が校にも軍がいる。奴の軍はこれで防ぐ。加奈恵、力を貸してくれないか?先生の頼みだ。」

「はい。」

「話し合いは終わったかしら?」

「終わりました。」

「先生なんていらない。この世は先生も生徒もいらない。いるのは我ら成功連のみ!」

邨瀨は言った。

「君の言っていることは理解できない。生徒指導に行こう。話を聞く。」

「話だと。」

「そうだ。君も生徒だ。統一せず。学校生活を過ごせ。」

「ふふふ。笑わせないで。この学校を統一し、築くのは青龍国です。光天には渡さないわ。」

「国を一つにすれば。いい話よ。」

「一つ。我らは我らよ。お前たちやってしまいなさい。先生と共に破壊せよ。」

「仰せのままに!我ら青龍軍。いまこそ勝利へはー」

「食らえ。はー」

由衣と青龍兵は加奈恵たちに襲いかかった。

「やれやれ。仕方ない。行くぜ。おまえら!」

「はー。我らは光天兵。邨瀨隊長と共にあれ。はー ライトソード!」

「行くわよ。二等剣。我がミラへ。ダブルソード。」

「食らえ。ライトソード!」

邨瀨が率いる軍と青龍軍と由衣と加奈恵の戦争が始まった。一方、鈴は黒い闇の異変に気付いていた。

「これは!生徒が死んでいる。いったいどういう。」

バン

槍が飛んで来た。

「危ない!」

鈴は目を閉じた。目を開けると降雨先生がいた。

「先生。」

「怪我はないか?鈴。」

「はい。」

「よかった。いつも花くれるから礼がしたくて。」

「先生。ありがとうございます。」

「うん。だが礼を言うのは早い。あいつを倒してからだ。」

「はい。」

「ふふふ。あら、てっきり刺されたかと思ったけど生きていたのね。」

「松藻と島原。」

「あら親友のこと覚えてくれたの。」

「親友じゃないわ。あなたたちは殺人犯よ。」

「そうかもしれない。けど私はここの生徒。そして友也様の配下。私たちには使命がある。いまこそ我が使命を果させてもらうわ。兵士。奴らを叩き伸ばしなさい。そして友也に捧げよう。」

「はいっ」

「我らの天下を今こそ解きはなちたまえ。レイディスソードダーク!」

呪詛に襲いかかってきた。

「させない。兵士。奴の兵を破壊しなさい!」

「はい。鈴様。行くぞ!我は光天軍今こそ栄光の勝利へ。はー」

兵士と兵士の戦いが始まった。

「鈴。呪詛が迫っている。策は?」

「なら。ここで食止めるのみ。食らえ。光の波動!クラインソード!」

鈴の放った光は闇を浄化した。

「なかなかやるわね。兵士ども彼らを殺しなさい!」

「はい!」

兵士たちは剣を握り、鈴たちに襲いかかってきた。

「我は青龍国の配下。我の名は槍部隊館町古森。いまこそ貴様らをこの世界から追補させる。我が槍の力を受けるがいい。はー」

「はー」

古森が率いる軍は鈴たちに襲いかかってきた。

「させない。光天の槍部隊よ。反撃開始よ!」

「はい!姫様!我は光天軍槍部隊隊長フリードだ。いまこそ貴様らをこの学校から追放する。かかれ!」

「はー」

光天の槍部隊と青龍家の槍部隊の激しい戦いが繰広げられた。

松藻は言った。

「兵を動かすのは見事。だけどそろそろ私らの言うこと聞いてくれたら、ここを退場させてもいい。」

「それはできない。貴方たちを追い出し、友也を救う。それがお父様の未来。」

「くだらないわ。未来だと。光天は我らを超えている。それが罪よ。友也様は何年も平和を築いていた。しかし、お前らの国により、友也様の力は消えかけた。貴様らが心も統一も崩したからだ!」

「…確かにやり方は違うかもしれない。けどお手本にすれば共にできるはずよ。」

「お手本だと。戯れことに過ぎないわね。あなたには判らないわね。ならここで殺してあげましょう。」

「食らえ。ファイアリーソード!」

松藻は火の剣を握りしめ、鈴に襲いかかってきた。

「ならこれはどうだ。フラワーソードフォーティ」

花水の剣で松藻と剣を受け止めた。

「やるわね。けど水は火を消す。けど水は火に弱いのよ。死ね!」

「くっ」

「鈴!」

鈴原先生は鈴を助けようとした。

「行かせてたまるか。グイートダークソード!」

闇の剣が先生に襲いかかった。

「面白いなら光で打ち砕くのみ。ライト!」

先生は光で闇の剣を防いだ。

「危なかった。」

「先生!大丈夫ですか。」

「ああ。」

「よかった。こいつ強い!なんとかしないと。浄化してもすぐ切られる。どうすればいいの。」

「終わりよ。鈴!ソードダーク。」

闇の剣が鈴を突き刺そうとした。

「駄目だ。間に合わない。私死ぬの…」

鈴は目を閉じた。音がした。

バン

「大丈夫か!鈴。」

目を開けると吉岡が攻撃を剣と縦で受け止めていた。松藻の剣を見た。彼女の手から消えていた。


「うん。ねえあの剣消えている。」

「ああ。あれが俺の能力だ。」

「強くなったね。」

「ありがとう。話は後な。鈴。」

鈴は頷いた。

「あと少しだったのに。剣がない。どこに。」

「お前の剣は消しとんだ。俺の剣は中学の頃より強くなっている。

この刀剣には抹殺乃力が宿っていて、さらに物流の物を消すことも出来る。」

「くっ」

一方、鈴原は反撃を仕掛けようとした。

「貴様はこの先生が指導してあげる。」

松藻とは言った。

「行かないわ。私は悪いことしていないもの。」

「している。鈴をいじめたろう。鈴はいい生徒だ。悪いことはしない。花も素敵に生ける。お茶もすばらしい。鈴のどこがいけないのだ。」

「気に入らないだけ。あの笑顔が。私たちを嫉妬させる。だから許せない。だから友也様についた。友也様は私たちを良き方向に導いてくださる。神だから。」

「確かに。神はいるかもしれない。だが神は見えないお方だ。だが神は争いを望んでいない。救いのだから。松藻。君が信じている神は人間だ。友也は神ではない。」

「黙れ。先生のくせに随分とお説教するのね?」

「それは君が生徒だから。生徒の過ちをただすのも先生の仕事だ。」

「そうですね。悪いけど先生だろうと容赦はしないわ。」

剣を抜いた。

「死ねー先生!ダークリズムソード。この剣はね肉体ごと切りさく闇の剣。先生の体を崩壊させるの。死ぬ前に教えられて良かったわ。さようなら先生…」

バン

闇の剣の力は鈴原に襲いかかった。

「俺たち教師には生徒を守り、生徒を救う任務がある。だから先生は自分の責務を全うする。救いの力を七光りの術光の波動光千ソード!」

先生が放った光は松藻との闇を浄化し、弾きかえした。そして光は松藻に襲いかかった。

「ここで死ぬ訳にはいかない。友也のために…ダークレイ!」

松藻とは鈴原の術を消しとんだ。

「さすがだ。松藻。」

「先生もね。」

先生は笑って言った。

「お前も。だがここからが本番だ。特別授業をする。お前と戦う。タイムは今、十三時だから二時までだ。先生が勝てば友也から手を退け。お前が勝てばお前の言うことに従うよう鈴に伝える。どうだ。」

「いい名案ですね。いいわ。載ります。」

「では始めよう。授業を。」

「はい先生。」

鈴原と松藻とは剣を抜いて走り出した。

「はーくたばれ!先生。」

「手を退け。松藻!はー」

戦闘が始まった。

「私はなにも悪くない。はー」

一方、鈴は傷を癒やし、立ち上がった。

「大丈夫か?鈴。ありがとう。」

「うん。ありがとう。ねえ島原さんなんか様子変だわ。」

「ああ。俺も同じだ。ちょっと試したいことがある。手を貸してくれ。鈴。」

「うん。」

鈴と吉岡は剣と杖を抜いた。

「行くよ。いにしえの光よ。我が糧となり邪悪な闇を払いたまえ。ライトライトフィルーゼ!」

光の鶏桜が現れた。

「今よ。食らえ。フラワーリファー!」

破壊魔法が島原に襲いかかった。

「させない。食らいなさい。ダーク青龍ソード!」

島原は青龍竜に姿を変えた。

「あれは?龍だと。」

「青龍竜よ。あれは島原の使い魔よ。あれは島原じゃない。」

「どういうことだ。いま俺たちと戦闘しているのは。誰だ。」

「使い魔の中本由衣。この学校の生徒よ。島原の親友。」

「なんだって。中本の正体は。龍だというのか。」

「そうよ。次の攻撃が来るわ。」

「分かった。」

中本は言った。

「私が使い魔だとよくわかりましたね。この龍の姿が私の本当の姿。人間の姿は借り。だが襲い。知ったところで。さあ殺しの始まりよ。」

「…」

吉岡は尋ねた。

「一つ聞きたい事がある。島原はどこにいる。」

「彼女の親友と戦っているわ。」

「加奈恵に伝えてくれ。この現状を。」

「分かったわ。」

鈴は透し術を唱えた。

「いにしえの声を届けたまえ。フラワーブルー」

光の花びらが加奈恵のいる方向にとんで行った。

「加奈恵聞こえる?」

「この声は鈴。どうしたの?」

「予想外が起きた。いま加奈恵の前にいる少女は本体の島原よ。」

「どういうこと?鈴。」

「私の所にいる少女は使い魔の中本だったの。中本が島原に姿を変えて私の前にいたの。私を連れ帰るために。」

「なるほどね。私はどうしたらいい?」

加奈恵は尋ねた。

「私は中本由衣を倒す。加奈恵は島原を倒して。」

「わかった。でも私の術だけじゃ倒せないわ。先生の力と合わせても。」

「それについては問題無い。」

声がした。

「この声はいったい…」

「はじめまして。俺は吉岡。鈴の幼なじみでもある。俺の職務は光天様の側近だ。」

「光天様は死んだはずじゃ。」

「生きている。浩之の力によって。復活したのは魂がこの地に封印されていたからだ。光天は呪詛を浴び、灰になっただけだ。」

「なるほど。それで彼女をどうすれば…」

「時間を稼いでくれ。邨瀨先生と。援軍が向かっている。それまで踏ん張ってくれないか?」

「わかった。」

「ありがとう。では失礼する。」

声は花びらと共に消えた。

「鈴。行くぞ!」

「うん。行くよ。花びらよ。我が命に答え邪悪な物を破壊したまえ。クリーンライト!」

鈴が放った緑の光は中本由衣に襲いかかった。

「くっ。こんなところでやられるわけにはいかないわ。食らえ。ダークライト。レベルⅥ!」

由衣が放った闇は鈴の光を弾きかえし、鈴に襲いかかった。

「まずいわ。

「Ⅵだと。大丈夫だ。鈴。俺に任せろ。ソードオブライト!」

吉岡は剣の力で切りさこうとした。しかし、彼女の力が強く、吉岡の剣は跳ね返された。

「まずい。このままじゃ二人ともやられる。浩之、拓也。援護にきてくれ。持たさない。」

「大丈夫だ。もうきている。食らいなさい。ライトグルヘルムバスタ―!」

拓也の放った光は佳也子の力を消しとんだ。

「遅えよ。拓也。死ぬところだったぜ。」

「悪い。きたときに兵に捕まって倒すのに手こずっていた。」

「なるほど。で、青龍軍はどうなった?」

「この剣で切ってやったよ。」

「さすが拓也。じゃあここから先は三人でやるぞ。」

「はい。」

「行くぞ。はー」

「さあ来る通い。邪悪な光天の子よ。」

一方、斉藤友也は光天軍と決戦を繰広げていた。

「はー。食らえ。グリアソード!」

グリア隊長は精森の体を切りさこうとした。

「我に攻撃するとは許さん。我が光天の力を思い知るがよい。食らえ。ライトグリーシールソード!」

精森の剣とグリアの剣がぶつかった。

「こいつ。だがまだだ。はー」

「やるではないかだが我はここで退去する。王様。後は任せます。」

「ご苦労。後はこの友也に任せるがよい。」

「はい。残念だがお前の相手はここまでだ。精森。また会おう。」

「待て!グリア。はー」

グリアに襲いかかってきた。

「くっ。どうやら貴様は私を殺すつもりだな。兵よ。精森を破壊せよ。私は撤退する。あとは任せたぞ。」

「は!」

精森にグリア軍が襲いかかった。

「なに!」

「精森。残念だがここで死んで貰おう。我が力を受け、朽ち果てよ。ブルーソード!」

友也は青龍剣で精森を殺そうとした。

「残念だが。大勢で私を殺すのは百年早い。我が光天の軍よ。いまこそ我らの力を発揮せよ。友也を排除せよ。」

「はー」

「かかれ!」

光天軍は友也に襲いかかろうとした。

「友也様をお守りするのだ。はー」

グリア軍は光天軍と激戦が続いた。

「さすが精森隊長。だがこの我には勝てぬ。食らえ!青龍魔法。」

「そうはさせない。食らえ!ライト!」

光天の放った光は友也の放った青龍の力を弾き返した。

「なんだと。なぜ私の力がなぜ。それにあの力はまさか!」

「我の力と光天の力が融合した力だ。」

「精森。貴様。」

「王様。このままでは軍は光天にやられます。一度退却し策を講じましょう。」

「わかった。兵共。これより撤退する。一旦牽くぞ。」

「はー。」

「光天よ。この戦の続きはまたいつかしよう。」

「待て!友也。お前に1つだけ聞く。なぜ無駄な争いをおこすまねをするのだ。俺たちは以前まで友だった。なぜだ。友也。やり方は違っていても道は同じだ。」

「確かに。だがお前の夢は、眩しすぎる。俺には。」

友也は思いを告げ、この場から姿を消した。

「友也…」

一方、拓也たちは中本との激しい戦いが続いていた。

バンバン

「なかなかしぶといわね。ならこれはどうかしら?死の術発動!ダーククリスタルロード!」

呪詛が私たちに襲い掛かってきた。

「させない。厭の結界発動!セレニロードライト!」

鈴は、光の葉の結界を張り、攻撃を無効化した。

「やるわね。鈴。だがこれはどうだ。食らえ!烈風シグナリダーク!」

中本が放った力は鈴に襲い掛かった。

「拓也君。今よ。」

「よし。いくぜ。食らえ!ライトセブンアライト!」

拓也は光の光線で中本の力跳ね返えした。

「この青年目もういいわ。ここで三人まとめて殺してやるわ。死ね。鈴たちよ。グリースレアーダー!」

中本が放った青の闇は拓也に襲いかかろうとした。

バン

「こんなところで敗れる男じゃない。食らえ。火之神渦ソードオブジェクトファイアー!」

拓也は炎で中本の攻撃を打ち砕いた。

「今だ。吉岡!」

「おう。食らえ!電流ファイアーソード!」

吉岡の放った力は中本を包み込んだ。

「体が動かない。体が熱い。なにかに焼かれたような感じ。なぜ…」

彼女はその場に、倒れ込んだ。

吉岡は彼女に近づいた。

「吉岡近づくな!そいつに近付いたら危ない。」

「大丈夫だ。もうこいつは動けない。それに戦う。力もない。安心しろ。」

「吉岡君……わかった。」

吉岡は頷いた。彼は中本に劍をむけた。

「お前いったい何をする気だ。私を殺すなら殺せばいい。」

「お前は学生だから殺さない。俺たちと同じで。それに鈴の同級生だから。」

「そう…。私は鈴が嫌いなだけ。鈴は私たちとは違うのよ。力は。」

「だから殺すのか。」

「ええ。他に理由はないわ。」

「なら一つだけきく。なぜ青龍家に力を貸す。」

「平和を築く為よ。一つにするにはこの方法にしかない。」

「中本。」

「時間ね。王からの伝言がきたわ。これみて失礼するわ。また会いましょう。鈴。今度は生徒として。では。」

中本は私たちの前から姿を消した。

「消えてしまったね。彼女。」

吉岡は言った。

「あいつも学生だ。大学もきめないといけない時もくる。それに高校卒業しないと。敵でも。」

「でも授業中に襲われたらどうするの?」

拓也は考えた。

「確かに。けど中本は襲わない。授業中に襲ったら先生もいるしね。下手な真似をすれば生徒指導室行きだ。」

「確かに。警備をつけるか。けど俺たちは学校が違う。」

鈴は言った。

「いい案がある。私の友達なら守れる。同じ学校だし。なにか起きれば守れる。」

「いい案だ。鈴。ありがとう。」

「けど無茶するなよ。」

「うん。二人ともありがとう。私頑張るよ。」

「おう。」

「急ごう。加奈恵のもとに。」

一方、鈴原と松藻との戦いが続いていた。

バン!

「先生。強いな。」

「先生だからだ。ならけりをつけよう。」

鈴原は剣を構えた。

「ソードスキルオン!ジェネレーションオペラクレクトソード!」

青き光が剣を覆った。鈴原は剣を握り、走った。

「行くぜ!松藻。これが先生からの教育だ!はー」

「くっ。生徒をなめるな!ダークアセクトソード!」

松藻は先生の放った力を跳ね返そうとした。だが先生の力が上手だった。

「くっ。このままじゃまずい!どうすれば。」

声がした。

「松藻姫よ。これ以上戦えば君の命が危うくなる。相手は先生だ。いったん身を引け。」

「わかりました。青龍様!ルーンライト!」

松藻姫はルーンの力を使い、先生の前から消えた。鈴原は手を天井へ伸ばした。

「なぜ消える。松藻!まだ先生の話は終わってないぞ。」

「先生。今日は指導ありがとう。けど先生とぶつかるのはやめたわ。ただ私は鈴を殺すのが任務。けど私も生徒だから一度身を引くわ。また教室で会いましょう。」

「…わかった。だが今日のお前の行動は決して許されない。それは忘れるな!」

「ふふふ。」

姫の声は消えた。

「先生!」

「鈴!」

「お前ら。無事か!」

「はい。申し遅れた。俺は吉岡。こいつは拓也だ!俺たちは鈴の幼馴染で子供の頃から鈴を支えてきた。」

「よろしく。先生。俺たち友達です。」

「そうか。俺は鈴原誠!この学校の教師だ。社会授業を教えている。よろしく。」

「先生。松藻は?」

「撤退した。青龍の命令で。」

吉岡は言った。

「なるほど。けどいま学生同士で戦うのは控えるべきだと思う。」

「でも学生同士戦うのはよくない。」

「でもなにか策があると思う。この戦いが終わったら考えようよ。」

先生は言った。

「ああ。とりあえず加奈恵合流するぞ。」

「はい。」

私たちは加奈恵のもとに向かった。

一方、島原との戦は続いた。

「くっ この。負けない。くっ。」

加奈恵は立ち上がり、槍を構えた。邨瀬は加奈恵に手を差し伸べた。

「大丈夫か。回復をしてやる。加奈恵もうちの生徒だからな。」

邨瀬は加奈恵の傷を回復させた。

「ありがとうございます。先生。少し時間稼ぎお願いしたい。」

「構わない。お前ら行くぞ。加奈恵をサポートせよ。」

「いくぞ!はー」

「お前たち。あの先生の軍を払いなさい。」

「はー島原様。いくぞー!」

島原の兵と先生の兵がぶつかりあった。

「先生が時間稼いでくれている。」

加奈恵は中本に槍を向けた。

中本は言った。

「お前に何もできぬ。お前は孤独だ。私が友になり、お前を青龍の使い魔になればよい。」

加奈恵は言った。

「私はお前とは友達にならない!私の友は鈴と沙耶だけだ!青龍の使い魔にはならない。これで終わりよ。佳也子!槍の力を見せてやる。」

バン

加奈恵は地面に槍をつき呪文を唱え始めた。


【呪文】

「槍の神よ。我主加奈恵が命じる。いにしえの光を魔の邪悪にあたえ浄化したまえ。そして我が糧になりこの邪悪な神を打ち砕き給え!レイナ光。レイト!」

バン

青き光に槍が包まれた。

「そんなもので私が倒せるか。は―」

「闇の剣よ。古の闇を解き放てダークソードレイ!はー」

島原は闇の剣を握り加奈恵に襲い掛かった。

「させない。ハルトレンソード!」

加奈恵の槍と島原の剣がぶつかり合った。しかし、島原の力が上手だった。

バン


「まずい!このままじゃやられる。」

「これで終わりね。」

「くっ」

「はー」

「どうすればいいの?」

加奈恵は怖くて目を閉じた。

「死なせない。お前は俺が守る。鈴の友達だからな。烈風ライト!」

バン

「なに?私の闇の剣が跳ね返された。一体誰が。上か!」

中本が上を見上げると。青年が立っていた。

「お前は誰だ。」

彼は天井から降りた。

「俺は多陀浩之。光天国に仕える側近。電光の光の騎士だ。」

「電光の光の騎士だと。」

浩之は加奈恵のそばに歩いてきた。

「怪我はないか?君。」

「はい。あなたが浩之君なの?」

加奈恵は尋ねた。浩之は頷いた。

「助けてくれて。ありがとう。」

「君は鈴の友達だからな。それにいまの君の力じゃ勝てない。

やつは不死の魔の力を使う魔女だから。」

「なるほど。自己紹介まだだったわ。私は佐伯加奈恵。よろしく。」

「ああ。」

中本は立ち上がった。

「はあはあ。危なかったわ。っもしあの剣にあたっていれば私は死んでいた。私のこの剣だけ折れただけでも。救いだわ。」

声がした。

「中姫よ。一次城に撤退せよ。」

「この声は青龍!なぜです。浩之が現れた。やつがでたらこの我が一族でも不利だ。一度、撤退し策をねる。」

「わかりました。ではご命令従います。」

「では城で待っている。」

「はい。」

青龍の声は消えた。

「さっきの声。誰?」

「わからない。俺にも。」

「貴様ら。ここでお別れよ。加奈恵、命拾いしたわね。友を守りきれたのは誉めてやろう。だが私はお前らを殺すことをあきらめたわけではない。そのうち貴様らを灰にしてやる。首を洗ってまっていなさい。おほほ。」

「待ちなさい。」

加奈恵は彼女が走って消える姿を追っかけた。しかし、彼女は走りながら消えっていった。

「逃げられたか。」

「どうするの?」

「心配ない。いまは。とりあえず鈴と連絡をとる。話はそれからだ。」

「うん。」

「そのまえに兵と先生の合図を送る。」

「わかった。」

浩之は邨瀬に合図を送った。

「これは撤退命令だ。引くぞ。」

「はい。」

邨瀬は言った。

先生と私は浩之のもとにたどり着いた。

「浩之君。」

「鈴!無事でよかった。」

「でもどうして?お父様はもういないはず。」

「生きている。生き返した。俺には王は無理だ。俺は鈴を遠くから守るためにいる。鈴が王妃候補なのは理解できるけど俺には荷が重すぎる。」

「わかったわ。私は浩之君がどんな未来に歩もうと構わない。むしろお父様を転生させてくれただけでうれしい。」

「鈴…。ありがとう。」

「例を言うのは私。お父様をいきかえしてくれてありがとう。」

鈴は浩之の手を握った。

「話し中、悪い。君が浩之かね。話は聞いている。」

「先生。浩之君。こちら瀬侑。先生だよ。私たちの担任の先生。」

「ああ。はじめまして。俺は邨瀬侑。鈴の担任だ。いつもうちの生徒がお世話になっている。手伝いにきてくれてありがとう。」

「いえ。俺は多陀浩之。鈴の幼馴染です。」

「よろしく。」

加奈恵は言った。

「先生。中本だけどこれからどうすればいい?また学校内で襲ってきたら。」

「心配ない。あやつも生徒だから卒業しないといけない。授業も受けるから襲ってくる必要はない。ただ警戒はいる。大丈夫。先生が要るから。」

「はい。」

「…」

声がした。

「よう。浩之。生きているか?」

「拓也。久しぶりだな。中学以来だな。」

「うん。けど浩之、体ボロボロだよ。大丈夫?」

「ああ。けど体力は消耗しているがなんとか戦えた。」

「大丈夫か?」

「うん。光天様を生き返させるために力を使ったからその影響もある。」

「なるほど。お前天才だな。」

「吉岡は?」

「ここだ。」

「吉岡無事か?」

「ああ。ちょっと危なかったが。先生が力を貸してくれたからなんとか倒せた。だがまだ奴らは強い。俺たち学生合わせても。勝てない。闇に染まる生徒もでてくる。お前も知っているだろう。浩之…。前回の斎藤家との戦いで何人死んだ?」

「二百九十八万人の兵のうち十八人の兵士が死んだ。そして光天も。」

「そうだ。だがいまの俺たち入れても足りない。今後学校内でいつ戦いが起きるかわからない。万全な対策でする必要がある。」

「そうだな。そうしよう。」

鈴は言った。

「私いったん城に戻る。お城から戻るようにと連絡きたし。」

「わかった。」

「俺たちも呼ばれた。浩之、拓也。王から知らせだ。」

「わかった。行こう。」

私たちは城に戻ろうとした。

「ちょっと待て。お前ら。」

先生は私たちを引き留めた。

「何でしょうか?」

「学校で授業をしてから城にいけ。お前ら3人も。鈴も授業をしてから帰れ。部活もあるから。親には言っておくから。部活もあるだろう。」

「はい。皆そうしよう。」

「そうだな。じゃあまた夕方。」

「うん。そうだ望田君は?」

先生はいった。

「あいつなら出かけている。授業までには戻ると言って出かけたから心配はない。」

「わかりました。」

「鈴。行こう。小南先生の古典はじまる。」

「わかった。」

吉岡は言った。

「城で会おう。」

「うん。」

浩之たちは学校にもどった。鈴と加奈恵は教室に戻った。

「終わったね。あいつらどこに消えたのかな?」

「わからない。けど鈴油断しちゃだめだよ。私がそばにいる。鈴を守る。この槍で。」

「ありがとう。加奈恵。」

「うん。」

後ろから声がした。

「鈴ちゃん。」

「志緒。もう平気なの?」

「うん。呪詛もとれたし。ごめん。心配かけて。本当は私力もっているの。まさか背後からおそってくるなんて思っていなかった。ごめん。助けてあげられなくて…」

「私も悪い。志緒のそばにいながらなんにもしなかった。友達なのに。」

千弦は剣を握りしめて見つめていた。

「いいよ。これからはみんなで戦おう。」

千弦たちは頷いた。

加奈恵は尋ねた。

「志緒の力はどんな力なの?」

志緒は言った。

「私の力は感知剣!この剣はね。いまペンダントになっているけどこのペンダントが光ると敵を感知し、ペンダントから剣に変化する。そして剣で破壊することができる。呪詛を。」

「すごいね。私なんか弱い。守ってもらえないと戦えない。」

「そうでもない。鈴のほうが強い。たとえ守られていようとすぐ行動する。」

「ありがとう。千弦の力は?」

「私は。魔法よ。この魔法で奴らを抹殺する。私の家族はね友也の心を優しいこころに変えるための軍の家系なの。今の友也は普通じゃない。だから私たちが治療する。」

「なるほど。だいたいみんなのことは分かったわ。みんなで友也を救う作戦を考えよう。」

加奈恵は言った。

「確かに。けど私たちにも限界があるから保ちながら戦える方法を考えよう。放課後に。」

「わかった。」

私たちは会議を終え、授業を受けた。一方、青龍家は、次の計画を練ることにした。松茂と中本、島原は青龍家に呼び出されていた。

「やっと帰還か。呪詛隊殿よ。」

「戻りが遅くなり申し訳ありません。青龍王様。中本、島原、ただいま戻りました。」

友也は言った。

「まあよい。そなたたちは優秀な兵士だ。遅くなったのも理由があるはずだ。では先程の戦艦状況を三人とも話してみよ。」

「はい。では私からご説明させていただきます。志緒という生徒に呪詛をかけたのですが鈴と加菜恵がいました。兵士、魔力を使い、鈴を破壊しようと策を練りましたが加奈恵の力により私の力は押されました。すぐに対処しようと処置しようとしましたが加奈恵との戦闘が長引いてしまい、鈴を逃がしてしまいました。それに先生が軍を連れてきたのです。さらに浩之まで援護にきまして。」

友也は驚いた。

「馬鹿な!援軍まで用意していたというのか?では転生した光天が率いているのか。」

「違います。私がいた場所には光天の姿はありませんでした。」

「そうか。状況はよくわかった。中本よ。引き続き光天の娘の抹殺を計画せよ。ただし、そなたは学生でもある。なので、生徒として鈴に接近し、鈴を闇に葬れ。よいな。中本。」

「はい。仰せのままに。では学校に戻ります。島原、松藻。さきに失礼します…」

「はい。佳代子様。また後程…」

「…」

中本は学校に戻った。友也は尋ねた。

「さて島原、松藻よ。そなたらの戦闘状態を説明せよ。」

「はい。私たちの場所には鈴、鈴原先生がいました。彼らの戦闘は私たちより違う力をもっていました。私たちの感知能力、闇術も見分けられました。特殊な力で対処しようと心得ましたが吉岡、拓也という青年が現れ、我々の術を排除しましたので戦いが困難になりました。」

「なるほど。ところで先生はこの友也の襲撃をなんと申していた。」

友也は尋ねた。

「光と闇が一つになれば平和になると。それができないなら生徒指導室にこい。と言っていました。」

バン

「鈴原は私の部下まで奪い、平和を光天と築く気か。そうはさせん。」

友也は立ち上がった。

「光天よ。お前の夢はいずれ消える。だが私はそうはさせん。お前の作戦を崩し、お前をこの友也の理想の蒼天乃計画に引きずりだしてやる。ははは。」

「はい。友也さま。友也様私たちも学校に戻ります。」

「ああ。鈴の抹殺計画を中本と共に明日実行せよ。ただし慎重に。」

「はい。」

島原、松藻は学校の教室に戻った。一方、光天は友也の動きに気付いていた。

「王様に申し上げます。友也が新たな計画を企てています。」

「そうか。友也が。軍の動きはどうだい?」

精森は言った。

「軍はまだ動いていませんが…中本隊が動いています。」

「そうか。彼女たちは学生だ。だが油断はできぬ。一ついい考えがある。五月を呼び戻せ。非常事態と伝えよ。それと望田にもここに来るようにと伝えてくれ、真樹も緊急だと。」

「はい。では行ってまいります。」

「頼んだよ。精森。」

「はー」

精森は兵庫に向かった。

光天は思った。心の中で。

「友也よ。なぜ平和を願うのは同じなのになぜ戦う。お前は俺と同じ夢を見ているはずだ。あの蒼天乃王になり、民を守る夢を。そうだろう友也…

続く



【第十二章】 蒼天乃意思を継ぐもの


あらすじ

青龍家の国王、斎藤友也は光天国の光天王と友であった。

互いに蒼天乃世界を築く夢を描いていた。しかし、互いの理想はあるきっかけにより崩れた。友也はもう一度彼とのあの頃の夢をかなえるために前と踏み出すことを決意し、光天国に立ち向かう。しかし、光天国の二代目王後継者、浩之の魔術によりかつての友光天王が転生されてしまい、友也の夢は遥か彼方へと消え去っていった。

追い詰められた友也は新たな騎士団を手配し、光天国に戦いに挑む。だが光天の娘「鈴」、その仲間たちに攻撃を受け、友也の心は折れていった。一方、転生した光天王は友也との夢の約束をかなえるため友也を救いだそうとするが。…

果たして友也と光天乃蒼天乃王の夢は!

運命の幕が開かれる。


【蒼天乃意思を継ぐもの】

精森は五月のいる兵庫の大学に到着していた。

「五月様。ご無沙汰しております。光天国王の側近の精森でございます。」

「久しぶり。精森。お城の状況は?鈴は元気?お父様がなくなってそんなにたたないはずよ。いまの国王は浩之という青年かしら?王妃は鈴のはずよ。」

精森は言った。

「五月様。お城は無事です。友也の襲撃が鈴様の学校でありましたが鈴さまが幼馴染、友達、先生と力合わせ、襲撃を防ぎました。お城も我々が友也の軍、グリア軍の襲撃を防いだのでご無事です。それと光天様は生き返られました。」

五月は尋ねた。

「城と学校が無事なのはよかった。鈴ちゃんも…。だけどなぜお父様が生き返ったの?

まさか浩之という青年が生きかえしたわけ?」

「はい。」

「どうして?」

精森は言った。

「自分は未熟だから王になれない…鈴をそばで守れない。と悟ったそうです。」

五月は言った。

「そう。学生だから無理もないわ。状況は分かったわ。それで精森私に何の用?」

精森は言った。

「国王様が至急戻るように。と…まもなく戦争が近いようです。斎藤家が光天国を滅ぼし、自分の領土を作ろうと企んでいるそうです。兵も増え続けています。いまの我が国の兵士は向こうより数が足りません。一刻も早く戻るようにと王様が言っていました。」

「わかったわ。じゃあ行きましょう。いよいよ私のはじめての戦争が始まるのね。精森。私がこの大学に来た理由知っている?」

五月は精森に聞いた。

「いいえ。存じていません。福祉を学ぶためですか?」

五月は言った。

「あっている。けどそれだけじゃない。私は鈴やお父様、そして民を助けるためにこの大学に入り、修行しているの。もう十分修行したわ。私この日を待っていたの。」

「そうでしたか。ようやくですか…では参りましょう。岡山へ。」

「はい。」

五月は精森兵と岡山へ帰還した。一方、望田は岡山市中区東河原の調査に出向いていた。

「あれは…斎藤家の軍。しかも三千万人。前みたときより増えている。グリア軍の後ろに別の軍がいる。あれは鉄砲隊、弓部隊、槍部隊。うちの軍じゃ不利だ。」

彼はさらにあたりを見渡した。だが彼が見た軍以外別の軍がいた。

それは魔術舞台だった。

「魔術もいるのか…王様に知らせなければ。」

望田は岡山市に戻った。その時、声がした。

「望田様。お待ちください。私もいま帰還しました。」

振り返ると精森と少女がたっていた。

「精森か。久しぶり。俺もいま調査から戻ったところだ。そちらは?」

望田は尋ねた。精森は答えた。

「こちらは光天五月様です。鈴様のお姉さまです。彼女は王様からご帰還命令が出たためこちらに帰還されたのです。

「そうでしたか。はじめまして俺は鈴の幼馴染の望田です。よろしくお願いします。」

「よろしく。あなたたちが鈴を守ってくれているの?ありがとう。」

「いえ。ではまいりましょう。」

「はい。」

精森と五月たちは光天国に帰還した。

「精森。ただいま戻りました。」

「よく戻った。福崎には異常はなかったか?」

光天は尋ねた。

「はい。」

「それはよかった。五月。こちらにおいで。」

「はい。」

五月は父のもとに行った。光天は五月の手を握った。

「お父様…転生されたのですね。生きていてくれてありがとうございます。私は嬉しいです。」

五月は涙を流した。

「五月…心配かけてすまない。もう大丈夫だ。これからは共に戦おう。」

「はい。お父様。」

「…」

光天は頷いた。

精森は言った。

「王様。これで青龍家を倒し、蒼天国が築けますね。」

光天は言った。

「いや。俺だけで築くのではない。友也と共に蒼天国を作るのだ。彼の力はとても強い竜の力を持っている。蒼天がつくれる力を。私の力と合わせれば作れるはずだ。」

「確かに作れます。しかし、今の彼は魔術もなんでも操れる王です。どうやって救う気ですか?」

「そのために五月と望田を呼んだのだ。望田騎士よ。奴らの状況を詳しく説明せよ。」

「はい。前回の戦争以来弓部隊、鉄砲隊、魔法媚態、王館部隊を加わり、六千万人の兵を率いています。」

「友也は?」

「姿はありませんがお城にいるのは間違いないかと。」

「うちの兵は七六千万人。ちょうど足りるな。五月、望田、精森いまこそ我が一族の力を見せ、友也を孤独から救うぞ。蒼天乃意思のために兵を引け。」

「はい。」

「望田、五月は明後日の戦争のことを学校にも伝えるように。仲間にも。」

「はい。」

望田、五月は鈴たちに伝えるため吉岡たちのもとにむかった。一方、友也は光天乃動きに気付いていた。

「……光天、私を倒し、蒼天国を作る気か。そうはさせん。」

バン

「グリアはいるか。」

「はい。お呼びでしょうか?王様。」

「明日学校ないで鈴を抹殺し、光天をおびき寄せる。そして光天を殺し、光天国を王妃事いただく。そして明後日に光天軍を滅ぼし、蒼天をいただく。兵のしたくを速やかに準備せよ。出発は明朝だ。」

「はー」

「光天。待っていろ。貴様の命をこの友也がもらいうけよう。ははは!」

一方、五月たちは鈴の学校に到着した。

「鈴ちゃん。ただいま。」

「お姉ちゃん。どうしたの?」

「ちょっと用事があるから帰ってきたの。お父様の用事で。」

「そう。それで要件はなに?お姉ちゃん。」

五月は言った。

「明後日この地区で戦争が始まるのよ。青龍家がこちらに攻め込んで来ている。おそらく明日の明朝。軍の討伐は明後日になるわ。私もでる。」

「お姉ちゃんもでるの?」

「そうよ。鈴ちゃんは危ないから非難しなさい。私が守るから戦わなくていいわ。」

「ありがとう。で私は逃げない。戦う。」

「どうして?呪詛をかけられているのよ。」

五月は心配した顔で言った。

「お姉ちゃん心配してくれてありがとう。私は大丈夫。あの頃の私と違うから。それに仲間がいる。」

「鈴…」

「わかったわ。あなたを信じる。だけど無茶はしないでね。」

「うん。」

志緒は立ち上がり加奈恵たちのそばに行った。

「鈴…加奈恵。ちょっといい?」

「どうしたの?志緒。」

鈴は尋ねた。

「私も戦う。あなたたちに守られている私じゃない。私はあの時、怖くて戦えなかったからやられた。けどあの時の私じゃない。私のこの魔法で奴らの魔力を打ち砕く。」

「私も。私も魔法を持っている。あの時は恐怖でできなかった。けど私も。このクラスの女子はみんな戦えるわ。私だけじゃない!お願い。」

「私たちも。」

「みんな。」

鈴の頬から嬉しい涙が零れ落ちた。

加奈恵は言った。

「鈴。みんなで戦おう。私もサポートする。これはあなただけの問題じゃない。みんなの戦い。それに鈴は一人じゃないわ。私と鈴は友達でしょう。ここのみんなも。」

「そうね。加奈恵。ありがとう。お姉ちゃん。このクラスの皆と一緒に戦ってもいい?」

五月は言った。

「いいわよ。でもみんな無茶はしないでね。」

「はい。」

「お姉ちゃん。私みんなと一緒にこの岡山を守る。そして蒼天乃王になる夢を作るために。」

五月は頷いた。

「先生も参加する。」

「邨瀬先生。」

「君たちは俺の生徒だ。そして五月も俺の教え子だ。先生が皆のサポートをする。君らが安心して卒業できるように。」

「先生。ありがとう。」

先生はうなずいた。

「さあ行こう。皆。明日。この世を作るために。作戦指揮は五月がとる。お姉ちゃん。お願い。」

「了解。皆。作戦会議するわよ。集まって。」

私たちは五月の前に集まった。

「第一の作戦について説明する。私たちが集合する場所はこの学校よ。八時半ごろこの学校に生徒が集まる。一年七組の生徒は二年生、三年生の生徒を安全な場所に避難させる。一年のクラスの生徒も。私たちのクラスを除いて。避難場所は体育館よ。誘導は浦上先生に頼む予定よ。邨瀬先生。浦上先生に生徒を体育館に避難誘導させるの。浦上先生にお願いしていただけないでしょうか?」

「わかった。」

「ありがとうございます。みんなの誘導が完了したら学校全体に結界を張る。念のため結界を学校内も春予定。その担当を魔法が使える人に任せたい。誰か結界を張れる人はいない?」

知恵は言った。

「私が張ります。私は攻撃術と結界術を待っていますので。」

「わかったわ。あなたに任せるわ。名前は?」

五月は彼女に名前を聞いた。

「光天魔法術部隊所属の喜村千鶴と申します。」

「あなた魔法部隊の新入り。よろしく。」

望田は言った。

「俺も魔術を待っているからこいつのサポートさせてもらいます。」

「わかったわ。望田君。二人とも明日七時半にこのクラスに集合ね。八時半に光天の魔法部隊が来るから。彼らと共に北からくる青龍家の魔法部隊を襲撃するわよ。そして、鈴と加奈恵は鈴原先生と共に学校の外で待機。おそらく昨日戦った。中本、松茂が攻撃してくるわ。それを食い止めて。私と邨瀬先生が弓部隊を食い止める。先生。お願いします。光天の弓部隊は後ほど到着するわ。作戦は以上よ。この作戦を成功させ平和な学園生活をするわよ。」

「はい。」

一方、浩之、拓也たちは光天国に集まった。

「久しぶり、中学以来だな。拓也。浩之。」

「ああ。久しぶり。吉岡。学校はどうだ?」

浩之は尋ねた。

「楽しいよ。だが戦場で交通不便になった。」

「俺も同じ気持ちだ。早くこの戦争を終わらせないと。」

拓也は浮かない顔をした。

「そうだな。だがそのためには青龍家を止めないといけない。すまないが二人とも力を貸してくれないか?」

浩之は二人の方に触れて言った。

吉岡たちは頷いた。

「ありがとう。さっそくだが光天から連絡がきた。明日青龍家が再びこの岡山を襲撃する。俺たちはそれを食い止めなきゃいけない。鈴たちは学校で魔法部隊、弓部隊を撃つ作戦にでている。先生もいるし、鈴の姉、五月も来ているから心配ない。俺たちが食い止めなきゃいけないのは王冠部隊、鉄砲隊を食い止めることだ。王冠部隊、鉄砲隊を吉岡と俺でしとめる。拓也にはバックアップを頼みたい。指揮官は俺がとる。光天は暗殺部隊を撃破しに行くそうだ。作戦は以上だ。二人ともお願いできるか?」

吉岡は言った。

「だいたいわかった。お前の作戦にのろう。共に平和のために戦おう。」

「ああ。」

拓也は言った。

「闇部隊は最近だよな。できたの?望田からなんか情報聞いてないか?」

「いやあいつの情報にはなかった。俺は風のうわさで聞いたかぎりだと今回初部隊と聞いている。いづれにしても倒さなきゃいけない連中だ。おそらく裏組織だ。」

「じゃあ倒さなきゃいけないな。浩之、拓也。」

拓也は頷いた。浩之は剣を抜き、空にあげ、叫んだ。

「さあ行こう。吉岡、拓也!奴らを倒し、友也を闇から救い、光天と友也の夢を作るぞ!」

「おう。」

翌日、戦争が始まった。それは青空と雲があり、晴天の天気の日であった。すべての部隊が動き出した。さあ我々の未来は。蒼天の先は。

「わー」

運命の幕が開けようとしていた。


【第十三章】 殺戮の青龍


あらすじ

高校に入学した鈴は、加奈恵という少女と出会い、友達になる。鈴はかたちだけの王妃になり、浩之はかたちだけの王になった。だがそれは浩之にとって苦痛であった。一方、友也は光天が死んだことにより理想の蒼天乃世を築こうとした。

浩之はそれに気付き、光天を復活させた。それに築いた友也は再び、光天を恐れ、光天国、鈴のいる学校に襲撃をかけるが、鈴と浩之たちにより学校の襲撃は防がれた。一方、グリア軍と精森軍が激突した。

激しい戦闘になるが精森の圧倒的な力により戦乱は抑えこまれた。

一方、光天は友也と一騎打ちの戦いになるが光天の新たな力により友也は精神を追い込まれる、だが友也はこれで終わる男ではなかった。

二人の戦いは再び始まろうとしていた。


【殺戮の青龍】

月日が流れた四月二十六日、鈴たちは高校三年生になったある日、光天、友也の戦乱が始まった。

青龍家の軍は東の方から奇襲をしかけた。青龍軍を率いるグリアは兵を率い、光天軍に襲い掛かった。

「光天軍よ。貴様らはここで朽ち果てる。我らの軍によりな!いく!お前ら。友也様のために。はー」

「はい!グリア様!いくぞ。天軍滅ぼすぞ!はー」

グリアが率いる軍は光天軍に向かい、馬を走らせた。

「王さま。申し上げます。グリア軍が光天国に向かって攻め込んで来ています。東の方から数は二千万人を超えています。望田がつかんだ情報よりかなり増やしたみたいです。いかがいたしましょう。ものすごい勢いでこちらに進軍しています。」

精森は光天に尋ねた。光天は言った。

「精森!軍を出陣させよ。指揮官はお前に任せる。グリア軍を滅ぼし、光天を救うのだ。」

「承知しました。王様はどうされますか?」

「私は槍軍を率いて友也のいる青龍家を攻め込む。王冠部隊はそなたに任せる。頼んだよ。」

「はい。光天様。では行ってまいります。」

光天は頷いた。王冠部隊を精森は光天城を出発し、東に向かった。一方、東から進軍を仕掛けたグリア軍はその動きに気付いていた。

「グリア様!」

「どうした兵ども。」

グリアは兵士に尋ねた。

「あの光はいったいなんでしょうか?ものすごい数でこちらに向かってきています。方角は二誌です。」

「西だと!」

グリアは双眼鏡で南の方角を見渡した。

彼は驚いた。

南の方角からグリア軍が攻めてきていたからだ。

「光天国。こちらの動きに気付き、動き出したか。ならこちらも仕掛けようではないか。兵ども。南の方から光天軍が進軍してきている。指揮官は精森だ。いまこそ打ち砕くぞ!」

「はー」

グリア軍は南の方角から進軍してきている光天軍に襲いかかった。

「かかれ!」

「わー」

「怯んではならん。グリア軍を破壊せよ。はー」

「はい。精森様!いくぞ。はー」

グリア軍と光天軍の激しい戦い繰り広げられた。

「精森、また貴様か。今度こそ貴様を殺し、蒼天乃王を手に入れてやる。くらえ。烈風の彼方。霊威破壊ソード。霧酒闇の炎よ。ファイアーソード」

炎の剣が精森に襲い掛かった。

「そうはさせない。この命は貴様に渡さない。蒼天乃世界は貴様に渡さない。食らえ!精也の光をオブジェクトライト!」

精森、グリアの一騎打ちの戦いが始まった。一方、西では斎藤友也が槍豚愛、魔力部隊、鉄砲隊、大砲部隊、弓部隊を率いて北にある明光貴族高等学校に奇襲を仕掛けようとしていた。明光貴族高等学校に奇襲に備えていた鈴たちは」その動きに気付いていた。

「皆。急いで。体育館に避難してください。敵がこちらに迫っています。」

「急いでください。」

浦上先生と志緒は在学生をすべて避難させた。

「鈴。加奈恵。体育館にみんなを避難させたわ。」

「ありがとう。じゃあ結界をお願い。」

「うん。」

志緒は術を唱えた。

「いにしえの魔法よ。この学校すべての建物に結界を張り、命を守りたまえ。エンジェルレイト!」

バン

建物すべてに結界が張られた。

「結界。完了。」

「ありがとう。私たちは東館で迎え撃つわ。加奈恵行こう。兵士どもも私たちについてきて。」

「はい。」

加奈恵は頷いた。

「邨瀬先生と鈴原先生は志緒たちとともにここを守ってください。」

「わかった。」

「望田君と五月も正門をお願い。」

望田と五月は頷いた。

私たちは奇襲に備え待機していた。その時、大きな音がした。

バンバン

「あの音は何?」

鈴は剣を握りしめ、窓を除いた。その時、声がした。

「鈴様。窓を覗いてはいけません。敵が鈴様を狙っていますので。」

鈴は振り返ると一人の兵士が立っていた。

「あなたは?」

兵士は言った。

「私はあなたに仕える学生兵隊長の八森と申します。はじめまして。今日からあなた様をお守りする兵としてここに任命を受けました。」

「そうだったの。よろしくお願いします。さっきは止めてくれてありがとう。」

「いえ。あなた様をお守りするのが私の役目なので。」

鈴は頷いた。

加奈恵は尋ねた。

「八森側近兵ね。戦乱の現状を説明して。」

「はい。現在、斎藤友也が率いる部隊がこちらの学校に進軍しました。さいわい学校には結界をはっているため危害はありませんが、いつまで持つかわかりません。侵入はグランドです。鈴様ご決断を。」

「戦闘開始!」

「はー。」

鈴は兵士と仲間に指示した。

「兵ども。校門へ!加奈恵はここで槍部隊をうって。」

「了解!」

鈴たちと友也軍の戦いが始まった。

友也は槍と剣を握りしめ、馬に乗り、兵士と共に走り出した。

「我は蒼天乃王になる青龍家の王斎藤友也だ。光天いまこそ貴様を兵士と娘と共に葬ってやる。兵士ども光天の兵士、娘を破壊せよ。いくぞ!光天。皆俺に続け。かかれー」

「わー」

友也は兵を率いて鈴たちに襲い掛かってきた。

鈴は剣を抜いた。

「八森。私のサポートをお願い。」

「はい。鈴様!」

「皆!いくわよ!」

「はー」

バン

鈴は光天国王専属部隊を率いて、友也の兵と戦乱になった。

「我は青龍家専属隊長リードクラインだ。貴様が娘か。貴様には用はない。私が戦いたい相手は八森だ。貴様にはここで死んでもらおう。鈴!食らえ。破邪の闇。クラインソードダーク!」

闇の剣の力が鈴に襲い掛かった。

「あいにく私は死ぬわけにはいかない。あなたを倒し、父の夢を叶えるために。いにしえの剣よ。この私に力を貸したまえ。光の波動を。ライトエーリア!」

光の剣と闇の剣の激しい戦いが続いた。

一方、八森は加奈恵と共に闇の槍使いの兵士と交戦していた。

「我は槍部隊隊長ルイーズレインボルトだ、ここで貴様らを破壊し、蒼天乃世を作らせてもらう。いくぜ、お前ら!奴らを切り裂くのだ!」

ルイーズが率いている槍部隊の軍勢は加奈恵たちが率いる兵士に襲い掛かった。

「こんなところで我らは死ぬわけにはいかない。はー」

光天国の槍部隊は青龍家の槍部隊に立ち向かった。

バンバン

「いくわよ。我加奈恵が命ずる。槍よ。進の力を出し、古の闇の槍の力を打ち砕け!拍の

精累卵ソード!」

加奈恵の放った力はルイーズに襲いかかろうとした。

「そういかん。食らえ。動の刃レベル4!レジェンド!」

ルイーズは加奈恵の力を闇の槍の力で打ち消そうとした。しかし、二人の力は互角だった。

「くっ。なんて強いの。私と彼の力が互角なんて。」

「こいつ。俺と対抗できるというのか。なんて強い。面白い。ならこれはどうだ!レシードソードフォリックス!」

バッバッバッバ

「なに。私の力が押されている。でもここで切り離されたら私がやられる。槍も折れそう。どうすればいいの?」

「槍の破滅の光ルシータソード!」

八森は隙を突き、ルイーズの槍を折った。

「なに!私の剣を折っただと!貴様よくもやってくれたな。八森!」

八森は笑った。

「ふふふ。」

「何がおかしい。」

八森は剣を向けた。

「俺はまだこれから人生がある。それに高校生が殺されるところは見たくない。てめえは青龍につき、鈴様を破壊することしか、考えていないがこいつにとって鈴は大切な存在でもある。だが貴様はそれを崩そうとしている。なぜだ。ルイーズ!」

ルイーズは言った。

「俺は青龍家の夢を叶えなければいけい。光天の夢を壊し、友也様の夢を叶えるのが俺の役目だ。貴様らに関係ない。関係ないものはいまここで消えろ!お前ら我に続き、奴らを皆殺しにせよ。」

「はー」

ルイーズ率いる兵は立ち上がった。

「中本!奴らを闇に葬れ!」

「はい。ルイーズ様!」

中本は加奈恵の方に歩いてきた。

「八森!あいつの動きは私が食い止める。あんたはあのルイーズと彼が率いる兵士をお願い。こっちは私に任せて。」

「わかった。じゃあ始めるか。」

加奈恵は頷いた。

「いくぞ!光天、青龍のために!」

「おお」

ルイーズは旗を掲げ、剣を握り、馬にのり、兵士と共に八森軍に襲い掛かった。八森は剣を握って兵と共に馬に乗り、走り出した。

「かかれ。奴らの動きを止めるのだ。」

「わー」

「殺せ。光天兵を。八森も皆殺しにせよ。はー」

「わー」

八森軍とルイーズ軍との激しい戦が繰り広げた。

作戦はこうだ八森軍とルイーズ軍が激突し、そのすきに加奈恵が中本を撃破する。という戦略だ。だが中本が戦に加わることはであった。この戦は軍同士、リーダ同士の一騎打ちの戦争。つまり「和平戦争」である。勝利条件はこうである。八森軍が勝利すればルイーズ軍は光天に従わなければならない。ルイーズ軍が勝利すれば八森軍は青龍家同盟しなければならない。

そしてルイーズ、八森の一騎打ちでも勝利条件は同じである。また勝利がつかめなければ保留となる。

一方、加奈恵は、中本と戦闘を続けていた。

「ねえ。久しぶり?加奈恵さん。私のこと覚えている?中本佳代子よ。」

「覚えているわ。私の親友を殺そうとしたから。」

「覚えていてくれてありがとう。でもあなたにはここで死んでもらうわ。だって邪魔ですもの。私はあなたを殺し、鈴を手に入れ、王に献上する。それが私の仕事よ。さあ加奈恵さんそこを通してくれる?」

加奈恵は槍を佳代子に向けて言った。

バン

「私はあなたみたいな貞子のような髪の女嫌い。あなたがそばにいると鈴が呪詛に侵され死んでしまう。私はそんなことさせない。私はここであなたを食い止める!佳代子を鈴のところにはいかせない。」

「そう。ならここで殺してあげるわ。加奈恵…。」

「くっ」

「私は何でもできるの。こんな風にね。」

佳也子は首を回した。その瞬間、呪詛が体から解き放たれた。

「私は死なない闇だから。」

佳也子は術を唱えた。

「いにしえの闇よ。我に近い闇を解き放ち、光を破壊せよ。ウルシダーク!」

闇の呪詛が加奈恵に襲い掛かった。

「ここで死ぬわけにはいかないわ。ライオンエンジェルソード!」

加奈恵は闇を槍の力で跳ね返し、浄化した。しかし闇は次々と加奈恵におそいかかろうとした。

バン

「まずいわ。このままでは私が危ない!どうすればいいの?」

「もう遅いわ。死になさい!」

バン

「あっこれで終わりなの。そんなの嫌だよ。鈴…」

加奈恵は目を閉じた。

「大丈夫だ。お前は絶対死なせない。鈴の親友だからな。食らえ烈婦の彼方!レイトオブジェクトウイーン!ソード」

加奈恵が目を開けると襲い掛かってきた呪詛は消えていた。

「あなたは鈴の幼馴染の吉岡君?助けてくれたの?」

「その通りだ。俺は吉岡敬助!光天に仕える。騎士でもあるが君と同じ高校生だ。学校は違うが、の命令できた。けがはないか。」

「うん。助けてくれてありがとう。」

「例はこいつを倒してからだ。」

「わかった。」

「仲間をつれても無駄よ。」

「それは難しい。ここから先は俺らが貴様を倒す。」

「やってみるがいい。」

「…」

中本と加奈恵と吉岡の戦いが始まろうとしていた。一方、五月は弓部隊と交戦していた。

「私の名は弓部隊隊長マリア!みなもの今こそ我につつき五月たちを打ち落としなさい。」

「はい。マリア様!いくぞ。マリアに続け!」

マリアと弓兵は五月たちに攻撃をしかけた。

マリア軍は弓を放った。

「きた。守備隊前へでて弓をはじけ。弓部隊は私と共にあの弓部隊を殲滅させよ。先生は、

邨瀬先生は私の援護をお願いします。」

「了解。」

「みないくぞ!わー」

守備隊はマリアが率いる兵の弓を盾ではじき返した。

「いまよ。弓兵!マリアの弓部隊を破壊せよ」

「はーいくぞ。」

五月が率いる弓兵はマリアの弓兵に襲い掛かった。

「くっ。五月姫。やるわね。私の兵の弓を跳ね返すなんて。ならこちらも防衛するわ。守備隊。やつらの攻撃を防御せよ。」

「はーマリア様。お前ら奴らの攻撃をはじくのだ。このリューズ様と共に。いくぞ!」

「はー」

守備隊長リューズは兵を率いて防衛体制になった。その瞬間、五月の兵が放った弓は、はじき返された。互いの兵の攻撃は続いた。邨瀬は援護に回った。

「さあ先生の力をみせてやろう。食らえ!破邪の矢。狂い裂き!」

バン

先生が放った矢はリューズに襲い掛かった。

「ここで死ぬわけにはいかないぜ。ローンの防衛!」

リューズは防衛結界を張って邨瀬の攻撃を防いだ。

「やるな。」

「お前も。」

二人は笑った。

兵の勢力は互角だった。邨瀬とリューズの力も互角である。

「あんた。やるわね。」

「そっちこそ。」

二人は笑った。

リューズはマリアに言った。

「マリア様。このままではきりがありません。戦力で互角です。このままでは王様の夢が消えてしまいます。いかがいたしましょう。」

マリアは言った。

「リューズ。私はあの五月姫を撃ちおとす。リューズ。あなたはあの先生をどうにかしなさい。それと奥の手を出すわよ。松茂を呼びなさい。」

「はい。」

リューズは松茂を戦場へ読んだ。

「お呼びでしょうか?マリア様!」

マリアは命じた。

「私は五月を抹殺する。あなたはその援護は頼める。」

「はい。」

「では参りましょう。皆はそのまま攻撃せよ。大将は私が打つ。」

「はー」

兵士は五月の弓部隊に攻撃をしかけた。五月の兵もマリアが率いる兵士に攻撃をしかけた。一方、邨瀬はリューズとの一騎打ちをしていた。

バンバン

「貴様を倒し、青龍の世界を作る。はー」

「そうはいかない。鈴たちや生徒が安全に暮らせる世界を作らないといけない。おとなしく引け!」

先生とリューズの戦いが続いた。

「五月。お前はここで終わりよ。いま身をひけば命は取らぬ。そして我らに根が要り、青龍だけの世界を作らないか。」

マリアは五月に弓を向け、言った。

「断る。私はお父様と友也の夢を叶える。独断の夢は叶えない。」

五月は盾を構え、弓を構えた。

「往生際が悪い子ね。ならここで死ね。」

マリアは盾を構え、弓を五月に放った。

「こんなところで私は死なない。はー」

五月もマリアに弓を放った。互いの思いをぶつけあいが始まった。だがマリアは隙を伺っていた。

「隙ができたわ。松茂、いまよ。」

「はい。食らえ。我が闇を受けよ。ルリアノ闇。アイーダ!」

強烈な闇が五月に襲い掛かった。

「しまった。背後からくるなんて考えてなかった。どうしよう間に合わない!防御!レン」

五月は透し防衛術を使った。しかし、それは闇に葬られた。

「しまった!」

「終りね。五月!おほほほ」

五月は目を閉じた。誰かが歩いて闇を切る音がした。

バサバサ

五月は目をあけると闇がきえていた。そして一人の青年が立っていた。

「よお。待たせてすまない。ちょっと学校が離れていたから来るのに遅れた。怪我はないか。」

「うん。助けてくれてありがとう。あなたは?」

「俺拓也!闇を浄化する剣使いさ!鈴の姉の五月だな。よろしく。」

「よろしく。」

松茂は怒りに満ちた。

「よくも。やってくれたわ。この場で二人とも殺してやる。」

二人は黙って敵を見つめた。

拓也は言った。

「五月。お前はマリアを撃墜しろ。こいつは俺がなんとかする。背後は俺に任せよ。」

「了解。」

拓也は剣を松茂にむけ言った。

「お前は俺がここで浄化してやる。」

「やれるならやってみなさい。」

松茂と拓也の戦いが始まろうとしていた。

一方、志緒、望田が率いる魔法部隊は体育館の前で敵の魔法部隊と交戦していた。

「いにしえの魔法よ。敵をかいめつせよ。ファイオロブオーライ!」

望田は術を唱えた。

「永続魔法!氷の氷柱」

バン

氷の力で十人の魔法部隊を攻撃した。闇部隊は彼の攻撃を解き放ち、闇術を放った。

「闇よ。このいましき炎を打ち砕け!ウーリスダーク!」

闇と炎の魔力の激しい戦いが繰り広げられていた。

「きりがない。ならレイアソード!」

鈴原先生は志緒たちが放った。炎を吸収し、剣で闇の力を切り裂いた。

「先生ありがとう。」

「ああ。みんなで仲間を守ろう。」

「はい。」

志緒は思った。

「早くこの戦争を終わらせたい。」

一方、鈴はクラインに追い詰められていた。

「はあはあ。黒い血が止まらない。」

「それは黒い呪詛だ。貴様はここで死ぬのだ。」

「…」

鈴は倒れた。

倒れた鈴のそばにクラインは来て言った。

「最後に教えてやろう。貴様は死なない。それは私の血でできた呪詛。簡単に言うと。呪いだ。その呪いは私と剣で打ち合ったときにつけられた呪だ。私と打ち合ったら呪詛に侵される。折ることも切ることもできぬ。よく覚えておくがよい。そして最後におしえてやろう。貴様はおとなしくしていればよい。さて話は終わりだ。そろそろ終わりにしよ。最後に君に素敵なプレゼントをあげよう。さようなら小さな騎士姫。グリーンダーク!」

クラインは剣を突き、鈴に闇を与えようとした。

鈴は目を閉じた。

バン

剣がはじき返す音がした。

目をあけると浩之が立っていた。

「馬鹿な私の剣と呪詛跳ね返されるなんて。」

「鈴!大丈夫か。」

「浩之君。助けに来てくれたの?ありがとう。ごめん。私倒せなかった。」

浩之は鈴を抱きかかえ。靴箱に避難させた。

「謝るな。鈴はよく頑張った。あとは俺があいつをとめる。お前はゆっくり休んでいろ。今治療するからじっとしていろ。」

「うん。」

浩之は鈴にかけられた呪詛を浄化した。

「よし。これで大丈夫だ。たてるか?」

「うん。」

鈴は立ち上がった。

「大丈夫そうだな。鈴。お前は体育館に避難していろ。その間、俺があいつを倒す。」

「待って。私も戦う。」

「お前はあいつに殺されかけた。それでも戦うのかよ。」

「うん。だって私は浩之君を助けると約束した。それにさっき浩之君が助けてくれたように今度は私が助ける番よ。私たち、幼馴染でしょう。」

「鈴…そうだね。わかった。行こう。鈴。ただし俺から離れるなよ。」

「うん。」

クラインは靴箱まで歩いてきた。

「話は終わったか。青年。」

「ああ。」

浩之と鈴はクラインの方を向いた。

「てめえ。俺の幼馴染の鈴によくも傷つけてくれたな。俺はお前を許さない。俺はここで鈴と共にお前は倒し、光天と友也の夢を叶える!いくぞ。鈴。」

「うん。」

鈴と浩之は剣を構えた。

「やってみるがよい。はー」

クラインは剣を抜いた。

クラインと浩之、鈴の平和をかけた。戦いが始まった。

一方、光天は友也を探していた。

「友也、どこにいる。友也!」

果たした光天は友也との再開が再びできるのか?そしてそれぞれの平和の導く戦いは?クラインと浩之、鈴の戦いは?

運命の激突が幕をあける。


【第十四章】 彼方の願い


あらすじ

青龍家と光天家の戦いが幕をあけた。

この物語の主人公斎藤友也はかつて光天とみた蒼天乃空を築く夢を叶えるため、鈴の学校に進軍をしかける。

一方、その進軍を防ぐため光天は魔法部隊弓部隊等あらゆる策を用意し、光天に立ち向かう。鈴の親友、加奈恵、鈴の側近、八森は槍部隊を率い。青龍槍部隊と交戦が続く。だが背後から中本が襲い掛かるが吉岡という青年により、命を救われる。

鈴の姉、光天五月は、弓兵、守備隊を率い、先生と共に青龍弓艦隊マリア隊と戦う。だが背後から攻め来る松茂に隙をつかれるが拓也という青年により命を救われる。

一方、青龍魔法部隊は志緒と望田たちの魔法部隊と激突が続く。校舎内の中、鈴は、クラインと交戦中であった。だがクラインとの激突の時に、鈴は無の呪詛を掛けられ、倒れこむ鈴だった。

しかし、幼馴染の浩之が現れ、鈴にかけられた呪詛は浄化される。再び鈴は浩之と共にクラインに立ち向かう。そんな中、光天は友也の居場所を探し続けていた。

運命の戦いがいま始まろうとしている。


【彼方の願い】

青龍家国王、斎藤友也は学校の坂にたどり着いた。

「ここか奴らが守る学校か…フリア隊長。学校の戦乱状況を説明せよ。」

青龍家の王冠隊長フリアは言った。

「はい。現在。槍部隊は光天槍部隊と交戦中。八森という男が先頭に立ち、我らを破壊しようとしています。勝敗は互角。ルイーズは加奈恵という女と戦闘中。」

「中本はどうなっている?」

「はい。中本は現在吉岡という闇の浄化兵と交戦中です。」

友也は悩んだ。

「まずい戦況だな。光天前より強化したか。こちらも手を打たねばならない。」

フリアは頷いた。

「弓部隊はどうなっている。」

フリアは答えた。

「弓部隊は現在五月という女が率いる弓部隊と交戦中です。守備隊は現在互いに防衛している状態です。マリアは五月と一騎打ちをしている状態です。

リューズは現在、学校の教師、邨瀬治という男と交戦中。松茂は突如現れた拓也という浄化剣の使い手に脚止めされ、現在戦闘状態であります。魔法部隊は現在光天魔法部隊と交戦中です。望田と鈴原先生の力により闇の支配ができない状態です。

クラインは浩之と鈴と戦闘中です。」

友也は立ち上がった。

「また奴が現れたのか。」

「はい。」

「光天。やはりお前はまた新たな力を世のために手に入れたのか。」

友也は思いつめた。

「グリア軍はどうなっている。」

フリアは答えた。

「グリア軍は現在、精森軍と交戦中です。」

友也は頷いた。

フリアは尋ねた。

「王様。いかがいたしましょう。」

友也は剣を握り、馬に乗った。

「いまこそ。光天王冠部隊、そして光天国王を打ち砕く!フリア共についてこい。」

「はー」

フリアは剣を抜き、馬に乗った。王は旗を掲げ、兵に言った。

「我こそ青龍家斎藤友也だ。いまこそ奴らの兵を皆殺しにし、光天を倒し、蒼天乃世を築くぞ!いくぞ。お前ら!」

「はー」

友也はフリアと兵士を率いて、高校の坂を上った。一方、光天はその動きに気付いていた。光天は立ち上がった。

「友也がこちらに攻め込んでくる。みなのもの。よく聞け。全艦隊の騎士につげる。斎藤友也が坂を上ってこちらに攻め込んできている。私は友也を、彼が率いる兵、フリア隊長の動きを止める。その間にそなたらは全ての敵の部隊を抹殺せよ。また、浩之騎士部隊は中本軍を完全討伐せよ。島原が出る前に。これは命令だ。皆の検討を祈る。」

その声を聴いたすべての艦隊、浩之たちは頷いた。

「いくぞ。友也!坂に向かい突撃!友也。覚悟!」

「お!」

光天は兵を率いて坂の前に駆け出した。その動きに、気付いた友也は馬に乗り、走り出した。

「来たか。光天!お前らあの兵ども、王を浮き砕くぞ。いくぞ!」

「おー」

友也は兵を率いて正面からくる兵に立ち向かった。王冠部隊同士の戦いが始まった。

「光天覚悟!はー食らえ。青龍の破滅の力。ダークライトエンジェルブルー。」


闇の青龍の力が光天に襲い掛かろうとした。

「させない。ライトソード!いにしえの光!」

バン

光天は青龍の力をはじき返した。

「やるな。以前より強くなったな。光!」

「それはどうも。貴様も強くなったな。友也。久しぶりだな。友也。」

「ああ。だがお前はここで死んでもらう。俺の夢を叶えるために。」

「それは無理だ。そなたとの約束の夢を叶えるために俺は生き返ってここにいる。」

「光天…おまえ。まだわからないのか。俺らの夢はばらばらだ。」

「だからつなぐ。」

「わからない奴だ。ならここでそれを証明してやる。蒼天乃力を持つものが誰かを。」

「友也…なら仕方ないな。この世は俺かお前かになる。お前をここで倒し、お前をここで手に入れる。いくぞ。友也!食らえ ソードオンライト!」

光天は友也を光の剣のちからで切り裂こうとした。

「やるな。だが効かぬ。食らえ!青龍切り裂き刃ソード!」

青き、炎の力は光天が放った力とぶつかった。

「光天!お前だけは。お前だけは許さない!あー」

「くっ」

王同士の激しい戦いが続いた。一方、加奈恵、八森、中本、ルーズの戦闘は終盤を迎えようとしていた。

「切り裂け烈風の槍!ロンド!」

加奈恵はルイーズの槍を砕こうとした。

「させない!切り裂け闇の槍。ダークロンド。」

激しい槍の戦闘が続いた。だが加奈恵の槍の力が上手だった。

「しまった。あー」

ルイーズの盾と槍は折れた。

「いまだ。切り裂け波動の槍!カノンのロンド!」

加奈恵が放った槍の力はルイーズの体を切り裂いた。

「あーこの隊長がこの槍使いの学生に敗れるとは。くっ…王様。申し訳ありません。」

バタン

青龍家槍部隊隊長ルイーズは加奈恵の槍の一撃を食らい、死んだ。

「終わった。八森隊長の援護に行かなきゃ!」

加奈恵は八森のところに向かった。

一方、八森は槍艦隊を率い、青龍闇艦隊と交戦していた。

だがこの交戦も幕を終えようとしていた。

バンバン

「お前らここで奴らを迎え撃つぞ!新技で我らの新の力を見せつけるぞ!」

「おー」

兵と八森は旗を掲げ、槍を抜き、青龍槍部隊に攻め込んだ。

「食らえ!破滅のロードレオ!」

光天槍部隊は青龍槍部隊を新技で切り裂こうとした。

「怯むな!奴らの力を破壊するぞ。食らえ!ダークブルーロード!」

バンバンバンバン

槍艦隊同士の力がぶつかった。だがどちらも決着はつかなかった。

「くそこのままじゃ。」

「くっ」

互いの兵は疲労状態に陥っていた。その時、加奈恵が馬に乗りながら走ってきた。

「皆諦めないで!私に任せて。」

「加奈恵様。」

「行くわよ。光天部隊下がって私が切り裂く!」

「はー」

「八森!皆の誘導をお願い!」

「はい。皆下がるのだ。」

「はい。隊長。」

光天槍部隊は八森と共に下がった。

「なに!」

敵は驚いた。加奈恵は反撃に出た。

「食らえ。槍の新たな力を食らえ!疾風伝ソードロンド。風の力よ。すべての敵兵を打ち砕け。疾風波動ライト!」

「やつを打ち砕け!烈風ロンド!」

バンバン

青龍槍兵の力と加奈恵の力がぶつかった。しかし、加奈恵の力が上手だった。加奈恵の力は青龍槍兵を切り裂いた。

「あー王様。申し訳ありません。」

バタン

青龍槍兵全員加奈恵の前に倒れこみ、そのまま命を落とした。

「終わったのですか?」

加奈恵は八森に尋ねた。

「ああ。加奈恵はどうする。私は勝利合図の花火をあげた後、兵を連れ、光天国に帰還する。女王に報告せねばならない。」

加奈恵は言った。

「私は。吉岡さんのところに援護に行く。そのあと鈴のもとに行く。」

「じゃあここでお別れだな。あとは任せた。また逢う日がくれば会おう。その頃はお嬢様もお前も高校生だ。」

加奈恵は頷いた。

「元気で。」

「そなたも。」

八森は勝利の花火をあげた。

その花火は全ての戦乱に伝わった。

「八森軍が勝利した。」

「加奈恵が勝利した。」

全ての戦乱に勝利が告げられた。

八森は勝利の花火をあげた後、兵を率いて、光天国に帰還した。

「さあ。吉岡さんのもとに行かなきゃ。」

加奈恵は吉岡のもとに向かった。一方、光天たちはこの勝利の知らせを聞いた。

「友也。お前の槍艦隊は死んだ。お前の唯一の槍使いの隊長ルイーズも死んだんだよ。お前はそれでもまだ個人だけの夢のために戦うつもりなのか!」

友也!

「くっ。俺は。」

続く


【第十五章】 蒼天戦争①


あらすじ

高校三年になった鈴たちは友也の進軍を防ぐため青龍蒼天戦争に参加する。青龍家槍部隊、光天槍部隊、との戦いが学校のグランドで繰り広げられた。だが互いの強さは互角であった。八森は槍部隊を率いて青龍軍を打ち落とす作戦にでる。

一方、鈴の親友加奈恵は青龍槍部隊隊長、ルイーズと激突するが突如現れた中本という少女に襲われるが吉岡という青年により命を救われる。

一方、鈴はクラインという騎士隊長と戦うが体に呪詛を入れられるが浩之により浄化されるが再び浩之と立ち上がりクラインと戦う。一方、五月は弓艦隊と戦う。指揮官マリア一騎打ちになる。だが突如現れた松茂に襲われるが拓也という青年により、命を救われる。精森軍とグラン隊の戦いは続いた。

ちょうどその頃、学校の坂道で王冠軍同士の戦いが繰り広げられた。友也と光天の一騎打ちも始まったのであった。しかし、光天はこの戦争を終わらせようとしていた。光天は戦乱中の軍にこの戦争を終わらせるようにと伝えた。その知らせを聞いた加奈恵はルイーズ隊長に立ち向かった。新の槍の力同氏の戦いがはじまった。だが力は加奈恵が上手だった。

加奈恵に切られたルイーズは命をたった。

一方、八森は槍部隊の交戦を繰り広げていた。新技の戦いが続いていたのだ。加奈恵は八森の援護戦乱に加わり、艦隊を撃破した。青龍艦隊は子の戦乱で命尾加奈恵の前で落とした。その知らせを受けた友也の心が折れかけていた。

友也の未来は?どうなるか運命のクライマックス戦争が幕を開ける。


【蒼天戦争①】

青龍闇部隊の壊滅後加奈恵は吉岡が戦っている体育館の裏に向かった。一方、吉岡は激しい戦闘を繰り広げていた。

バン

「千乃彼方。ライトイグネットソード!」

吉岡が放った光の力は中本に襲い掛かった。

「やるわね。でも遅い。ダークソルネット!」

バン

中本が放った闇の球は吉岡の放った力をはじき、返した。

「なに?力をはじき返しただと。ただの闇術ではなさそうだな。なら食らえ。ソードスキルオンイグネスソール!」

吉岡は闇の力を切り落とした。

「やるわね。でもここで終わらせない。ルーズソルダーク!」

中本は闇で吉岡の剣の力を闇で浄化した。

「こいつただの人ではない。体から呪詛があふれでている。普通じゃねえ。まるで鬼のようだ。いったいどうすればいいのだ。」

「ねえ。もうおしまい。つまらないわね。いまなぜ倒せないか考えているでしょ。いいわ。教えてあげる。私が闇の鬼。だからあなたには倒せない。それにあなたもう死ぬ。」

「俺はまだ死ねない。あいつを守らなければならないからな。」

吉岡は立ち上がった。

声がした。

「吉岡君。」

振り返ると加奈恵だった。

「加奈恵!無事だったか?そっちは。」

「倒したわ。青龍槍部隊も体調もほろんだ。あとはあいつだけよ。」

「わかった。あいつは首を切らないと死なない!だけど生きた状態で生かさなければならない。」

加奈恵は言った。

「なら浄化するのみ。私も手伝う。」

「わかった。策はあるのか。」

吉岡は尋ねた。

「あるわ。私に獣化術を唱え、私の剣に浄化術を流し込みあいつの首からあふれている呪詛を食い止める。そうすればほかのところからあふれ出ている呪詛も消え、彼女は戦えなくなるわ。それとあなたが術を唱えている間に私は時間稼ぎであいつを切っていく。結界はりながら。長くはもたないけどいけるわ。私とあなたなら。どうする?」

吉岡は言った。

「やるにきまっているだろう。いくぞ!加奈恵!」

吉岡は剣を抜いた。

「うん。」

「無駄よ。作戦しても何人増えようと同じことよ。食らえ。食い尽くせ闇の牙狂い裂き!」

中本の放った闇が加奈恵に襲い掛かった。

「させない!槍術発動。ロンドソード連弾!」

加奈恵は槍で中本の力と中本の体を切っていった。

「くっ」

一方、吉岡は加奈恵の後ろで浄化術を唱えた。


【浄化術】

「いにしえの光の力よ。邪悪な闇を吹き飛ばし、光となり心も体も癒したまえ。ハルレラソード!」

吉岡が唱えた術は加奈恵の体と槍に流れ込んだ。

「術を融合しても聞かないわ。食らえ!闇の波動。」

波動の力を中本は加奈恵にかけようとした。

「いまだ!加奈恵。」

バン

加奈恵は闇の波動を跳ね返した。

「馬鹿な!こんなことって。」

「術なんて聞かない。食らえ。浄化の剣を。ライトアイネクラインロンドライトソード!」

加奈恵と吉岡が放った浄化の剣は中本の波動の力、闇魔法を消し、彼女の体を突き刺した。その瞬間、彼女の体は浄化され、心も浄化された。

「あっ体が苦しい。助けて…友也様」

バタン

中本は倒れた。だが意識はあった。

「私生きている。なぜあなたたちは、私を殺さないの?」

加奈恵は言った。

「生徒だから。あなたの体を浄化して生かした。けどあなたは卒業後死ぬ。たった卒業できるだけの命があるだけありがたいと思いなさい。」

吉岡は言った。

「命は大事だ。お前を光天国に連れていく。いいな。」

中本は頷いた。

「加奈恵。お前はどうする?」

吉岡は尋ねた。

「私は鈴と浩之を助けに行く。あなたは先に彼女を連れて、光天家に行って。」

「わかった。じゃあまた城で会おう。」

「うん。」

彼は戦乱終了の花火をあげ、光天国に帰還した。

加奈恵は鈴たちのもとに向かった。一方、五月たちも終盤の戦いを迎えようとしていた。


【第十六章】 蒼天戦争②


あらすじ

青龍家と光天軍は互いに弓を打ち合った。

バン

「我が弓隊は貴様らの予防には答えられぬ。貴様らはここで朽ち果てるがよい。放て!」

バッバッバッ。

弓部隊は互いの弓の交戦が続いた。

「きりがない。なら破邪の矢ライトオール!」

光天軍は光の術を矢に解き放った。光天軍はその矢を青龍弓軍に放った。

バン

「新技か。ならこちらも新技でたたいてやる。食らえ。青き炎の矢、青龍誠也コルネッター」

青龍家弓軍は青龍の力を矢に解き放った。互いの軍の矢が放たれた。だが矢の力は光天が上手だった。

バン

「なに。この弓軍が負けるなんて。あー」

青龍弓部隊は光天の弓軍により滅んだ。一方、邨瀬とリューズの戦乱は続いていた。

「兵が崩壊しようと私は無敵だ。食らえ。古の矢の力ダークアール!」

闇の矢が邨瀬を襲い掛かった。

「先生を襲うとは最低な騎士だな。防衛術発動!アルラ!」

邨瀬先生は防衛結界を張った。闇の矢の攻撃を防いだ。だが先生の戦いはこれで終わりではなかった。

「まだだ。受けてみろ!先生の力を波動の十二挿花球蓮人!」

バン

邨瀬は光の玉術を解き放った。その力はリューズに襲い掛かった。

「やるな。だがブルーエルソード!」

闇剣で光の球を切り裂いた

「やるな。なら光連ソルア!」

光の槍で切り裂こうとした。

「なかなかの強さだ。だが防壁結界発動!ダーク!」

闇の結果で槍の攻撃を防ごうとした。だが力は、邨瀬の力のほうが上手であった。

「なに?この私が切られるなんて。あー。申し訳ありません。友也様!」

リューズ邨瀬の前で命を落とした。

一方、五月はマリアとの一騎打ちに決着を迎えようとした。

バンバン

「やるわね。五月。ならこれで終わりよ。食らえ。弓の光を青龍ブルーエイト!」

バン

マリアは青龍の光の矢を解き放った。

「ならこれはどう。光天秘伝術破邪の矢!」

バン

弓の真の力のぶつけ合いが始まった。

しかし、弓の力は五月が上だった。

バン

「なに。あー」

マリアの弓は五月の弓の力により壊された。そして彼女の心も変えた。

「あなたの勝ちね。あなたの力は強い。それに私の力と相性もある。私は兵も失った。彼についていっても無意味。あなたと共に友也様と光天さまの蒼天乃世界を作るわ。罪を償い。どうかこの命を助けください。」

五月は弓をおろして、言った。

「わかりました。では共に光天国に参りましょう。」

「はい。」

邨瀬は五月に駆け寄った。

「五月。けがはないか?」

「ないです。先生も無事でよかった。兵は?」

「青龍弓軍は死んだ。リューズも倒した。あとは松茂を倒すだけになる。」

「わかりました。松茂はいま拓也と交戦しています。私が援護に行くので先生はマリアを光天王妃のもとに連れて行ってください。」

邨瀬は言った。

「それは五月がしろ。先生は拓也という青年を援護する。生徒を守るのが先生の仕事だ。いいな。」

五月は頷き、戦乱終了の花火をあげ、光天国にむかった。

邨瀬先生は拓也のいる場所にむかあった。

一方、魔法部隊も青龍魔法部隊との交戦の幕を終えようとしていた。



【第十七章】 魔法戦争の終わり


あらすじ

弓部隊の交戦が終えた中、光天、青龍家の魔法の戦いが決着を迎えようとしていた。

「ファイアフォールアクア!」

「ファイアエールダーク。」

闇の炎の魔法軍と光の魔法軍が魔術とのぶつけ合いをはじめた。だが魔力は光軍が上手だった。

シュー

「なに?この青龍魔法軍が敗れるなんて。わー」

青龍家魔法部隊は灰となった。一方、志緒と望田、鈴原は島原と交戦していた。

「いにしえの光よ。汝にこたえかのものを打ち落とせ!ライトネス!」

志緒は光を島原に解き放った。

「させぬ。ダークオルソード!」

志緒が放った光は無効化され、志緒に跳ね返ってきた。

「先生に任せよ。食らえ!防壁。イルゼレーション!」

黒く染まった志緒の術は浄化され、消えた。

「ならこれはどうだ。食らえ。閃光の闇青龍ダービデ!」

闇が鈴原、志緒に襲い掛かった。

「させない。これで終わりだ。グレイトエイソライト!」

バン

望田が放った光の剣の力は闇を切り裂き、島原を切り裂いた。

「あー。なにかが壊れる あー」

バタン

島原はその場に倒れこんだ。

「どれくらい眠っていたのかな。」と

思いながら島原は目を覚ました。

「私…いったい。」

「気が付いたか?島原。お前は俺ら術により体が浄化された。

闇の力もなくなった。もう戦えない体なんだよ。」

「先生。」

鈴原は言った。

「島原。お前はまだ生徒だ。卒業まで生かすが卒業式後君は死ぬ。だが命は卒業式まで無駄にするな。安心しろ。お前を光天城に連れ出すが処刑をしないように女王に交渉する。卒業できるまでな。よいな。島原由利。」

「…はい。」

先生は頷いた。

「先生。私は加奈恵の援護に行ってもいいですか?」

「俺も。」

先生は言った。

「ああ。望田。志緒。鈴たちを頼んだよ。先生は生徒を光天城に連れていかないといけないからな。」

「はい。」

望田と志緒は鈴、吉岡がいる場所に向かった。一方、グリア軍と精森軍の決着はつこうとしていた。

バン

「くっ。まずい。こいつ前回の戦った時より相当鍛えている、魔力も強化している。ならこれはどうだ。聖者の力シャドウライトソード!」

グリアは闇の剣の力を解き放った。

バンバン

「やるな。だが甘い。食らえ!光の魔剣ライトグアラ!」

精森が放った光の剣は魔の力を打ち砕いた。

「馬鹿なこの割れの力を打ち砕くとは。ありえない。なぜだ。わー」

グリアは精森の剣の力により、灰となり消えた。

「隊長!隊長がやられた。あ奴が殺した。あ奴を打ち落とすぞ。おー」

青龍軍は隊長の仇を取るため精森に立ち向かおうとした。精森は敵兵に剣を向け言った。

「退け!青龍軍よ。隊長が死んでもまだ鈴を殺す気か。夢のためにあがくのか。命を無駄にするやつは、グリアは望まんぞ。」

「くっ。隊長のために撤退する。」

敵兵は涙を流し、青龍家へと撤退した。

この勝利によって精森は光天城の領地を守り抜き、光天国に帰還した。一方、浩之、鈴はクラインとの戦闘に苦戦していた。

バンバン

「どうした。青年。もう弱ったか。」

「まだだ。食らえ。ライトハートソード!」

浩之は光の術でクラインの剣を跳ね返そうとした。

「なかなかやるではないか。ならこれはどうだ。食らえ!音乃力ソンダークソード!」

クラインが放った剣の力は闇の音を放ちながら浩之の剣を切り裂こうとした。

「これで終わりだ。青年!」

「させない。裁き乃澪音!」

鈴が放った殺戮の花乃力は花の音色を解き放った。その瞬間、闇の剣の力が消えた。

「助かった。」

「うん。けどあいつの体変だわ。」

「なに。」

「彼の体攻撃するたびに変化しているの。傷もすぐ回復しているみたいだし。」

「なんだって。」

浩之は彼の体を見た。鈴の言う通り彼の体は変化していた。

「そんな俺の攻撃も鈴の攻撃も聞かないというのか。いったいどうすればいい。」

鈴は言った。

「ひとつ言い手があるわ。融合攻撃よ。私の力と浩之君の力を合わせるの。そうすれば少しは奴の体の力を弱め、奴を倒すことができるかもしれない。うまくいくかわからないけど。万が一の場合はここを逃げる手段しかない。どうする?」

「やろう。」

二人は立ち上がる剣を握った。

クラインは言った。

「いまさら気付いても遅い。食らえ!精光蓮華結晶ソード!」

氷の力が宿った闇剣が、浩之たちに、襲いかかろうとした。

「いくよ。浩之君。」

「うん。」

鈴は術を唱えた。



【術式】

「いにしえの花乃光よ。汝にしたがいいにしえの花の力を解き放てフラワー高覧!」

花乃力が解き放ち浩之を包み込んだ。

「いまよ。浩之君。」

「おう。食らえ。フラワーライトソードオブジェクト高覧!」

浩之たちが解き放った力はクラインが放った力とぶつかった。

バン

「無駄なことを。だがその力は私には通用せん。くらえ!ダークセイテイスソード!」

浩之たちが放った力は闇の力に押され、切り裂かれた。

「終わりだ!はー」

「くっ」

「どうすれば。ダメだ。」

二人が追い詰められた。

「大丈夫よ、鈴。私たちに任せて。」

「この声は加奈恵…」

「いくよ。槍の力発動!ブレイブソード!」

「いくぜ。混沌乃牙烈婦ライトソード!」

吉岡と加奈恵の放った剣と槍の力はクラインの力に命中した。

「いまだ。拓也!」

「おう。いくぜ!葉所の矢閃光オウジェクト!」

シュー

拓也が放った矢はクラインの体に命中した。その瞬間、クラインの体に解き放たれた。

闇が消えていった。

「あーこの青年共!許さんぞ。食らえ!ソードレトレステイーダーク。」

クラインは闇乃レイディス竜の力を解き放った。

「あれ死なないのか。志緒、望田、五月いまだ。」

「おう。食らえ!俺の力を。氷の氷柱。」望田が放った氷の力はクラインを包み込んだ。

「効かぬ!」

バン

クラインは氷を浄化した。

「やるわね。だがこれで終わりじゃないわ。食らえ。私と五月の力を。五月行くわよ。」

「うん。」

五月は矢を花あった。志緒は術を唱えた。


【術式】

「炎の光の魔法よ。汝に答えいにしえの光を解き放て。ファイアライト!」

志緒は炎の光を解き放った。志緒が放った魔法は五月が放った矢と融合した。融合した矢は、クラインの体に貫通し、浄化した。

「あー。」

クラインの力は体から消え、体も崩れかけた。

「今よ。鈴、吉岡君!」

「おう。鈴こい!」

「うん。」

鈴は吉岡のそばに来た。

「行くよ。鈴。愛乃契約術発動!いにしえの花乃光の姫鈴よ!汝と契約しいにしえの力を解き放て!フラワー」

バン

鈴は竜の形をした二刀剣に変化した。

「いくぜ。これで。」

「これで」

「終わりよ!」

「ライト光風フラワーソード!」

二刀剣は彼を切り裂いた。

「馬鹿なこの私がここでやられるなんて。あー」

クラインは、体は切り裂かれ、跡形もなく死んだ。

「やったか。」

「ああ。」

拓也と浩之は手を握った。

「鈴!よかった。」

五月は鈴を抱きしめた。

「お姉ちゃん。心配してきてくれたの?ありがとう。」

「当り前じゃない。姉妹でしょ。それに鈴は大切な妹だから。」

「お姉ちゃん…そうね。来てくれてありがとう。」

「うん。」

五月は妹の笑顔を見て笑った。

志緒と望田は鈴と五月のもとに歩いてきた。

「まったく世話がかかる親友ね。少しは頼りなさいよ。そう思わない望田さん。」

「そうだな。鈴はいいつも無茶をするからな。少しは友達や幼馴染を頼れよ。」

「ごめん。今度は頼る。」

望田は頷いた。加奈恵は鈴のそばに来た。

「鈴。私たちは先生と合流するようになっているけど鈴はどうする?」

「吉岡君と用事がある。お父様のもとに行く用事。」

「そう。」

吉岡は言った。

「鈴。その用事だが俺と浩之で行く。望田は鈴と共に先生と合流してくれ。鈴のお姉さんも。」

「わかりました。鈴行こう。」

鈴は涙を流して彼に抱き着いた。

ガサ

「鈴。どうした。」

「行かない。私は吉岡君のそばにいる。一緒についていく。お父様のもとに。」

「鈴…」

「だって消えてしまうかもしれない。もしかしたら東京に黙って消えてもどってこないかもしれない。そうなった私…」

「鈴!」

彼は振り返り彼女を抱きしめた。

「吉岡君…」

「行かないよ。卒業するまで。そばにいる。安心しろ。必ず迎えに行く。だから集合場所で待っていてくれ。約束だ。」

彼は鈴にキスをした。

鈴は頷いた。

「お前!」

浩之は剣を向けた。

「俺に剣を向けるなよ。俺は鈴が好きだが、友達として好きなだけだ。」

「お前が何をするかわからない。」

「そうだな。浩之。だが鈴は誰とも結婚しないと思う。」

浩之は尋ねた。

「根拠はなんだ!」

「鈴の気持ちだ。」

「お前は何をするかわからない。」

「そうだな。だが俺が戻るまで鈴に触れるなよ、」

「そういわれてもわかるか。俺も男だ。お前についていく。」

「好きにしろ。」

浩之と吉岡は光天のいる坂の方へ移動した。

「さあ私たちも行きましょう。」

「うん。」

鈴と五月たちは先生たちがいる場所に向かった。


【第十八章】 友也と光天の決着


あらすじ

各部隊の戦争が終えている中、友也と光天の戦いは続いていた。

「くたばれ!光天!青龍レイトソード!」

「俺は倒れない。お前を助けるためだ。ライトライソード!」

バン

「くっ。どうしてだ。お前はなぜ俺を助けに来た。俺とお前の夢は同じだが違う。描く蒼天乃夢が。わかっているのか。光天!」

光天は言った。

「わかっている。だから君を救いに来たのだ。」

「なんだって?」

「俺は友也。王でもありそなたの友でもある。確かにお前とは世界が違う。描く夢の。けど共に築きたいのだ。同じ夢を。」

「うるさい。お前に何がわかる。俺は孤独だ。俺の家族は、平和な暮らしをしていたが父の態度により崩れた。家族はばらばらになった。俺の双子の弟も母とともに消えた。子供のころも生活は孤独でひどいありさまだ。虐待され、心も折れ、人生もめちゃくちゃになった。それを変えようと思い、家族から離れ、国を築き、王になった。

そんな俺の気持ちがお前にわかるものか。わからない王は夢を叶える資格などない。お前にはここで消えてもらう。兵どもいまこそ光天王冠部隊を光天ともに我と力合わせ破壊せよ。いくぞ。お前ら。」

バンバン

「食らえ。我が兵、我が友也の青龍闇の力を。ダーク青龍ソード」

光天と兵は剣を握り、走り出した。

「わー」

「遅い光天!」

「くっ。」

その時、吉岡、浩之が到着した。そして、剣を握り、光天の横に背中を並べた。

「王様。遅くなりました。こちらは片付いたので援護します。」

「よくきた。俺が奴を止めるから、援護を頼む。浩之は兵の援護を。吉岡殿は私の援護を頼む。」

「了解。」

「いくぞ。ライトソード!」

「自動契約発動!花乃光!レイフラワー!ソード。」

吉岡と光天の力は友也に襲い掛かった。その瞬間、友也が放った青龍の力が敗れ、友也の剣はおれた。

彼は青ざめ、しゃがみこんだ。

「私の力がなぜ敗れた。なぜだ。」

友也は悔しさのあまり涙を流した。

光天は友也のそばによった。

「友也…今回は俺の勝ちだ。お前はこれからどうするきだ。」

友也は言った。

「お前の勝利は認める。けどお前と俺の夢は考えてあげてもいい。一緒に叶えることを。けどすぐには返事出来ない。少し時間をくれないか。もしかしたらこの先もまたお前とぶつかる可能性があるかもしれないから。だめか?」

光天は言った。

「構わない。お前がまた孤独になり俺と戦う時がまたきたらその時は止めてあげるよ。」

「ありがとう。光天。」

光天は頷いた。

一方、浩之と光天軍は青龍軍と戦いに決着がつこうとしていた。

バンバン

「食らえ!青龍ダークワルトソード!」

「これで貴様らは終わりだ!食らえ!光花道花ソード!」

互いの剣のぶつかりが続いた。しかし、力は浩之たちが上手だった。青龍兵の剣は浩之たちの力に折れた。彼らの剣の力も破壊された。

「これが奴らの力か。」

兵士たちは唖然とした。その光景をみた友也は言った。

「兵ども蒼天戦争は終わりだ。我らは次の蒼天戦争に向け、次の策を練るため帰還する。いくぞ!兵ども。」

「はー」

「光天。そなたの戦いは見事だ。だが次は私が勝つ。また会おう光天!」

「ああ。」

友也は頷き、兵を率い、東京へと帰還した。

「さあ参ろう。浩之、吉岡、そして我が兵ども。」

「はー」

吉岡は言った。

「王様。俺は鈴のもとに行ってもよろしいでしょうか?」

「構わない。」

「では行ってまいります。浩之王様をお願いします。」

「わかった。王様参りましょう。」

光天は頷いた。

光天は浩之と兵を連れ光天城に帰還した。一方、吉岡は鈴のもとに向かった。

全ての戦争が幕を終えた。


【第十九章】 平和と卒業


あらすじ

平成二年四月二十日、桜が咲く頃、光天国に二人目の姫が生まれた。

姫の名は鈴と名付けられた。

しかし、鈴は光天国、青龍家の戦いに巻き込まれ、青龍家の国王、斎藤友也により、呪詛をかえられる。鈴の父、光天は鈴とかつて同じ夢を描き続けていた友、友也を救うため、青龍家に立ち向かう。

月日は流れ、鈴は中学生になる幼馴染浩之たちと共に、父、青龍家友也を救うため。第二蒼天戦争に参加する。鈴は青龍軍を撃破するが。目の前で光天と友也の戦いを目撃する。

だが父、光天は友也と戦乱を繰り広げるが友也の青龍の力により敗れる。意識朦朧の中、光天は浩之に光天を継ぎ、鈴を守るよう伝え、命を立つ。父を失い、平和の道を築いた鈴は中学の学園生活を終える。高校生になり、新しい学園生活を始める鈴。

そんな中、王になった浩之は青龍家に怪しげな動きがあることに気付く。浩之は急遽、光天国を復活させることに成功する。復活を終えた光天は鈴を助けるように光天に命じられ、鈴のいる学校明陽高校に向かう。

一方、鈴の学校ではクラスメイト、中本軍の呪詛に生徒たちが次々に倒れる事件が多発する。その動きに気付いた鈴は親友加奈恵と共に立ち向かう。だが中本たちの力に苦戦するが、幼馴染の吉岡、拓也たちの援護により、学編の襲撃を食い止めることに成功した。四月過ぎ、光天、友也の再び、蒼天戦争の続きが幕をあける。青龍グリア軍と光天グリア軍の戦いが繰り広げられた。互いの軍の力は最初は互角であった。しかし、真の能力では精森軍が上手であった。

力の差により青龍家グリア軍は全滅する。隊長グリアも死去となった。一方、鈴の親友加奈恵は、光天槍部隊、鈴の側近兵、八森と共に青龍闇槍部隊と戦う。力は同じであった。だが突如現れた中本という呪詛使いの力により命を取られそうになった加奈恵であったが、吉岡という青年により命を救われる。

加奈恵は再び立ち上がり隊長ルイーズと槍の一騎打ちの戦いを繰り広げるが、槍の力は加奈恵の方が上手であった。

ルイーズは加奈恵の力により死去する。

一方、八森は兵と共に青龍槍部隊を壊滅させることに成功する。鈴の幼馴染、吉岡は中本と戦乱を繰り広げるが彼女の力を体ごと浄化することに成功する。勝利を終えた光天槍部隊は光天城に帰還した。その頃、弓部隊は邨瀬先生と軍の強さにより青龍弓軍は壊滅する。それを率いるマリア隊長は五月との弓の激突に挑むが五月の弓の力に押され、敗れる。一方、拓也は、松茂と魔力の戦いを繰り広げるが松茂は拓也の魔力の力により浄化され、戦えない状態に陥る。

勝利を終え、弓部隊は光天城に槍館とともに帰還した。鈴は浩之と援護に駆け付けた加奈恵たちと共にクラインを撃破することに成功する。

吉岡は鈴に「必ず帰る。」と約束をし、浩之と共に光天と友也が戦う場所に向かう。

友也は王冠を率い、光天に戦いに挑むが、光天の援護に来た浩之、吉岡、そして兵と光天の強さに敗れる。敗れた友也は苦しい涙を流し光天と「また夢のために戦おう」と交わし、青龍家がある東京へと帰還した。

それぞれ新たな平和な道が気付かれようとしていた。

いよいよ高校シリーズが幕をあける。


【平和と卒業】 

戦いを終えた鈴たちは先生のもとに集まった。

「鈴。加奈恵、望田、志緒さん。よく無事に戻ってきたな。」

「浦上先生。私たちは仲間と学校を守るためにしただけです。」

浦上先生は言った。

「それでもよく頑張りました。生徒もみな無事のようで何よりです。五月あなたも無事でよかった。卒業生として立派な働きでした。」

「ありがとうございます。私も妹と学校のために帰還しよかったです。」

浦上先生は頷いた。

鈴はあたりを見渡した。

鈴は拓也に尋ねた。

「浩之たちは?どこ?」

拓也は言った。

「もうじき来るから信じてまとう。」

鈴は笑って頷いた。

一方、光天城では八森と邨瀬、鈴原が女王と対面していた。

「初めまして。私は光天国女王光天春と申します。よろしく。そなたたちが仲間ですか?」

女王は尋ねた。

「はい。」

春は言った。

「あなたは鈴の担任の邨瀬治先生ね。五月が卒業するまでは五月の担任だったわね。娘がお世話になっています。それと鈴原先生は生徒の世界史の授業を教えているようね。いつもありがとう。」

先生たちは言った。

「いいえ。五月はとても素晴らしい生徒でした。卒業しても。鈴もしっかりしています。花道部ではいつもきれいな花を生けています。」

女王は頷いた。

八森はとらえた青龍の使い魔と弓菅を女王に差し出した。

「女王様。こちらが今回とらえた敵兵です。弓菅の隊長マリア、青龍家の呪詛隊島原、松茂と中本です。三人は鈴の高校の同級生であります。まだ学生です。先生方が生徒でもあるので卒業式まで生かす方向におられますがいかがいたしましょう。」

女王は言った。

「なるほどでは娘の意思に従い、彼女たちを生かします。死刑は卒業式を終了後の三月二十日に行います。なおマリアについてはこの光天城で罪を償いとして罪人弓隊として働いてもらいます。よろしいですね。八森。」

「はい。」

「では私たち先生方は失礼します。生徒たちのもとに戻らせていただきます。」

女王は頷いた。

先生たちは鈴たちのもとに帰還した。女王は八森に尋ねた。

「八森。あなたは五月をお迎えに参りなさい。学校まで。明日あなたには五月を兵庫の福﨑までお送りする任務があるので。よいですね。」

「わかりました。では行ってまいります。」

女王は頷いた。

八森は五月を迎えに高校に向かった。しばらくして王様が帰還した。

「春。ただいま。」

女王は王様の元気な姿を見て、立ち上がり、駆けよった。

「光天様。生きてくださったのですね。なぜ生きたのです?」

光天は女王を抱きしめ、言った。

「鈴の幼馴染の浩之という青年が私を生き返してくれた。だからここにいる。それに私は友也のために生きて彼を救わなければいけない。だから私はここにいる。」

女王は言った。

「そうね。あなたはまだ彼を救う力があるわ。もう一度二人で友也を救いましょう。

そして三人で夢の力を作りましょう。」

「ああ。」

三月十四日、明陽光高校で卒業式を迎えた。

鈴と加奈恵、望田、志緒たちは終戦卒業式を無事に終えた。鈴を殺そうとした中本たちも出席した。

「加奈恵。卒業おめでとう。私たち離れてしまうね。学校も。」

鈴は加奈恵の手を握り、言った。

加奈恵は鈴の手を握りしめ、鈴に告げた。鈴、私たち離れてもずっと友達よ。お互い。もしなにかあっても助け合いすればいいじゃない。これからもずっと。」

「うん。」

鈴と加奈恵は互いに笑った。その時、後ろから声がした。振り返ると志緒の姿だった。

「志緒!卒業おめでとう。皆無事に卒業できたね。」

「うん。加奈恵も。そうだこれから殺される中本たちがあなたに用があるみたい。」

鈴は志緒に尋ねた。

「私に?そいつらどこにいるの?」

志緒は言った。

「体育館の柱に縛られた状態でいるわ。」

「わかった。ありがとう。加奈恵行こう。」

「うん。」

鈴と加奈恵は罪人中本たちのいる体育館に向かった。

一方、八森は五月のもとに到着していた。

「五月様。お迎えに参りました。」

「早いのね。八森。私もう少しだけ、ここにいたかったな。」

五月はつぶやいた。桜を見ながら。

八森は言った。

「五月姫。あなたは妹を守るためこの地を去ったのではないですか?」

「そうね。忘れていたわ。さあ参りましょう。八森。望田さん。」

望田は頷いた。

望田と八森は五月を兵庫まで送り届けた。

「つきました。姫様。」

「ありがとう。二人とも。望田君だっけ。妹のことよろしくお願いします。」

「はい。」

望田と八森は五月を送り届け、岡山に帰還した。

一方、鈴たちは体育館で罪人中本たちと面談していた。

「ひどいありさま。卒業式を終えたらこの体育館に張り付けだもん。私はね。あなたみたいな視力が悪い人はこの学校にはいらないと思っていた。生まれつき呪詛を持った影響かもしれない。けど気に入らなかった。いつも笑っているから。いまでもにくいと思っているわ。」

松茂は言った。

「呪詛を持っているのになぜ平気なの。」

島原は尋ねた。

「なぜ生きようと思うの?」

鈴は言った。

「生きていると幸せになれるから。あんたたちにも幸せな人生があったのではないでしょうか。」

島原は涙を流して言った。

「そうね、私はもう少し考えて、自分を見つめていればこのようなことにならなくて済んだのかもしれません。青龍家に従っていなかったのかもしれない。すまない。」

鈴は言った。

「もう遅いでしょう。けどあなたたちの罪の許しはイエス様しかいない。イエス様はこの世の神、救い主の主であるお方です。もし罪を償いたければ祈りを捧げて天に罪の許しをこいなさい。」

「はい。」

「はい。」

鈴は頷いた。鈴は加奈恵と共に体育館を去った。

「鈴!なぜあんなことを言ったの?」

加奈恵は尋ねた。

「加奈恵。この世は神様が見ている。私の眼はね、生まれたとき呪詛に侵されたことが原因で以前の戦いのときに視力を失った。

姉も姉と私の呪いは姉がひどい。姉は大量の呪詛を浴び、私より見えない。けど神様がついている。私も…私の視力もいつか見えるようになる。

神様の導きにより。イエス様は私にその希望と救いの道を与えてくださった。だから私は生きていける。仲間と共に。彼女たちもそうだよ。きっと一度は死ぬ。けど神様に祈りを捧げ、死を直前に許しを請えばきっと救われ、別の人間として生まれ変わる。そして私たちのように幸せな人生を送れるの。私はそう信じている。加奈恵は?」

加奈恵は言った。

「私は鈴の言う通りだと思う。あんたが話していることはわからないけど鈴のいうことはいつか叶う。きっとね。」

「そうね。」

二人は仲良く手をつないで歩いた。その時、正面から声がした。

「お嬢様。」

八森と望田の姿だった。

「八森様。戻られたのですね。お姉ちゃんはどうしたの?」

八森は言った。

「大学に送り届けました。」

鈴は尋ねた。

「ありがとう。ところで女王からの報告はないの?」

八森は言った。

「あります。中本たちは卒業式を終えた後、処刑されることに決まりました。それとマリアについてですが牢獄で働きながら罪を償い、女王の弓兵として働かせることになりました。今まで持っていた能力を別の能力に変換された状態で。」

鈴は言った。

「わかった。もう下がっていいわ。八森色々ありがとう。もう下がっていいわ。」

八森は言った。

「では失礼します。お嬢様卒業おめでとうございます。」

「ありがとう。八森側近!」

八森は頷き、鈴のもとを去った。

望田は鈴に駆け寄った。

「鈴…お前強くなったね。」

「ありがとう。でも望田君。私たち離れるね。あなたはビジネス学園に行く。私は作陽。そうなればまた青龍家との戦いのとき、またこの世界は滅びるわ。私たちは四人そろってフレンドチームよ。」

望田は言った。

「鈴。その時は再開してまた戦えばいい。そして平和を作ればいい。俺たち友達だから。そうだろう。」

「俺も。」

拓也がやってきた。

「拓也君。」

拓也は言った。

「俺もまたいつかお前のもとに帰ってくる。そして平和のために共に戦う。」

鈴は頷き空を見上げ言った。

「そうね。私たちのめぐり逢いもこの戦いでまたつながれる。それが私たちの絆。また皆で会おう。この岡山で。」

拓也たちは頷いた。

一方、学校から離れた場所で戦闘が行われていた。

バン

晶樹と氷欄が戦闘を繰り広げていた。氷欄は青龍家の側近であり、光天兵を抹殺するため。調査班として出陣していたのだ。

「お前が使える国は負けた。お前も退くのだ。氷欄!」

「俺は退かない。お前を倒すまで帰ってくるなと言われている。

調べたところお前の使える国に貴様の名前はない。だがお前は警官軍に名前があった。貴様はいざという切り札。つもり王抹殺の兵士だ。違うか。」

「ああ。俺を調べるとは見事だな。だが鈴のところにも光天王のところにも行かせない。貴様はこの俺が倒す。はー食らえ!真光の剣ソード魔光!」

晶樹は魔術剣、光の術で氷欄を切り裂こうとした。

「やるな。だが私の剣には聞かぬ。食らえ!氷のソード!」

氷欄が放った氷の力は晶樹とぶつかった。

バンバン

互いの力がぶつかり合い、相打ちになった。

「馬鹿な。この俺まで死ぬとは…なぜだ。」

バタン

氷欄は大量に光をあび、死んだ。その瞬間、晶樹も倒れこんだ。

「くっ。貴様を倒して死ぬなら俺は怖くない。あいつさえ生きていればそれでいい。鈴お前は生きろ。俺の分まで幸せになってくれ。鈴」

晶樹は空を見上げ、目を閉じ、氷の力に包まれ、日の光を浴び、水になり、消えていった。

一方、鈴はそのことを感じ取っていった。

鈴の頬から涙が零れ落ちた。

鈴は涙を流しながら笑ってつぶやいた。

「晶樹君…天に行っちゃったね。」

声がした。振り返ると浩之と吉岡の姿だった。

「浩之君、吉岡君…おかえり。」

浩之は言った。

「ただいま。鈴なんか悲しい笑顔じゃないか。なんかあったのか?」

「晶樹君が死んだわ。」

吉岡は言った。

「なぜだ。」

「あいうちになって死んだ。敵とね。敵も死んだわ。こういうのはよくある。お父様も言っていた。」

「鈴…」

「もう皆死ぬ。私も浩之も吉岡君もそして拓也も望田君も。もう誰も残らない!これからもね。」

浩之は言った。

「違う。そんなことない。皆生きる。あいつはお前のいつも言っていた。俺の分まで生きてほしい。それは俺たちも同じだ。鈴!」

「浩之君…ありがとう。」

浩之は頷いた。

「私。晶樹君の分も浩之君たちと一緒に生きてみようと思う。生きようみんなで。」

浩之たちは頷いた。

そして、無事卒業式を迎えた。中本たちは卒業後、礼拝堂で祈りを捧げ、その後、学校のグランドで死刑にされた。

「加奈恵。卒業おめでとう。」

「鈴も。また卒業後会おうね。」

「うん。」

鈴は加奈恵と別れ、学校内を歩いていた。

「鈴。少し話さないか?」

吉岡君と再びあった。

「鈴。」

鈴は振り返った。

「吉岡君。帰ったと思ったよ。帰らなかったの?」

「ああ、東京に行く予定だったが光天に呼ばれた。鈴宛に伝言を預かっている。」

鈴は尋ねた。

「お父様から?」

吉岡は頷き、鈴に言った。

「光天がいうには青龍家国王は、これからも進軍を続けるようだ。この戦争は俺たちが大学生になっても続く。だが俺たちはばらばらになる。光天の考えは、ばらばらになった仲間と新たにできた仲間と力合わせ戦うことだ。そうすることにより、また平和が作れるということになる。それは大人になっても続くが、いまのような状況とは違い落ち着くらしい。だが落ち着くまでは戦いは続く。浩之と拓也と望田、加奈恵はこの戦争に参加する。俺たちを守るため一人で敵と立ち向かった晶樹の分まで俺たちは戦う。お前を守るために。お前はどうする。鈴」

鈴は空を見上げ言った。

「私も皆と同じ。戦う。終わらせるために。」

「ああ。じゃあ決まりだな。それと俺お前にいいたいことがある。鈴。お前の歌はすごくきれいだ、俺の母さんもほめていた。鈴はピアノも弾ける。すごいと思う。俺はそんな鈴大好きだ。けど俺はお前と一緒にはなれない。けど友達として好きでいたい。幼馴染だから。約束してくれ鈴。どんなことがあっても俺の傍を離れないことを。

 戦う時。そして俺が東京から帰還した時、あってほしい。いつか。俺が結婚してから。ピアノを通して俺を呼んでくれその時、お前が奴らに襲われかけたら俺が助ける。お前。必ず。それまで待っていてくれないか?約束する。」

鈴は振り返り言った。

「うん。ありがとう。吉岡君の思い私受け止めて待っているね。」

吉岡は鈴に近づき、言った。

「ありがとう。鈴…じゃあなにか約束の証をしよう。そうだな。俺ができる証はこれだ。鈴…」

ガサ

彼は鈴を抱きしめ、のどに目印のキスをした。

鈴は顔を赤くし、目を閉じ言った。

「吉岡君は浩之君と違い度胸あるね。すごくだいたん。けどそんなあなたが私は好き。叶わない恋でも。友達としてあなたを愛して待っているわ。ここでありがとう…守ってくれて。」

「ああ。」

「私もお返しするね。大好き。」

鈴は彼に喉の目印のキスをした。

「鈴。この約束は俺とお前の親友の証だ。だから誰にも言うな。

特に浩之と望田にはあいつらは嫉妬しやすい。わかったな。」

「わかったわ。」

「約束だ。」

鈴は頷き、吉岡と指切りした。

「行こう。新たな道へ。」

「うん。」

鈴たちの新たな蒼天乃道がはじまろうとしていた。一方、東京の平和を守る国、青龍家が再び、岡山に反乱を仕掛けの準備が行われていた。

「青龍家国王。友也。お前は何を躊躇している。」

「申し訳ありません。日理亜様。光天に脚止めを受け、進軍は失敗に生じたことこの友也。悔やんでいます。次の一線で必ず光天を殺し、軍も奪い、娘も奪い。

あなた様が望む世界を作ります。」

女王は言った。

「言い訳は結構。そなたは誰のおかげで王になれた。私だよ。孤独なお前を拾い、

お前を王にした。貴様の夢は親友光天と同じ夢を描いている。

蒼天場を築き、蒼天乃王になる夢だ。だが奴の理想と違いが生じ、一向に蒼天乃王になれてない。第一戦争のときは光天を殺し、蒼天を手に入れようとしたが娘の島圧ができず失敗したじゃないか。

そして第二粗点戦争は、あと一歩だったのに転生し、復活した光天に敗れたではないか。貴様は私の夫でもあるが王でもある。」

友也は女王に近づき、彼女の手に口づけをし、頭を下げ、言った。

「申し訳ありません。あなたに助けられたこと今でも感謝しています。ですが私にいまいちどチャンスをください。」

「そう。だが残念だわ。もうそなたにチャンスはない。」

バン

女王は友也の首を絞めた。

「あっ日理亜様。何を!苦しいです。」

「苦しいか。そうか。よかったわね。ならよく聞くがいい。私は貴様を動かしそなたの夢を叶えるのはやめた。そなた事使い、私がこの手で光天をつぶし、世界を手にし、お前を蒼天の王にしてあげる。さあ私の道具になれ友也。フラワー蒼天ダーク!」

友也は女王に放たれた闇の力により王の魔の青木十字架にはりつけにされた。

「あーやめろ!日理…」

青き炎の柱に張りつけにされた友也は深い眠りについた。その瞬間、友也は蒼天の力となった。

「蒼天の剣ができたわ。あなたには素質があった。よかったわね。友也。さあ。最後の戦いの始まりよ。」果たして力にされた友也の運命は鈴たちの夢、光天、友也の夢。どうなるか。そして女王との夢の取り合いの反乱がいま始まろうとしている。

光天国、青龍家の未来は!

運目の戦いが再び幕をあける。

続く

外伝光天と友也の日常。

友也は光天に救われ、光天家に来た。

友也は光天に第二王の職務を与えられ、幸せな日常を送っていた。

「おはよう。友也。気分はどうだ。」

「光天か。おはよう。縛られてる時より、ずーといいよ。それに君の娘にも感謝している。」

「どういうことだ。」

光天は友也に尋ねた。

「君の娘が助けてくれなかったら。僕は闇に侵され、死んでいたよ。改めて礼を言う。」

「ああ。友也。また共に時々、決闘をつけよう。女王を倒したら。」

「ああ。約束だ。光天。」

二人は互いに見つめあい、握手した。

空を見上げながら。

終わり次週大学編につづく





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電礫文庫蒼天乃王 つばき @tubaki0525

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