5色目
絵本と同じ、こころがある場所。つまり、心臓のところにあざがある。それに気が付き唖然としていると。
「えー!?クレアね、クレアね、おほしさまあるんだ」と胸の当たりを指差す。
「クレアも?」
つい、口にしてしまった。
焦ってわたわたしている私にクレアは気づくことなく。
「も?ってことはおねえさんもなの?」
「いや、ええと、まあ、うん」
誤魔化すことが出来ず、答えてしまう。
「すごーい!おそろい!」とクレアが声を張り上げる。
「もうちょっと静かに……」と窘めると、はーいと返事が返ってきた。
「ねえねえ、探そう?絵本にでてきたような子たちのこと」
「それは……どうして?というかそもそもどうやって探すの?」
「だって気になるから!どうやって?えー、わかんない。これから考える」
「ずいぶん無計画ね……」
幼稚園児の突拍子の無い発言に半ば呆れる。でも。
色欠けで胸の辺りに星がある。それが今、2人いる。マイノリティとマイノリティが重なるその確率は、どれくらいのものなのだろう。単なる偶然と思いたい私も居る。でも、そんな私がいる時点で答えは決まっているんじゃないだろうか。
「……探してみよっか。同じような子のこと」
「やったー!」
探して何になるわけでもない。でも、同じあざがある子に興味がないわけでもない。
それに、一つだけ。気になることがある。絵本には、流れ星が”10個”流れたとあった。些か具体的すぎないだろうか。もしかして、このあざを持っているのがもしかして10人ぴったり居る?なんて、まさかね。忘れましょ。
「今度、作戦会議でもしましょうか」
「さくせんかいぎ?」
クレアが首をかしげる。
「そう。喫茶店とかで。ああでも、流石にクレアを連れ回すのは良くないわよね……」
「んー、ママに遠く行って良いかきいてみるね」
「わかったわ。じゃあ、またね」
「またねー!」
クレアがぶんぶん手を振っている。思わずふふ、と声が漏れる。
普通の色欠けではないことはまだ言えないけれど。同じあざを持っている子たちを探すことで、私の運命が変わる予感がしたの。
色欠けたちの音色紀行~ある絵本を見つけたら運命が変わりました~ 柊莉音 @rinon
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