本題 努力を進化させよ!
(ここからは、前回の宿題をしているものとみなして話を進めます。やっていなかったり、出来ていない人はやってから読んでください)
さて、紙にあなたの努力は書けただろうか?
『毎日更新』
『異世界ファンタジーで一位になる』
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では、赤いマーカーを手に取ってほしい。
そして、その目標に思いっきりバツ印を書いてほしい。
もう一つの紙には「新しいことには失敗はない」と書いてほしい。
これを目立つ場所。
机の前や、冷蔵庫の扉……
目のつく場所に貼ってほしい。
今、あなたは、せっかく書いた目標や努力を否定されたと思い苦々しい思いかもしれない。
しかし、それらが人生や仕事を充実させる要素にはなりにくい。
例えば、『カクヨム』でも「何で書籍化されないんだろう?」みたいな作品は多くあるし、テレビや映画でも、いい役者なのに、ちょい役なんてことがある。
それは何故か?
前提条件ではあるが、それなりの常識や実力などがあることは必然としても、『目標の弊害』にとらわれているからだ。
『目標の弊害』とは意地でも目標を変えず、「自分は小説家になるんだ!」「自分は○○のジャンルで成功するんだ!」と目標がゴールになってしまい、夢が叶ったのに「自分の思っていた人生と違う!」と後悔するパターンだ。
『目標』は未来をある程度形にはしてくれるが、現実問題として、その通りに行くことは極々稀なことであることは皆さん重々承知のはずだ。
なのに、なぜか、目標を崇めるのはなぜ?
我らが作家業界を見ると最初から小説家を目指していた人間が意外と少ないことに気が付く。
例えば、SF作家の星新一は製薬会社の社長、イギリス児童文学作家でハリー・ポッターシリーズで有名なJ・A・ローリングは数学教師、私の好きな池波正太郎は東京都の職員、柴田錬三郎はりそな銀行の行員……
彼らは、目標を変えて『作家』として成功を収めた。
その中で彼らは試行錯誤を続けた。
実例は多い。
『いかに作品を面白くするか?』に新しい刺激を常に求めた。
映画を観たり、麻雀をしたり……
事実、私がいい例である。
私は自他ともに認めるホラー嫌いだ。
しかし、長年、私でも怖くないポップなホラーを書きたいと思っていた。
以前の私なら「現代ドラマ」などにこだわっていたが、書いて見たら予想外の反応に驚いた。
注意深く世の中を見ていれば、世の中は偶然で満ち満ちている。
あなたの『目標』という目隠しで、それらのチャンスを逃しているのだ。
なにも、小説にこだわることもない。
私のようにエッセーに挑戦するのもいいだろうし、仕事で商品説明をするときの笑いに変えるのだっていい。
ここまで書いても「でも、どうせ、そういう事が出来るのは環境が整っていて頭のできる奴じゃないと駄目だろ?」という意見もあるだろう。
では、ここでアメリカ企業・3Mの話をしよう。
様々なアイディア商品を作った会社であるライターが、そのアイディアを出すのには特別な会議や優秀な人材を知ろうとした。
が、当事者たちは逃げ回ったという。
「そんな恥ずかしいことを書かないで!」
仮に聞き出せても「偶然、薬剤を靴に落として」「ずっと昔の薬剤でこんなことをしたら『便利かなぁ?』と面白半分で……」と赤面で語る。
カッコいいことなんてない。
むしろ、恥ずかしいような偶然で出来ていることがほとんどだった。
『失敗することは恥ずかしい』と思っていれば、素晴らしい「偶然」は逃れてしまう。
二匹目のドジョウを狙い、同じ柳の下に釣竿を垂らしたところで同じドジョウが釣れるとは限らない。
ならば、別の場所に移動するか、餌を変えるしかない。
しかし、『目的』があると(あえて書きます)馬鹿な評論家やメディアの占いのごとき「ここで大きな獲物が出ました」のアナウンスで一極集中する。
未来なんて分からない。
だから、【常に新しいことを見つける】
コカ・コーラにしろ、チョコチップクッキーにしろ、ジーンズにしろ、予期せぬ出来事から新たな発見があった。
なにも、急に特別な目を持てとは言わない。
最初は新しいお菓子を買うだけでもいい。
そして、何より大事なのは「早めにする」ということ。
人の記憶は曖昧でボケやすい。
マンネリ化しやすい。
だから、思い立ったら早めの行動を薦める。
努力、とは、苦しい思いをして自己管理をして一つの道を究めることではない。
日々の生活の中で新しいものを見つけ、自分を更新し、試行錯誤することである。
努力を進化させよ! 隅田 天美 @sumida-amami
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