孤独な王子の前に現れた、蒼い瞳の奴隷剣士。


砂の王国ラザール。
異国の血を引く第二王子アイランは、冷たい王宮の中で孤独に生きてきた。ある日、そんな彼の心を揺さぶったもの。それは、闘技場で命を賭けて戦う"ザファル"という名の、蒼い瞳の奴隷剣士だった。

100試合勝てば解放される。そんな希望を砕くように、剣が折れた。素手と斧。勝負は決まったようなもの。しかし彼に"自由を諦める"という選択肢はなかった。
一方で、この試合がこうなるようにはじめから仕組まれていたことを知ったアイランは、兄に逆らう覚悟で奴隷剣士に向って剣を投げる。

孤独な王子と自由を求める奴隷剣士。
身分違いの恋。
この出会いは偶然か、それとも――――。


冒頭からふたりが惹かれ合っている、お互いに気になっている描写があるので、このふたりが結ばれるんだろうとわかるわけですが、性格も境遇も違うふたりですから、そう簡単にはいかないわけです。
アイランは心優しい王子で、真っ直ぐな性格。気が弱そうに見えて意外と行動力があり、こうと思ったら動いていたりするのが魅力的。
ザファルは第一印象はなんか怖そうなひと(個人的な印象ですが)でしたが、不器用ながらもアイランを守りたいという気持ちが溢れていて、そうなるまでの感情の動きがたまりません。

今作はBLファンタジー。
ふたりの距離が少しずつ縮まっていく過程がとても良くて、簡単にはくっつかないというじれじれ感もちょうどいいと思います。

ふたりがふたりなりのハッピーエンドを迎えるまで、追いたいと思います(*˘︶˘*).。.:*♡

オススメの作品です。
特にBLファンタジーが好きな方は、ぜひ読んでいただきたい気持ち。

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