超チートを付与されたはいいけど会話が通じなくて詰んだ件について

夕雲

超チートを付与されたはいいけど会話が通じなくて詰んだ件について

「知らない天井だ……」


 目が覚めたら知らない白い空間。

 とりあえず言ってみたかった事を言ってみる。


『お目覚めですか。迷える魂よ』


 どこからか声がした。


あなたは誰ですかW h o a r e y o u?」

私は神ですI ’ m G o d

おぅO h……」


 突拍子もないことを言われるも突拍子もない現状に遭遇しているため信じる他がない。


『あなたは死にました。You are dead』

「マジですか……」

『なのであなたを異世界へ送ろうと思います』

「待って唐突」

『サクサク進行が求められている昨今なのですよ。タイパって知ってるでしょう』

「説明責任を求めます」

『質問は現在受け付けておりません』

クソがよf ○ c k


 俺からの質問事項を無視して神とやらは話を続ける。


『異世界に行くあなたには超々スーパーハイパーウルトラデラックスマシマシ盛りのチート能力を授けてあげましょう。それを使って世界を救ってください』

「は?」

『具体的には……

 レベル∞身体能力∞攻撃力∞防御力∞スピード∞魔力∞状態異常無効全ての魔法習得済み全ての魔法レベルMAX全てのスキル習得済み全てのスキルレベルMAX時間操作可能空間操作可能因果律操作可能有機物生成可能無機物生成可能魔法生成可能スキル生成可能──』

「早い早い早い! 理解できない、読めない、目が滑るわこんなもん」

『まぁその世界を滅ぼせるくらいの力を授けました』

「さっき救って欲しいって言ってなかったか」

『じゃあ頑張ってください』

「は?」


 突如、俺の足元に穴が開く。


「嘘だろ?」


 心地よい浮遊感もつかの間、そのまま俺は穴へと落下していった。

 それはさながらバラエティ番組のようだった──。






「ぐぁっ!」


 痛い……いや痛くない。

 結構な高所から森に落下したがダメージは全くなかった。

 これがチート能力の一角か……。

 なんか色々神は言ってたけど1割も覚えてない。

 使える能力は試していこうかな……なんてことを考えていると。




 ガサガサ




 茂みを分ける音がして、そこから現れたのは1人の少女だった。


「この世界の子か……!」


 良かった。現地の人に話を聞こう。世界を救えといわれても世界の状況すら掴めないんじゃ話にならないからな。


「繧「繝翫ち縺ッ隱ー?溘∪縺」縺上m縺上m縺吶¢?」

「は?」


 この子なんて言った?

 聞き取れない言葉を話したような……。


「繧上◆縺励す繝ァ繧ヲ繧ク繝ァ縲」




 …………。なるほどね。


 言語が違うー! 終わったー! 詰んだー!

 マジで何言ってるかわかんねー!

 そこら辺しっかりしてくれ神様ー!


「あー、一応俺異世界人なんだけど? なんかこの世界救えって言われてー」

「菴輔>縺」縺ヲ繧薙□縺薙>縺、」


 …………。


「オレ、コノセカイ、スクウ、ドウスレバイイ、オシエテ」


 なんとか身振り手振りを繰り返し、伝えようと試みるが……。


「繝峨Φ繧ュ繝シ縺ョ荳九い繝費スー繝ォ縺ソ縺溘>縺ェ蜍輔″縺ュ」


 少女はケタケタと笑うばかりだった。

 涙が出てくる……神よ……バベルの塔をなぜ立てたのか。




「縺翫↓繝シ縺輔s繧ェ繝「繧キ繝ュ繧、縺ュ縲よ搗縺ォ譚・縺ヲ縺サ縺励>縺ェ」


 少女はひとしきり笑った後、俺の手を取って走り出した。


「待って。見ず知らずの言語が通じない子に引っ張られるの超怖い!」


 まさか、魔女の鍋に入れられて煮られて食べられたり……。

 いや、何かの生贄にされるなんてこともありえるぞ……!


 そんな恐怖に慄いていると、森をぬけて小さな村に出た。

 村の人たちは俺たち……いや、俺をみると集まって来て。


「繧「繝翫ち縺ッ隱ー?溘∪縺」縺上m縺上m縺吶¢?」

「縺ゅi縺√う繧、縺翫→縺薙♂」

「繝舌け繧キ繝シ繧キ繝舌け繧キ繝シ繧キ」

「逡ー荳也阜莠コ蛻昴a縺ヲ隕九◆」

「縺ゥ縺上す繝」縺輔∪窶ヲ窶ヲ雋エ讒倩ェュ繧薙〒繧、繧九↑!」


 次々と訳の分からない言葉を投げつけられる。

 たとえ聖徳太子であってもこれはもう匙を投げる以外ないだろう。

 言語の壁というのはこうも高く辛いものか……。

 スキルとか魔法とか沢山あるのなら言語をどうにかする方法もないのかなぁ……。


 言葉の波に押されながら嘆いていると……


「遨コ縺梧囓縺上↑縺」繧ソ!」


 空が突如として暗くなり、文字通りの暗雲が立ち込める。


 さらにその向こうからはバサバサと大きな音を立てて悪魔のような姿をした者がやってくる。


「縺ゅl縺ッ窶ヲ窶ヲ!」

「鬲皮視蝗帛、ゥ邇九′1莠コ窶ヲ窶ヲ繧ォ繝槭そ繝シ窶ヲ窶ヲ」

「縺翫o縺」繧ソ窶ヲ窶ヲ菴輔b縺九b」


 その姿を見て、絶望している様子の人、諦めた様子の人が次々と出てくる。


 悪魔は村に降り立つと村人達を指差して叫ぶ。


「繧ー繝ッ繝上ワ繝上ワ!謌代′蜷阪ワ繧ォ繝槭そ繝シ!縺雁燕縺溘■蜈ィ蜩。鬲皮視讒倥?繧、繧ア繝九お縺励※縺上l繧九o!」


 それを聞いた人々は恐怖におののき、涙を流すものや、子供を必死で隠そうとする親らしき人や、命乞いらしき行動をするものが大勢いた。

 おそらく地獄絵図……これ以上ないくらいの絶望なのだろう……。

 なのだろうが……。


「テンションについていけねぇ〜!」


 思わず叫んでしまった。

 訳の分からない存在が訳の分からない言語で喋っていたところで全く俺には絶望感も悲壮感も味わえない……。

 ここまで疎外感を感じたのは生まれて初めてだ。(もう死んだけど)


 しかし、そんな思いは通じないようで……俺が叫んだ後辺りは静寂に包まれ、全ての目線が俺の方へと向かっていた。


「……俺、何かやっちゃいました?」


(推定)悪役の悪魔が口を開く。


「縺ェ繧薙□縺雁燕縺ッ縲ゅ%縺ョ繧ォ繝槭そ繝シ縺梧ー玲戟縺。繧医¥隧ア縺励※繧、繧ソ縺ィ繧、繧ヲ繝弱↓驕ョ繧九→縺ッ窶ヲ窶ヲ繧医°繧阪≧縲√∪縺夊イエ讒倥°繧峨う繧ア繝九お縺ォ縺励※繧阪≧!」


 悪魔の癖に、鬼のような形相を浮かべながら悪魔は怒り俺の方へとその鋭い爪を向けて襲いかかってきた。


「繧ー繝ッ繝上ワ繝上ワ!謌代′辷ェ縺ッ繝「繝シ繧ケ遑ャ蠎ヲ11!縺ゅヮ繝?繧、繝、繝「繝ウ繝峨↓縺吶i蛯キ繧偵▽縺代l繧狗。ャ蠎ヲ繝ィ!隱ー1莠コ縺ィ縺励※縺薙ヮ辷ェ縺ォ蛯キ繧偵▽縺代◆繧ゅヮ縺ッ繧、繝翫う!」


「あーもう、頼むから俺にもわかる言葉で喋ってくれぇ!」


「繧ー繝ッ繧「繧「繧「繧「繧「繧「繧「!」


 襲いかかってきた爪を思わず手で払うと、悪魔は爪諸共消し飛んでしまった。


「あっヤべッそんなつもりじゃ……」


 悪魔が消し飛ぶと同時に空は晴れていく。

 俺が思わず周囲を見渡すと……


「繧ヲ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ繧ェ!」

「縺ゅヮ繧ォ繝槭そ繝シ繧偵◆縺翫@繧ソ!」

「縺吶▲縺費スー繧、!繧ュ繝溷菅縺ッ繝ヲ繧ヲ繧キ繝」縺ョ繝輔Ξ繝ウ繧コ縺ェ繧薙□縺ュ」

「縺ア窶ヲ窶ヲ繝代Ρ繝シ縺碁&繧、縺吶℃繝ォ!」

「豬∫浹縺ッ菫コ縺瑚ヲ玖セシ繧薙□逕キ窶ヲ窶ヲ」


 口々に村の人々に笑顔が戻っていく。

 どうやらあの悪魔を倒してしまってよかったようだ。


「縺ゅ↑縺溘r遘ー縺医∪縺励g繧ヲ窶ヲ窶ヲ縺輔≠莉雁、懊ワ縺薙ヮ譚代〒莨代s縺ァ譏ィ譎ゥ縺ッ縺頑・ス縺励∩縺ァ縺励◆縺ュ縺ィ繧、繧上○縺ヲ縺上□縺輔>」


 村長らしき人が出てきて、何やら俺に話しかける。

 俺を連れきた少女が手を引いて民家の一つへと案内してくれる。

 どうやら今日はここで寝泊まりしていいようだ……。


「あー…………」


 悪魔が来たことよりも、村人と話していたほうが体力を消耗したような気がする。

 この世界を救うためにチート能力を色々貰ったが……これからどうしていけばいいのだろう。


 こうして俺の言葉が通じない異世界生活が幕を開けた。





 〜〜〜続く(続かない)〜〜〜






 〜〜〜〜〜〜ある城の部屋で〜〜〜〜〜〜


「繧ォ繝槭そ繝シ縺後d繧峨l縺溘°窶ヲ窶ヲ」


「繧ォ繝槭そ繝シ縺ッ蝗帛、ゥ邇九ヮ荳ュ縺ァ繧よ怙蠑ア窶ヲ窶ヲ」


「莠コ髢薙↓縺セ縺代k縺ィ縺ッ鬲疲酪縺ョ髱「豎壹@繝ィ窶ヲ窶ヲ」


 不敵に笑う3体の悪魔の姿がそこにはあった…………。










「繧上*繧上*鄙サ險ウ縺励※縺上l縺ヲ繧「繝ェ繧ャ繝医え!」

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超チートを付与されたはいいけど会話が通じなくて詰んだ件について 夕雲 @yugumo___

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