「どんな話がいい?」

コンラン

「どんな話がいい?」

 「どんな話がいい?」


君に聞いた。


 「うーんわからないけどあなたの好きな話でいいと思う。」


僕はうーんと考えながら答える。


 「じゃあこんな話はどう?」






 海辺の町に、クジラが座礁した、相当衰弱していて、町の人は、みんな心配してる。


テレビ局の取材が来たりして、テレビ見た人が、興味本位で町にきたりして、みんなそんな人たちに眉をひそめてた。


まあでも、多少、町で商売する人たちは、潤ってたのであんまり問題にならなかったんだ。


 でもある動画サイトの動画投稿者が、自分のチャンネルの視聴者数を上げるために、クジラにいたずらした。


まあスプレーで、クジラの頭に、落書きしたんだな。


 そのことが原因かはわからないけど、クジラは、死んじゃった。


そのことで、町人は怒った。けどみんな特に何もしなかった。


 しかし、その落書きをした動画投稿者は、ネットで大炎上して、チャンネル閉鎖までおいこまれた。


 まあ自業自得だよね。


因果応報なのに動画投稿者は、怒りのはけ口に、この海辺の町を選んだ。


 「なんていうか自分が悪いのに、八つ当たりする子供ってかんじね。」


君は冷淡な冷たい声で言った。


 「そうだね。こどもだよね。でも人間ってのは理屈じゃないんだ。」


ぼくは、続きを話し始めた。


 まず、その動画投稿者は、何をしたと思う?

 「そうね......子供だから、落書き?」


僕は目を見開いて驚いた。


 「さすがだね、するどいね、でも君も小さい頃、よく自分の家の壁に落書きするのすきだったけどね。」


 「うーん、短絡的な人物だなとおもって、私、落書きなんてしたかしら?」


 「あれ?おぼえてないかな?昔よく家中を落書きだらけにしてたよ、

血は争えないね。」


 「そうかしら??」

 

 ぼくは無視して、続きを話しだした。


 「そう正解は、君の言うとおり、町中に落書きをしたんだ。」


 「動画投稿者の名前つけないとね、動画投稿者って毎回言うの長いから、うーんと、

チャイルドのCからとって、これからCさんっていうね。」


 Cさんは、君のいうとおり、短絡的で、とてもなんていうか、君の言葉を借りると

子供だったんだ。精神年齢が低かったんだねきっと。


 でも頭はまわったんだ、悪ガキってかんじかな、うーんちょっとちがうか、

まあなんていうか、自分は手をくださなかったんだ。


自分がやればすぐばれるかもって思って、人を雇って落書きさせた、しかも足がつかないようなSNSをつかって、なんていうか闇バイト的なかんじかな、今どきで言うと。


 「闇バイトって何?」


 「まあ君は知らないか、あるんだそういうバイト。」

 

君は、ふーんって感じで興味ないようだったので、続きを話し始める。


 狡賢いよね、狡猾だね。でも子供って感じ。


賢さと精神年齢って別なんだって思うな、ぼくは。


 「そうね。」


相変わらず興味ないことには冷たいなって内心思ったけど、


 「きみってさ.........」


 「なに?」


いやなんでもないよ。


 まあそんなこんなで町は落書きだらけ、なんだか逆にアートみたいだなっていう人も出てくる始末。


おおらかだよね、この町の人は、大人って感じ、でもさすがに町の人も怒ったよ、怒ったけど

特に何もしなかった。


 悟り開いてるのって感じ、いや怒ってるし一歩手前なのかな。


 「死んじゃったクジラはどうなったの?」


 たしかにもっともな疑問だよね。


クジラは、町の人、総出で海岸近くの空き地に深く掘った穴に埋められて丁重に弔われた。

この町の人は、大人だし優しいのさとってもね。



 「それって大丈夫なの?腐敗してガスが出るんじゃないの?」


ああ、それは大丈夫、火葬してから穴に埋めたからね。

でもまあなかなか燃えなくて相当苦労したみたいだよ。

 

「そっか大きいもんね、でもよかった。」


君って優しいとこあるよね、って言いかけて口には出さなかった。


 でも問題はCさん、町中落書きだらけ、さすがに見かねて警察も動いた。


 「おそい、いまさらなに!!」


君って怖いよね、たまにって言いかけてやめた。


 警察も動いたからさすがに、町の人たちも犯人捕まるだろうって安心したんだ。


でもそこは、Cさん尻尾はつかませなかった。


 足がつかないように海外のSNSをつかってたんだ。


SNS側に警察がCさんのアカウントの開示請求したけど、SNS側は無視した。


 「ふーん、やり方が卑怯ね、男なら正々堂々むかいなさいよ!!」


君は怒りながら、なんだか昭和的なことを言う。


 「今の時代に男なら正々堂々とか、はやらないよ。」


僕がそういうと、こっちをじろりと睨んでくる。


言葉ではない、無言の威圧だ。


僕は怖くなって、すぐさま訂正した。

 「ごめん、時代は関係ないよね、男は正々堂々真っ向勝負だよね。」


 君は満面の笑みで、満足げに


 「そうよ、男性はそうあるべきよ。」


 僕は、ぼそっと「ふうー時代錯誤だよね君って、それに怖いとこは父上に似たのかな?」と小さな声で聞こえないように言った。


 「なに?なにかいったかしら?」


 「いえなにも。続きを話すね。」


 警察の捜査は難航した。というか難破船みたいになってしまった。


ニッチもサッチもいかなくなってしまった。


 町人はどうしたかって?

相変わらずどうもしなかった、まあ落書き消すぐらいはしたよ。


でも追いつかないぐらいだった。


 実行犯は警察に捕まるけど、Cさん自体は相変わらず捕まらず、事件は

暗礁に乗り上げた。


 でもねここの町人たちはすごかったんだ、この落書きを、逆手にとって

落書きの町ってことでSNSで広めたのさ。


 「えっ、すごいよくそんなこと考えつくわね。」

君は感心するように言った。



 「なんたって、ここの町人は大人で懐も広いし、柔軟だったのさ。」


 続き話すよ、SNSで拡散され大バズりした、町に観光客が来て、とっても潤った。


 しかし面白くないのは、Cさん。


 怒ったねそれはもう、でも落書きしても逆に喜ばれるんで、でももうどうすることもできなかったんだ。


 さすがに暴発して、人を傷つけようとか思うほど、悪人でもなかった。

僕には、十分悪人に思えたけどね。


君もそう思うだろ?


 「でCさんはどうしたの?」

僕の質問は無視して、つづきをせがむ君。


 まあ、だからCさんは自首したよ。

SNS側にも圧力がかかってもう開示寸前だったし。


潮時だったんだろうね。


 でもねやっぱここの町人たちがすごいのが、Cさんを許したんだ、被害届も取り下げて、

しかも、Cさんを、この落書きの町の総合プロデューサーに任命しちゃったんだ。


 Cさん、そんな町人たちの寛容さを見習って、町人みんなに土下座して回ったんだ。


それからこの町をもっと良くするためにCさんがんばったよ。


 完全に別人みたいにね。


 「ふーん改心したんだ。それで終わり?」


なんだか一気に、興味が薄れたみたいだなって僕は思った。


 悪が裁かれる展開を期待したんだろうな。

 「まあ続けることもできるけど、一旦は終わりかな。」


 「めでたし、めでたし」


 「あっそ、私疲れちゃった、もう寝るね、おやすみ。」


 「ああ、おやすみなさい。」


 Cさんって君の父親のことなんだけどね、まあ興味ないよね。


いまじゃCさんこの町の町長だし、人って変わるよね、

まあ相変わらず、人使い荒いから

秘書の僕まで、娘さんのお守りさせられてるけどね。


 「まあ仕方ないよね、ぼくは実行犯の一人だったんだし、町長には逆らえないや。」

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「どんな話がいい?」 コンラン @konran20250528

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