読んでいてまず感じるのは、ページをめくる手が止まらなくなる没入感です!
冒頭から描かれる関係性の甘さや優しさが、少しずつ「何かがおかしい」という違和感に変わっていく流れが本当に上手で、読者は気づけば作品の世界に引きずり込まれています!
キャラクターの心情描写も丁寧で、表情ひとつ、仕草ひとつがしっかりと印象に残るんです。
本作は恋愛ドラマのような温もりと、スリラーの側面を持った上質なミステリーサスペンスとしての冷たさが絶妙に混ざり合っています!
特に、穏やかさと恐怖の境界を行き来する演出が見事で、安心した矢先に不安を突き付けられる。その緩急が心地よい緊張感を生んでいて、気がつけば物語の虜になっているんです!
さらに惹かれるのは、この作品がバッドエンドと提示されている点。
だからこそ「じゃあ一体どう転がっていくの?」と頭から離れなくなります。
読後もずっとそれが尾を引き、次の展開を考えずにはいられない……まさに日々の思考を侵食してくるタイプの物語なんです。
甘さと狂気、温もりと不穏。そのコントラストが読者の感情を大きく揺さぶって、最後まで一気に読ませる力を持っています!
上質なサスペンスを求めている方には、ぜひ手に取ってほしい一作になっております!