拝啓 死を愛した君へ

やーや

第1話

拝啓 死を愛した君へ


楓の散る季節に僕は君をみた

きみと出会わなかったら

夢幻的な世界を生きることはなかっただろう

初めて見た君は強くそして美しい人だと感じた

しかしどこか消え入りそうな雰囲気があった


初雪の季節きみと初めて話をした

にこやかに話すきみに心を打たれた

無限のようで有限的な時間に

僕は命を感じることができた

しかし消え入りそうな君はここにはいなかった


冬尽くとき君と喧嘩をした

あの時間を君は知らないと言った

あの時見せたにこやかな笑顔は

蔑んだ目に変わっていた

しかしきみは月下美人のようだ


春風吹く時君と仲直りをした

仲直りだったのか誤解を解いたのか

まあどちらでもよい

君のことをさらに知りたくなった

しかし君は雰囲気が変わったようだ


春惜しむきみと共にすごした

きみは季節の変わり目が嫌いといった

僕は一言『 なぜ?』と聞いた

きみは季節が死んでいくといった

僕は何も言えなかった

静かな大炎が僕の目を照らす


新緑の広がるとき君は笑顔だった

僕は『 春は死んだの?』と言った

君は『 春は死んだ』と言った

『 死を愛すべき』とも続けて言った

僕は無数の感情が湧いたが

1つの違和感が残った


君は死を愛すべきと考えていた


消え入りそうな雰囲気は

君の考えから感じたのだろう

僕は死を愛せるだろうか

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