「天が私に釣れと言っているのね! 第六感がそう告げておりますわ!」

名門アーデルハイド侯爵家の一人娘・セレナ。
完璧なお飾り令嬢としての生活に耐えられなかった彼女は、世話焼き執事ギル爺とともに屋敷を飛び出し、自由気ままな釣り旅に出る。

だが、釣りはそんなに甘くない。
ひとたび浮きが水中に引き込まれば、死闘は始まるからだ。
たちまち竿は激しくしなり、糸が悲鳴を上げ、体は泥だらけに。

「何がかかったか分からなくても、逃がすつもりはありませんわ!」

誇りを懸けた釣り勝負。
その先に待っていたのは、本物の釣り人への第一歩だった。

「わたくし、この魚に名前をつけたいのです。
“言霊”とでも呼びましょうか。
旅のなかで釣った魚、一匹一匹に、わたくしの想いを込めて名前を残すのです」

はたしてこの先、どんな水面が、どんな出会いが待っているのか?
そして、幻の魚は本当に存在するのか!?

セレナの『大いなる挑戦(Défi Majestueux)』、今ここに開幕ですわ!