番外編「繋がる指、交わる身体」—第三回戦

 湊が崇に顔を埋めながら言った言葉が、まだ耳に残っている。

 「またしてもいいですか?」


 崇は湊の問いに少しだけ考えてから、そっと彼の髪を撫でた。その柔らかな感触と、まだ余韻の残る体の中で、湊が求めていることに、もう何の躊躇もなく応えることができた。


「……お前がそう言うなら、俺もお前が欲しい」


 その言葉がきっかけとなり、二人の体が再び絡み合った。

 湊は崇の胸を撫でながら、もう一度彼を強く引き寄せた。その腕の中で、欲望が止まることなく膨らんでいくのがわかる。


 「んっ……」


 湊の体が小さく震えると、崇の手がそっと彼の腰に触れた。

 そのまま湊の体を少し持ち上げ、引き寄せる。湊は少しだけ戸惑った様子を見せるが、すぐにその目に決意が宿る。


「……俺、もう……待てない」


 湊が崇の肩を掴み、腰を押しつけるように身を寄せた。

 その動きに呼応するように、崇は自分の硬さを湊の中に再び入れていく。


「……あっ、あっ、んっ!」


 最初はゆっくりと、少しずつ深く入れていく。湊の顔が苦しそうに歪むのが見え、崇は軽く手で彼の胸をなぞりながら、少しだけペースを落とした。


「……無理はするな」


「……大丈夫、です」


 湊の言葉に安心しながら、崇は腰を少しずつ動かす。湊の体が自分の動きに合わせてしっかりと反応する。

 その感触に、崇は徐々に快楽が膨らんでいくのを感じた。


「はぁ、んっ……気持ちいい、でも……もっと……」


 湊の言葉に応えるように、崇は動きを速めた。

 二人の体が触れ合い、湿った音が部屋に響く。その音を耳にしながら、湊の顔が次第に欲望に歪んでいく。


「……あっ、あぁ……っ、すごい、あぁっ……」


 その反応を見た崇は、湊の体をさらに強く押し付けるようにして、何度も奥を突き上げた。

 湊が息を呑むようにし、もう声を押し殺しきれなくなる。そのたびに、二人の快感がどんどんと深まっていく。


「っ、んっ……やばい、もう……また、出してくれる?」


 湊の言葉に、崇はそのまま腰を止めることなく動き続けた。

 湊の中で感じる熱と締め付けに、再びその快感が高まり、崇は湊の中で彼を包み込むように強く引き寄せる。


「……出すよ」


 湊が再び顔を歪ませながら言う。


「お願い、出して、俺の中で……」


 その言葉に、崇はもう一度湊の体を抱き寄せ、深く、強く突き上げた。

 二人の体が激しく反応し、湊がその瞬間を感じ取ると、二人は同時に絶頂に達した。


 「っ、あ……!」


 湊の体が震え、崇もその瞬間を逃さず、湊の奥深くで果てる。

 二人の体は動かすこともできないほどに疲れきって、布団の中に沈み込むようにそのまま動かなくなった。



 しばらく動けずにそのまま重なり合ったまま、二人は静かな呼吸を繰り返していた。

 湊の顔が、満足そうに崇に寄り添っている。



「……俺、また……欲しいって言ってもいい?」


 崇は少しだけ笑い、湊の髪をそっと撫でた。


「……お前、ほんとに強欲だな」


「だって、課長が俺を欲しがってくれるから、俺も欲しくなる」


 その言葉に、崇は少し黙ってから答えた。


「……もう、お前を離さない。お前が欲しい」


 二人は再び、抱き合って眠りにつく前に、その欲望の果てを知らないかのように、再び体を重ね合う準備をした。

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『寂しくなったら呼んで』 rinna @rinna_

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