第15話 もうひとつのお店 3
気がついたときには、
どええええ。なんじゃあ、こりゃあ。
カフェのテーブルで泣く
これって
えい。おりゃ。とりゃあああああ。
私は
すると、頭のなかに、ビリビリとなにか電気が走った。
ーーなぜ、こんなことになったんだろーー
とつぜん、頭のなかに男の人の声が
ーー
この声って、まさか。
私は目の前の
でも、
ええええ。テレパシー。
私って
声が聞こえるのって、きっと、この
私は
んんん。どんだけ引っぱっても手が離れない。椿君が、
ーー明日は
この人、誰かのお父さんなんだ。
ケーキにお人形。きっと楽しい
ーー明日のために、急いで帰ろうとした。車を走らせて、山道を登って下る。
白い
ーー冷たい水のなかで、白い
どうゆうこと。線香の匂いって。
私は、ふと、今朝のニュースのことが頭を過ぎった。
『今日の朝方、車の中で男性の
アナウンサーが、そんなことを言っていた気がする。
あれ、この話って、朝のニュースの
あのとき、椿君はなんて言ったっけ?
『
そんなこと言ってたよね。それも 、
私の
なに、この人、
「だめだ。
椿君の
そのとき、私の耳はキーンと
目の前が、ぐにゃりと
「なに、いたたたた」
気がつけば、私は知らないリビングに立っていた。
パラパラと回っているのは、天井の
キジトラの
その近くには、
ここどこだろう。
近くに窓があり、外を見てみると、建物が下にあって、びびった。
げっ。高い。
どうやら、どこかの
ええっと。
リビングには、四角いテーブルがあって、その席には、顔色のいい
私は目の前に立っていた。
それなのに
思わず、
気づいてくれない。
ってことは、私のこと見えてない?
あ、
そこに
「お父さん」
私と同じぐらいの
「
「へへへ。あのね、この前、お母さんと
「何をだ」
くすくすと
そのままキッチンで洗い物をしている、ふくよかな母親らしき人の顔を見て、いたずらっぽく、笑顔を向けていた。
「お父さん、お仕事で疲れているでしょう」
「ああ」
「疲れたときはね。甘い物がいいんだって、そうでしょう、お母さん」
「そうよ」
「へへへ。でね。じゃじゃん。パンケーキを作ったの」
「美紀が作ったのか」
「そうだよ」
「なるほど。
「ああ、そんなこと言うなら、あげないもん」
「はは。どれ、いただこうか」
そう言うと
なんだろう。なんか泣ける。
私はホロリと涙を流した。
だって、こんなに幸せそうな家族なのに、お父さん
「だめだ。
と、とつぜん、
「
「どうしたの椿君。なんだか、痛そうな顔しているよ。大丈夫」
なんだか、ひどく
「
「ん? 引き
「お客様の
「へぇ。でも引き込まれたら、だめなの」
「
「へぇ……ええええええ」
私の
え、え、私と
ちょっと待って、くっつくってことは、なに、私、今、死にかけてるの。
私は
やだやだやだ。死にたくない。お父さんとお母さん、大樹にお
私はあわあわとした。
「どうしよう椿君。私、
「
「むむ。なにそれ、私のこと、小さな子供だとか思ってる?」
「その通り」
私は
「さあ、目をつぶって」
椿君は私の目を、両手で
「1・2・3」
10まで数えると、ゆっくりと手を
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