after? 新島秋穂(にいじまあきほ)

結婚式の日が来た。

俺は控室で手紙を読んでいた。

手紙は今日、この場に仕事などで来れなかった仲間達からの祝福の手紙。

俺はその手紙を一つ一つ噛み締めて読みながら感慨深い思いを抱いていた。


「...」


今頃、花嫁。

つまり由紀は花嫁になる為の衣装、ヴェールなどを被る為の調節しているだろう。

そんな事を考えながら俺は手紙にまた視線を落とした。

それから俺は読んでいくと...手紙の中に宛名などが無い手紙があった。

俺は「?」を浮かべながら封筒を開けて文章を読んでみる。

するとこんな事が書かれていた。


(拝啓 佐元幸助様。私は由紀の母親です。名前を新島秋穂(にいじまあきほ)と言います)


俺は心底ビックリしながら手紙を見る。

そして「...そうか」と考えた。

俺はそのままゆっくり手紙を読んでみた。


(精神科にかかり入院し。今は支援会に参加しています。私は...全ての過ちに気が付き反省というよりも今は行なった償いをする為に動いております。私は最低な行いばかりをし家族にも迷惑をかけました)

「...」

(私は娘の為、家族の為と思って動いていました。しかしながらそれは全てが過ちだという事に気が付きました。時間がかかりすぎた気がします。全てにおいて私はなにをしているんだと...ようやっと気付きはじめた気がします)


俺は長文の手紙に対して無言で読んでいるとスマホがバイブした。

ハッとして顔を上げてからスマホを見る。

スマホには着信があった。


「もしもし?」

「やあ。元気かい。新郎くん」

「ああアンタか」

「そうだな」


結論から言って元秀にも金銭面でかなりお世話になった。

それを考えるとコイツに対してもなんともいえない感情になってしまうんだが。

そう考えながら俺は元秀に対して「どうしたんだ」と聞く。

すると元秀は「ああ。今は忙しいから会えないかと思ってね。電話をしたよ。失礼だったかな」と言う。

俺は「そんな事はないが」と言ってから「...どうした?」と聞いてみる。


「...君に対して妻がメッセージか何かを送ったそうだね」

「手紙の事か?」

「そうだね。手紙だよ」

「...確かに受け取ったよ。手紙をな」

「なんて記載があったんだい?」


そう話をする元秀。

俺は目線を上にしてから前に戻す。

それから手紙をチラ見してから「...そうだな。過ちをしたから。私にとって反省こそこの先する点じゃないかと書かれていたよ」と話した。

すると「...彼女を呼んでくれた事、心より感謝するよ」と元秀は言ってきた。


「...俺にとってそれは問題ない。反省しているならそれが一番だからな」

「ああ。僕達の過ちだ。だから反省すべき点だからね」

「...だがもう充分罪は償った気はする。実際、危害が加わった訳じゃないしな」

「危害を加えた、加えないという話じゃない。彼女は全てを。そして僕達は全てを誤った。...反省すべき点だね」


それから元秀は「...君には迷惑をかけてない、かけたにせよ。...どちらにせよ僕は君に対して頭を下げる。...一家の主である身分だからね」と言う。

俺は「...」となりながら黙る。


「...元秀」

「なんだい」

「俺はもう頭を下げられる必要は無い。ここまで成立させてくれたアンタには感謝してる。ありがとうな」

「...君は変わらずだな」

「変わったよ。前だったらどうなるか分からなかった」


そして居るとドアがノックされた。

「新郎様。新婦様のご準備が整われました」と声がする。

俺は「はい」と返事をしてから伸びをした。

それから「元秀。また後でな」と話してから電話を切る。

そうして移動を開始した。



思えば婚約は2回目だ。

前世と今世を組み合わせた計2回。

俺はその事を考えながら歩いてから由紀の待つ部屋に向かってから歩いた。

それから「新婦様控室」と書かれた部屋のドアをノックしてから返事が聞こえたタイミングでドアを開ける。


「!」


そこに居た新婦の由紀は。

姿が女神の如く美しかった。

俺はその姿にかなりの衝撃を受けつつ由紀に「前世と違うな」と呟いた。

由紀は「うん。張り切った」と笑顔になる。


「既に1回裏切っているから」

「...だからと張り切る必要ないぞ」

「私は張り切りたい。クソみたいな真似を繰り返していたしね」

「新婦が言う言葉じゃないぞ」

「私は腹立つ部分もあるぞ?...前世の私には」


そう言いながら最後の仕上げを受けている由紀。

俺は「なあ。由紀」と聞く。

すると由紀は「うん」と言いながら俺を見る。

俺は「...お前の母親から手紙が届いた」と言う。


「え?」

「...お前が望まないとは思ったけどそれでも知らせたよ」

「お母さんが...そうなんだね」

「ああ。だから...後で持ってくる。多分嫌かなって思ったが」

「大丈夫。ありがとうだよ。本当に」


由紀はそう話しながらニコッとする。

俺はそんな姿に「...」と見る。

するとスタッフの人が「間もなく式ですのでご準備をお願い致します。新郎様。新婦様」と声をかけてくれた。

俺は慌てながら「すいません」と言う。


「新婦様のお父様のご準備も完了致しました」

「分かりました。...じゃあまたな。由紀」

「うん。じゃあまた後でね。由紀」


それから俺は由紀に挨拶してから部屋を出た。

そしてそのまま俺は待機室に向かう。

俺達の式は間もなく始まりそうだった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

嫁が寝取られてしまったので自殺したのだがそのせいなのか高校時代にタイムリープした挙句、高校時代の嫁にまた関わってしまったのだが 楽(がく) @tanakasaburou

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ

参加中のコンテスト・自主企画