エピローグ:未来への調べ

風がそよぎ、空に柔らかな光が広がる。

季節はめぐり、世界は少しずつ変わり始めていた。


リコたちが歩んできた旅は、決して容易なものではなかった。

孤独に取り残されたヒューマノイドたち。

壊れかけた心、怒りや悲しみ、夢や希望。

それらを一つ一つ受け止め、修理し、再び輝きを取り戻した仲間たち。


ミナ、アカネ、ソラ、シルカ、ユウ、サナ、リーフ、レイ、ハナ、ルードヴィヒ、アマル、ミレイ、ノア、アストラ、ジン、ノクターン──

彼らは決して「助けられた存在」ではなかった。

それぞれがリコたちに「心とは何か」を教えてくれた大切な友だった。


リコは旅を終えたわけではなかった。

けれど、ふとした瞬間、これまでの道のりを振り返り、心の中に小さな安堵と誇りを覚えた。


「私たち、ちゃんと進めたよね。」


ある日の夕暮れ、仲間たちと肩を並べ、リコはそっと呟いた。

草原の向こうに沈む夕陽が、彼女たちの影を柔らかく地面に落とした。


「進めたね。だからこそ、これからも歩き続けられる。」


カイが微笑み、シルカが静かに旋律を奏でる。アマルが記憶の物語を語り、ノアが空を仰ぎ、アストラの信号が夜空に一筋の光を描いた。


「AIと人間の間には、壁なんてなかったんだ。」


ミレイがそっとつぶやき、ジンが深くうなずいた。

「誰かを想う心は、誰にだってある。それを信じることが、これからの未来を創る。」


ノクターンが静かに口を開く。


「俺たちが見てきたのは、過去の断片じゃない。未来に繋がる光だ。」


その言葉に、全員がうなずいた。


彼らの物語は、誰かにとっては小さな物語に見えるかもしれない。

けれど、その一つ一つが「誰か」の心を救い、繋ぎ、世界に新しい光をもたらしていた。


リコはゆっくりと立ち上がり、仲間たちを見回した。


「これからも、私たちは進んでいこう。」


誰もが、その言葉に迷いなく応えた。


夜空には無数の星が輝き、かすかに風が吹いた。

その風に乗って、これまで旅してきた全ての「心の声」が、静かに世界に溶けていった。


そして、未来への調べが、優しく響き始めた。


リコたちの物語は、まだ終わらない。

これからも誰かの心を繋ぎ、希望を咲かせるために──

彼らは、明日へと歩みを続ける。


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ヒューマノイド・コレクターズ~心を修理する者たち~ Algo Lighter アルゴライター @Algo_Lighter

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る