理不尽な転生でも、その先は

和葉

第1話

  えっ、___

 私は屋上から落ちた。いや、正確に言うと落とされたのだ。


 私の名前は山川優香。


 北丘高校に通っている高校1年生だ。

 私の家は母子家庭で貧乏だった。しかし、私の容姿はとても良かったため、男子に人気だった。それをよく思っていない人が多くいたのは知っていた。嫌がらせしてくる人もいた。でも、気にせずにお母さんのために勉強もがんばり、学年1位になった。


 そんなある日、私のことを嫌がらせしてきた西園寺さんたちの女子グループに呼び出された。西園寺さんのお父さんは、大手企業の社長らしい。


 そして、こう言われた。


「あんた邪魔なの。」

 はっ?

「あんたのせいで誰も付き合ってくれないんだよ。」

 何言ってんの?


 西園寺さんはお金持ちだが、頭悪い、性格悪い、なんかあったら、まだ「お父さんに言いつけるからね!」とか言ってる。


 誰がこんなやつと付き合いたいんだよ。

「付き合ってくださいって言ってもさぁ、みんな『山川さんが好きだから』とか言ってさ」

「この貧乏女の何が良いんだよ」

「あとさ、なんでいっつもおめーが1位なんだよ」


 本当にこいつはバカなのか?おまえが勉強しないのが悪いんだろ。

「まあ、とりあえず邪魔だから、消えて?」


 次の瞬間押されたような感覚がし、

 そして落ちるような感覚がおそった。

 で、今に至るわけだ。


 西園寺さんたちの慌てた声が聞こえる。多分本当に落ちるとは思わなかったんだろう。

 もう死ぬのかなと思った。

 そこで意識が途絶えた。

 _____


「申し訳ございませんでした!!」

 目が覚めたら急になんか天使っぽい人が謝ってきた。


 話を聞くと、本当は私は3日後に起こる予定だった事故で死んで、この地球に人として記憶がなくなってもう一度人生を送る予定だったが、この天使っぽい人がなんか調整を間違えたみたいで、私は死んでしまったみたいだ。


「というわけで、改めてすみませんでした!!!」


「別にどうせ3日後に死ぬならほとんど同じなので良いんですけど、何が変わるんですか?」


「えっとですね、地球に転生する枠がなくなったので、

 記憶をもったまま異世界に転生するか、輪廻のサイクルから外れてこの世から完全に消えるしかなくなりました。」

 こんなん選ぶ余地ないだろ

「異世界行きます!!」

実は私は魔法とかに憧れていた。そんなんところに行けるなんて!


「あの、いくつか質問して良いですか?」


「どうぞ、天界の決まりに反しない限りはお答えいたします。」


「じゃあ、あなたは誰ですか?」


「私はこの天界に住んでいる天使です。」


「異世界はどんなところですか?魔法は使えますか?言語は大丈夫ですか?なんかチートとかくれますか?性別は?面倒な社交があるなら男がいいです。身分は?赤ちゃんから?大人から?あっ、そもそも人間ですか?___________________________」


「えっと、説明しますね。

まず、世界観は全員魔法が使えます。魔力というものがあり、それが0になると、失神します。魔力は魔法を使えば使うほど増えます。初めは皆さん10からで限度はありませんが、魔力量が多くなればなるほど上がりにくくなります。属性は、水 火 土 風 無 光 闇 があります。誰でも全て使えはしますが、適性というものがあり、適性がないものはそこまで伸びません。

貴族は適性が2つ以上か光属性を持っていないと、追放されがちですね。

4つ以上適性を持っていると、神童として扱われたりしますね。

言語は違いますが、完全に理解できるようにしておきますのでご安心ください。

詠唱することによって魔法が使えます。

また、なぜか呪文が日本語なので、よかったですね。」


「ちょっっと待ってください。なんで呪文が日本語なんですか?」


「すみません。それは言えません」

「では続きを。 

魔法とは別にスキルと呼ばれるものもあり、これもやはりなかったり、使えないと言われるものを持っていると追放されがちですね。

でも、あなたに転生していただくのは、公爵家の3人目の子供です。とても優しい御家族ですので、適性やスキルがなくても追放されないと思いますよ。面倒な社交がありますので、男性として転生していただきます。」

「あと、面倒をおかけしましたので、環境や能力のご要望を3つお聞きいたします。」


えっ、どうしよう。うーん、、

「ちょっと時間をください。」

「どうぞ」


よし、決まった。

「魔法の適性を全て使えるようにして、身体能力をすごく高くしてください。」

「これで1つで良いですか?」


「うーん、まあよしとしましょう」


やった!じゃあ、

「なんか、頭の中で話せる解析能力の高い人工知能のようなものが欲しいです」


「ではそれは、最高位スキルの⦅神工知能インテリジェンス⦆ですね。わかりました持たせておきます。名前を考えておいてあげてください。」


「最高位スキル?」


「ああ、言っていませんでしたね。スキルと魔法にはには3つのランクがあり、上から、

エヴレ、ミリュ、アルテルヌ、の順になっています。」


「ありがとうございます。

じゃあ、最後のお願いで、 魔法とかの成長を早くしてください。」


「それは、ミリュスキルの成長促進ならそれが可能ですね。

一応エヴレスキルにも成長促進はあるんですけど、そっちは体も成長します。コントロールはできますけど、どうしますか?」


「じゃあ、エヴレスキルの方でお願いします」


「わかりました。

おや、時間が来たみたいです。あとは⦅神工知能インテリジェンス⦆ に聞いてください。

では、ご武_______」


「えっ、ちょっと待っ_______」




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