第16話 イラスト人気投票開始!?ぐうたら神様、2.5次元化する

「完成しました!! 神様の寝顔イラスト、第一弾です!!」


 そう言って、神殿オフィサー・アインが掲げたのは――


 圧倒的美形の俺だった。


 肌は透き通るように白く、まつげは異様に長く、目元はやや泣きそう。

 まるで寝顔で世界を救う“2.5次元王子”のような仕上がりだ。


 「誰だコイツ」


 「高志様ですよ!! でも現実に寄せすぎるとバズらないので、ちょっと“盛り”ました!」


 「いや盛りすぎて、俺のダメ感ゼロだぞ」


 「安心してください。“だらしないVer”と“尊いVer”の2タイプ、分けて展開します!」



---


 こうして――


神殿公式企画発動!


「神様イラスト人気投票!」開催!


候補①:

 だらしないVer(ヨレたTシャツ+寝癖)

 →信者からは「リアル神」「安心感がある」と支持多数


候補②:

 尊いVer(光の羽+聖なる寝息エフェクト)

 →女子信者から「目覚めたら隣にいてほしい」「拝みたい」と絶大な人気





 数日後――


 「投票数、合計2万突破しました!!」


 「何票入ってんの?」


 「現在トップは『尊いVer』です!」


 「おい、それ“俺じゃない俺”が勝ってるんじゃねぇか!?」


 


 神、困惑。


 信者、萌える。


 そして神殿広報から、まさかの提案が届く。


 「神様。あなた、舞台化されます」


 「舞台って……“ぐうたら”で?」


 「はい! タイトルは――」





異世界ぐうたら神舞台化決定!


タイトル:


『眠る神のまにまに ~推し神は今日も寝ている~』


主演:大人気イケメン役者


特典:マリィの生寝言音源CD


初回限定:神様の“寝相ピンナップ”付き





 「いや待て、俺、完全に偶像化されてないか!?」


 「だから“偶像神”なんですよ!」


 


 その晩、俺はベッドで天井を見上げながら、ひとり考えた。


 「これ……信仰の暴走じゃね? もう“崇拝”じゃなく“商品”じゃね……?」


 


 だが――


 その枕元で、マリィが静かに寝息を立てながらつぶやいた。


 「……神様の寝顔……見てると……安心する……Zzz」


 


 それだけで、なんだかすべてが報われた気がした。


 俺は思った。


 「まあ……寝るだけで癒されて、誰かの救いになるなら……それも神の仕事、かもな」


 


 でも、働いたとは言わない。断じて言わない。

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社畜として死んだ俺が、異世界で“働かない”神として崇められる件 コードD @ankimoponz

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