第一話の
【「こんなエロい女、滅多にいないぞ!? この身体を好き放題にしたくはないか!?」
したいかしたくないかで言えば、したい。】
を読んで爆笑し即フォローした。
しかし読み始めてすぐ、よくあるハーレムコメディとは勝手が違うのに気づいた。
前世でお人よしといわれるほど善良だった主人公だが、ゴブリンに転生してから欲望に歯止めが効かなくなる。
その欲望はシンプルで男は殺し、女は犯す。
何をやっても「ゴブリンだからしかたない」ですませる主人公の内面はひどく乾いている。
細かい殺戮描写がないのもハードボイルドで、内容とともに表現も乾いている。
主人公に魅入られた女も残酷で、女騎士は土下座して命乞いする冒険者をあっさり殺し、魔法使いは何の罪もない村人を実験材料にする。
自主規制が内面化している若い読者がこわがりそうな内容だが、自分は爽快感を感じた。
と同時に既視感もあった。
この作品なにかに似てる? とあれこれ考え、
「そうだ! カラテ地獄変だ!」
と思い出した。
主人公の牙直人は強姦魔に殺された母親の胎内から生まれる。
すさんだ生活を送って少年院にもいった直人はその後カラテに出会う。
師匠の大東徹源(大山倍達)の命令で海外にカラテ普及に出向いた直人は欲望の赴くまま敵の男をカラテで惨殺し、出会った金髪美女を次々レイプする。
しかもSMじみたやりかたで。
弄ばれた美女は、なぜかみんな直人に惚れる。
そして惚れたあげく、みんな無惨に死ぬ。
直人のカラテ地獄は延々と続く……
後期梶原一騎の凶悪作で昭和の子どもを「巨人の星の梶原先生が」と戦慄させた一作でもある。
それに「似てる」といわれたら作者さんも迷惑だと思う。
たしかに陰惨極まりないカラテ地獄変に比べたら、『くっころ女騎士』のほうがはるかに明るいし乾いている。しかし
「だからこわいんだ」
という気もする。
コンプラまみれの世の中で、こういう作風は貴重である。
このまま主人公が欲望の赴くまま突っ走るのか、それとも主人公に何らかの断罪がくだされるのか、今後の展開を楽しみに待ちたい。