第58話


何が間違っていて、何が正しいのか、誰が決めるの?



私が生きていた事。


琥珀が居た事。


そして、永遠が居た事。


それは、現実の出来事。


後悔はしていない。


例え、短い人生だとしても。


確かに、私は、琥珀に愛されていた。


私も、琥珀を、愛していた。


最後に、幕を下ろすのは、誰でもなく、私自身。



『葵、愛している』



胸の中に刻んだ愛おしい人の想いと言葉。



もうすぐ、日が登る。


日が登れば、私も消える。


消える事に、恐怖はない。


琥珀が、私を、吸血鬼にしてくれたから……



すぐに行くよ。


琥珀、来世で待っていて……




ー【完】ー


  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

曼珠沙華 翠恋 桜 @suirensakura

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ