哀しみも怒りも刹那きえてゆく人生いつもチューニングの音人間が生きていくということは、楽器のように微妙なチューニングを重ねていくことなのでしょう。そして、心に湧き上がるさまざまな感情も、そのほとんどが、あっという間に、跡形もなく消えていくものなのでしょうが、それが確かに存在したことは、永遠の真実です。刹那と永遠はコインのうらおもて。そんな悲しく美しい余韻を残す短歌集。
カクヨム短歌賞の参加作品です。一首部門なので、キャッチコピーで全部読めてしまうのですが、美しい感性と、生活感というか地に足の着いた表現で、想像できる幅の広い歌だと思いました。有料席はいつ、誰のためのものなのか。自分の有料席は何でできているのかを考えさせられました。
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