見た景色をそのまま十七音に落とし込む難しさは、まるで記憶の輪郭を指先でなぞるようだ。書けば書くほど言葉は逃げ、読む側・読まぬ側の駆け引きもまた俳句の妙味となる。「刻む景 声に出したく 秋の句よ」と口ずさめば、景色と言葉が静かに寄り添い、句は自分だけの風景をそっと開く。なして、こうも人って、難しいだが。
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