須藤彩香のCatGPT日記

創作にAIを利用するためのいくつかの手法

　AIは「自動的に創作する存在」ではなく、入力（プロンプト）に基づき確率的に出力を生成するツールです。したがって、創作の質や方向性を決めるのは、あくまで人間側の設計と判断にあります。

　こうした前提のもと、創作にAIを利用する場合、大まかに二つの利用モデルを考えることができます。それぞれのモデルは、AIと人間の関わり方の違いによって特徴づけられます。

１． オートメーションモデル

　オートメーションモデルでは、詳細に構築されたプロンプトに基づき、AIに作品をほぼ一気に生成させることを想定します。まるでオートメーション化された工場で製品を生産するようなイメージです。

(メリット)

・短時間で作品の全体像を生成できる

・明確にプロンプトを設計すれば、作品の統一感を保ちやすい

(デメリット)

・プロンプトを詳細に構築する必要がある

・生成物の一部だけを修正したい場合でも、AIは過去の作品との文脈を保持しないため、再度ストーリー全体を構成し直すことになる

・中間段階での微調整には不向き

２． ハンドクラフトモデル

　ハンドクラフトモデルでは、AIを対話的に利用しながら、作品を段階的に「練り上げて」いきます。人間とAIが交互にプロンプトや提案を行うイメージで、旋盤職人が一点物の製品をじっくり作り上げるような利用法です。

(メリット)

・細かい修正や調整がしやすく、作品に応じた柔軟な対応が可能

・AIの偶発的な提案やアイディアを活かせる

・対話を通じて作品の方向性を深めることができる

(デメリット)

・作業が段階的になるため、完成までに時間がかかる

・プロセス管理や段階的な指示出しの工夫が必要

３． 中間段階でのAI利用

　作品完成に至るまでの中間段階でも、AIはさまざまに活用できます。ここでは二つのパターンを想定できます

(1) AI→人間パターン

　AIがアイディアや文章の断片を提示し、人間がそれを受けて作品の方向性や修正を検討する

・例: キャラクターの会話例、シーン構成の候補、描写のバリエーションなど

(2) 人間→AIパターン

　人間が作品の一部を提示し、AIにチェックや改善を依頼する

・例: 誤字脱字チェック、文体統一、文章の推敲、描写の強化や省略の提案など

　中間段階での利用は、ハンドクラフト型のアプローチと親和性が高く、完成形を意識しつつも柔軟な創作プロセスを支援します。また、オートメーション型でも「プロンプト構成のためのAI利用」という形で中間的な関わりを持たせることは可能です。

４．簡単なまとめ

　以上の整理を通じて理解できるのは、AI創作における手法は単純に「AIに任せる」か「人間が書く」かの二択ではないということです。

　オートメーションモデルもハンドクラフトモデルも、それぞれの特性を理解し、自身の創作スタイルや目的に応じて選択することが可能です。

　また、中間段階での利用を意識することで、AIとの対話を最大限に活かしつつ、創作全体の精度や柔軟性を高めることができます。

　このように、AIの出力は素材や提案として有用ですが、最終的な構成・表現・意味づけは人間の責任に属します。AI創作とは「自動化」ではなく「協働化」の技術なのです。

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　以上の内容は、「ハンドクラフトモデル」で完成させたものです。読み手のみなさんからの遠慮ないコメントをお待ちしています。（須藤彩香）