ダンジョン大好きオタク君、ダンジョン配信で無双!

外人だけどラノベが好き

第1話

石田は幼い頃からダンジョンが好きだった。


コンシューマーゲームのダンジョン、オンラインゲームのダンジョン、TRPGのダンジョン。


だから、現実にダンジョンが現れた時には熱狂した。


「うおおおおおおおっ!!! このダンジョンは! クラシックなD&Dスタイルのダンジョンじゃないかああああああああっ!!! すごいぞおおおおおっ! こんなものが現実に現れるなんてえええええっ!!!」


誰もがダンジョンを不気味に思い、脅威と見なしていた時、石田だけはあまりにも幸せだった。


自分が好きだったダンジョンが現実に現れてしまったからだ。


そんな石田にとって、ダンジョンに入場することは、必然的なことだったのかもしれない。


ダンジョンが現実に現れてから3年後、石田はダンジョンに入場した。


「ふむ、ダンジョンに初めて入場するとクラスが決定され、クラスは変更できない。最も評価が高いクラスは剣士、弓使い、魔法使いだ。彼らにはシンプルな強さがある」


よく知っている設定だった。そこらのダンジョン専門家にも劣らない知識を持つ石田にとって、ダンジョンに関する知識は有り余るほどだった。


「さて、俺はダンジョンに入場したらどんなクラスを授かるんだろうか?」


石田は普段から憧れていたダンジョンに初めて入場した。そして決定された石田のクラス。


【おめでとうございます! あなたのクラスはダンジョン探索者です!】


「ダンジョン探索者…?」


それはクラスじゃないんじゃないか?


剣士だろうと、弓使いだろうと、魔法使いだろうと、みんなダンジョン探索者だと認識しているんだが。


クラス名がダンジョン探索者だなんて… まるで人の名前が『人間』であるようなものじゃないか。


呆れたが、説明を聞いて少し納得した。


【あなたのダンジョンに対する知識と熱意は素晴らしい! あなたはダンジョンを誰よりも詳細に探索できます。ダンジョンの罠やモンスターに関する情報を誰よりも詳しく知ることができ、一目でダンジョンの特徴を把握できます】


つまり… 他の人が知ることのできないダンジョンの隠された情報を知ることができるということか!


普通の人なら嫌がっただろうが、石田にとってダンジョン探索者はあまりにも良いクラスだった。


「やったああああああああああああっ!!! 当たりくじを引いたぞおおおおおおおおおっ!!!」


石田にとってダンジョン探索者クラスは、当たりの中でも大当たりだった。


他の人たちはハズレだと思うかもしれないが。


*****


1階のモンスターは誰もが知っているようにスライムだ。


スライムの場合、鈍器や魔法でコアを砕けば簡単に倒せる。


しかし、石田はスライムを簡単に倒す方法を知っていた。


石田はダンジョンに入場する際に購入したドローンを起動させた。


そしてドローンのカメラで配信を開始した。配信のタイトルはシンプルだった。【スライムを簡単に倒す方法、大公開!】


ダンジョン配信には『初回配信ボーナス』というものがあり、1階に初めて進入した新人の場合、人々がより多く視聴する傾向があった。


そのため、石田の場合も多くの人々が石田の配信を見に来た。


コメント


*タイトルなんだよ? スライムを簡単に倒す方法? そんなの誰も興味ねーよw


*スライムって普通に殴れば倒せんじゃね?


*スライムを簡単に倒して何になんの? 一匹200円だろ。(実際は200円よりもう少しもらえるけど)


*うお、こいつのファッション見ろよ。チェック柄に丸メガネ、完全にオタク君じゃんw


オタクと言われれば、それは間違いではなかった。石田は重度のダンジョンオタクなのだから。


だが、石田は屈しなかった。学生時代にも「石田!またダンジョン情報覚えてるのか?」「うはは!一生ダンジョンに行くこともない奴が!」とからかわれたが、石田の心が折れたことは一度もなかった。


(ちくしょう、嫌な記憶が蘇ってきたじゃないか!)


石田は一瞬揺らいだが、すぐにいつもの調子を取り戻した。


「みなさん!こんにちは!今日はスライムを簡単に倒す方法を大公開しようと思います!これはまだ誰も知らない情報ですよ!」


コメント

*だから興味ねーってw

*魔法一発で数十匹は倒せるのに。

*オタク君はせいぜい頑張ってくれたまえ。俺は10階でリザードマン狩って魔石ガッポガッポ稼ぐんで~

*↑虚勢張るなよ。10階回ってるような猛者がこんな配信見るわけねーだろ?


反応は冷ややかどころか否定的だった。しかし、中高6年間のいじめに耐えてきたオタク…いや、石田の心は折れなかった。


「さあ!あそこにスライムがいますね。では、この剣で倒してみましょうか?」


*剣じゃきついだろ?

*せめて鈍器くらいは要るだろ。コアを殴らないといけないからな。

*達人クラスなら剣でもコアを砕けるって聞いたことあるけど。

*オタク君がそんな達人に見えるかよw


しかし、しばらくして、人々は驚愕することになる。


石田が懐の袋から取り出した塩を一掴み握ってスライムに振りかけると、スライムがしぼんでしまったからだ。


そしてその隙を突いて、石田は剣でスライムを斬りつけ、スライムは真っ二つになって一瞬で息絶えたのだった。


コメント

*!?

*な、なんだ? どうやったんだ?

*白い粉なんだ? まさか塩か?

*こんな簡単な方法があったのか? 俺、初心者の頃なんであんなに苦労したんだ?


予想外に反応は爆発的だった。

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