ネタ法令を作ろう

涼風紫音

「ラノベ作家の銀髪ヒロイン小説執筆に関する基本法」

令和7年5月16日公布


第一章 総則

第一条(目的)

この法律は、ライトノベル作家が銀髪を有するヒロインが登場する小説の執筆を奨励し、市民の求める銀髪ヒロインの普及を推進し、もって広くエンターテイメント文化の健全な発展に資することを目的とする。


第二章 定義

第二条(ラノベ作家)

この法律において、ラノベ作家とはライトノベルを主として手掛ける書き手全般を指す。※1

第三条(銀の色)

この法律において、銀髪とはR:192 G:192 B:192または#c0c0c0またはPANTONE 877 Cの色を有する頭髪またはそれに準ずる色彩の頭髪をもって、銀髪とする。※2

第四条(銀髪)

この法律において、銀髪とは頭髪の地毛そのものまたは頭髪を染めたる状態で第三条の規定を満たすことを持って銀髪とし、ウィッグその他の着脱可能な状態の器物その他は含めないものとする。なお頭髪における第三条の規定の色彩が全体の七割以上を占めるものを銀髪とする。

第五条(ヒロイン)

この法律において、ヒロインとは制作者がそれと定めたものである。性別その他の一切の属性による制限は、それを認めない。※3

第六条(小説)

この法律において、小説とは完結したものまたは刊行済みのものに限らず、掲載中のものあるいは執筆中のものまたは執筆が断念されたものも含め、広く一般に販売ないし頒布ないし公開されたものを指す。


第三章 公開原則

第七条

この法律において、小説とは広く販売ないし頒布ないし公開されたもののみをいう。非公開または一般に広く販売ないし頒布されていないものについては、この法律における小説とは認めない。


第四章 雑則

第八条(銀髪ヒロイン保護に関する特例)

文部科学大臣は、銀髪ヒロインの信頼性を確保することその他の必要な措置を講じなければならない。

第九条(政令への委任)

この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。


附則

(施行期日)

第一条

この法律は、公布の日から起算して一年を超えない範囲内において政令で定める日から施行する

(準備行為)

第二条

行政機関の長等は、この法律の施行の日前においても、この法律の実施のために必要な準備行為をすることができる。


◆脚注

※1「ライトノベルと純文学の定義分けを求める確認訴訟」東京地方裁判所 令和元年5月、請求棄却。本訴訟ではライトノベルと純文学の境界をどこに定めるかを確定するよう提訴され、提訴内容は表現の自由に委ねられるものとして訴因無効として棄却された。

※2「ガールズアンドパンツァーに登場するアンチョビの頭髪色の確定を求める確認訴訟」東京地方裁判所 平成26年9月、請求棄却。本訴訟ではシーンによってオリーブグリーンとも受け取れる頭髪が銀髪かどうかが提訴され、原告は請求者としての資格を満たさないものとして棄却された。

※3「高機動幻想ガンパレード・マーチにおけるヒーローとヒロインの確定を求める確認訴訟」最高裁判所 平成13年7月、速水厚志をヒロイン、芝村舞をヒーローとする原作者の設定に一定の合理性を認め原告敗訴。本訴訟では速水厚志が男性であり芝村舞が女性であることをもって、ヒロインとヒーローの設定記載が誤植である旨の提訴が行われたが、ヒロインとヒーローをどのように設定するかは原作者の裁量の範囲であるとして原告の請求は退けられた。

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