[40]: 出撃前夜、それぞれの想い

その夜。

屋敷のメンバーは、明日の作戦に向けてそれぞれの時間を過ごしていた。


俺は自室のベッドに寝転がりながら、天井を見つめていた。


俺(黒き月影…ね。ルナの村を襲い、ルナ本人を攫い、さらにはシャドーみたいな若い子を暗殺者に仕立て上げる…どう考えてもクズ組織だな。まとめて潰してやるか)


後先考えない俺だが、仲間(候補含む)を傷つけるヤツらは許せねえ。

単純明快、それが俺の正義だ。


一方、ミリアとルナは、キッチンで夜食の準備をしていた。

ルナはまだ少しシャドーを怖がっているようだが、ミリアが優しく話しかけている。


ミリア「大丈夫ですよ、ルナちゃん。リュート様がついていれば、きっと何もかも上手くいきますから」

ルナ「…はい…リュート様は…とても強い方ですものね…」

ミリア「それに、シャドーさんも、本当は悪い人じゃないような気がするんです。リュート様がああやって助けようとするくらいですから」


ミリアの言葉に、ルナも少し頷く。

女同士の絆も、着々と育まれているようだ。良いこった。


リリアーナは自室で、何やら怪しげな薬瓶を並べていた。


リリアーナ「ふふふ…明日はわたくしの調合した秘密兵器も試してみるチャンスですわね…リュート様のお役に立ってみせますわ…!」


なんかヤバそうな気配もするが、まあリリアーナなら大丈夫だろ。たぶん。


セシリアは騎士団の詰所で、部下たちに指示を飛ばしていた。


セシリア「明朝、東地区の廃倉庫街に展開する! 各員、準備を怠るな! あの化け物…いや、リュートの足を引っ張るような失態は許さんぞ!」


騎士団長も大変だな。


そして、シャドーは。

ミリアが用意してくれた簡素な寝間着に着替え、与えられた部屋のベッドに横たわっていた。

しかし、なかなか寝付けないようだ。


シャドー(リュート…あの男の強さは本物だ…そして、あの優しさも…偽りではないのかもしれない…もし…もし本当に自由になれるのなら…私は…)


彼女の胸には、今まで感じたことのない、温かい何かが芽生え始めていた。

それは希望か、あるいは恋か…?

いずれにせよ、彼女の運命は、俺との出会いによって大きく変わろうとしていた。

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