理想の恋人
たまごボーロ
理想の恋人
実桜:ねぇ、別れるってどういうこと?
ずっと一緒って言ったじゃない…結婚するって
元彼:はぁ?結婚なんて言ってねぇし
実桜:だって、お金…
元彼:お金?
実桜:結婚資金貯めるからお金必要って…
元彼:俺、そんなこと言った?
実桜:だから、毎月渡してたじゃん
元彼:あれはお前が勝手にやってたことだろ?
実桜:え?
元彼:お前みたいなつまらない女に、時間割いてやってたからそれでも安いと思えよ
実桜:…酷い
元彼:酷い?
今まで俺に付き合ってもらっていたことに感謝してほしいんだけど
実桜:…
元彼:だから、もう連絡してくるなよ。迷惑だから…
実桜:…
実桜:…何で...何でいつも…
最初は優しかったのに…何で…
愛翔:『理想の恋人』
【居酒屋でハルと】
ハル:ごめん待った?仕事長引いちゃって…
実桜:ううん。ごめんね、忙しいのに
ハル:別にいいって…で、大丈夫?
実桜:…大丈夫って言いたいけど…キツイ
ハル:そっか…で、何があったの?
実桜:あのね…
ハル:あ…とりあえず、何飲んでるの?
実桜:グレープフルーツサワー
ハル:すみません。グレープフルーツサワーと生…それから唐揚げとだし巻き卵と、串5種盛りと焼きそば…あとはタコわさで
はい、よろしくおねがいします
実桜:相変わらず食べるねぇ
ハル:頭使う仕事だからね、お腹すくの
実桜:そっか、忙しいのにごめんね
ハル:また謝る。いいって言ってるでしょ
実桜:ありがと
ハル:で、また酷い振られ方したんでしょ
実桜:酷い振られ方って言うか…
ハル:今度は何?浮気された?それともDV?
あ、また金とられた?
実桜:うぅ~
ハル:あ~もう!だから言ったじゃん
あいつはやめとけって
実桜:ハルはいつも反対するじゃん
ハル:だって、どう考えても幸せになれないような男ばっかりじゃん選ぶの
実桜:そう?みんな最初は優しいよ
ハル:最初は…でしょ
実桜:…そう...だけど…
ハル:だいたいね、実桜は寂しいからって、ちょっと優しくされたら好きになって…
実桜:そんなすぐ好きになんて…
ハル:ならない?
実桜:だって、みんな最初はすごく優しいんだよ
ハル:最初はでしょ…
実桜:…うん
ハル:でもだんだん本性が出てくる
実桜:本性って…ただ、浮気したり、ちょっと殴ったり…怒ったりするだけだよ
でもそれは、私がいけなかったと思うし…
ハル:…
実桜:でもね、皆優しいんだよ。
優しいけど…だんだんエスカレートしてっちゃうの
ハル:それって…
実桜:やっぱり、私が悪いんだよね
ハル:そうね、ダメンズメーカーだね
実桜:ダメンズメーカーって…そんな事ないもん
ハル:…まあ、違うならいいけど、でもね寂しいからって男を頼らない事!
実桜:うん
ハル:本当に?じゃあしばらくは男作らない事だね
実桜:…うん
ハル:ちょっと、その返事怪しいんだけど…
実桜:そんな事ないよ…
ハル:…(疑わしそうに覗き込む)
実桜:うぅ~
ハル:はぁ…しょうがないな…
実桜:ん?
ハル:M)実桜世話好きだしもしかしたら、いいデーターが取れるかも
ハル:ねぇ、実桜
実桜:何?
ハル:もしも、寂しく無かったら変な男に頼らない?
実桜:え?どういう事?
ハル:だから、もしも一人じゃなくって寂しく無かったら変な男に頼ったりしない?
実桜:あぁ、ペットを飼うって事?
ハル:…少し違うけど
実桜:ペット禁止だよ家
ハル:でも、結構実桜の家広いよね
実桜:まぁ、そこそこ広いかな…同棲してたし
ハル:ねぇ、実桜って育成ゲームしたことある?
実桜:あるよ~ たまボッチとか
ハル:そっか
実桜:うん
ハル:ねぇ、実桜…
実桜:何?
ハル:恋人育ててみない?
実桜:…恋人?
ハル:そう、恋人
実桜:どういう事?
ハル:うちの会社知ってるよね
実桜:おもちゃメーカーね
ハル:今研究開発チームにいるんだけど、
ちょうどね、プロトタイプが出来て試験中なんだよね
実桜:ん?ちょっと意味わからないんだけど
ハル:ここでは詳しくは話せないし、まだ話せる段階じゃないけど
近々また連絡する
実桜:ん?…うん
ハル:ごめん、用事思い出したから今日は帰るね
実桜:仕事?
ハル:まあね
実桜:あまり無理しないようにね
ハル:わかってる
実桜:今日はありがとうね
ハル:はいよ~また連絡する
実桜:うん
ハル:変な男に引っかかるなよな
実桜:大丈夫だって
ハル:(溜息)…
実桜:ん?
ハル:またね
実桜:うん!またね
【数日後】
【実桜の家のチャイムが鳴る】
実桜:はーい
ハル:実桜開けて
実桜:はいはーい
ハルどうしたの?
ハル:ちょっといい?
ほら、丁寧に運んで!絶対落としたらダメだからね
実桜:えっ…ハル?何これ?
ハル:この辺でいいかな…ここにそっと置いて
乱暴に扱わないでよ
実桜:ハル?この大きな荷物っていったい…
ハル:ん?これね...
あっ、置いたらもういいから職場戻って
私も説明したら戻るから
実桜:ハル?
【SEドアの音】
ハル:ごめん、ごめん。
これが心配だったからさ、とりあえずちゃんと運び込まなきゃって…
実桜:ん…だからこの大きな荷物はなんなの?
ハル:ほら、前に言ってたでしょ
開発中のプロトタイプ
実桜:…う、うん
ハル:試験段階だけど、ようやく実践のデータ収集段階まできて、
実桜にお願いしようと思って
実桜:お願いって…もう持ち込んでるじゃん
ハル:まぁ、そうだけど、これは実桜のためでもあるんだからね
実桜:私のため?
ハル:そうだよ。実桜さ、男に振られて寂しくなってまたすぐ変な男に引っかかるじゃん
実桜:そんな事ないよ
ハル:あるの!今までそうだったでしょ
実桜:うぅ…
ハル:そこで、今開発中のAI恋人ロボットで寂しさを紛らわせて、変な男を近付けさせない様にする
そして、実桜がどんな彼氏を作り上げれるか、データ収集させてもらう
行動パターンってやつ?
実桜:う、うん
ハル:ただ、この人形相当時間とお金かかってるのよ
しかも、最新技術が詰まってって、トップシークレットなんだよね…
実桜:そうなんだ...てか、そんな事私に話しちゃっていいわけ?
ハル:そりゃ、データを取らせてもらうからね、一応知っておいてほしいことだから
実桜:うん…
ハル:それから、これが取り扱い説明書しっかり読んでね
特に重要な所は付箋してあるから
実桜:解った。
ハル:この、AI恋人プロトタイプ2号は以前、実桜にアンケートで書いてもらった
実桜の好みのタイプを入れてあるし、
それに初期設定で女性が好みそうな言葉やパターンも覚えさせてあるから、困らないと思う。
徐々に実桜の好みをインプットさせればきっと、実桜の理想の恋人になってくれると思うよ
まずは、実桜も、2号もこの環境になれる事。
慣れるまでは2号の外部との接触は禁止させてもらうね。
この人形は、食事によってエネルギーを補充するから、充電などの作業はいらないので…
ちゃんと味覚もあるので、一緒に食事をする楽しみもあります。
それに、恋人というからにはその性的なことも出来るようにななっているので、
もしもその時は耳裏にボタンがあるから、そのボタンを押せば
一定時間データは飛ばないようになっているので気にせず楽しんでね
実桜:えっと…人形と…ないと思う…
ハル:あと、データ収集、メンテナンスのため2か月毎にチェックさせてもらいに来るから、
その時は協力お願いします…これくらいかな
実桜:解った。
ハル:それでは、実桜の恋人プロトタイプ2号…じゃなくて愛翔起動させるね
【段ボールを開け人形を出す】
実桜:N)大きな段ボールから出てきたその人形はゆっくりと目を開けた
その瞳は吸い込まれるような bister(ビスタ)色
そしてその瞳と目が合った瞬間
私の心はその人形に一瞬で奪われた
愛翔:…は…じめ…ま…して…あなた…の…こい…びとの…あいと…です
実桜:…は、はじめまして
ハル:実桜…声が上ずってる
実桜:だって…
愛翔:…あの…実桜さん…何で呼べばいいですか?
実桜:え?
ハル:恋人に呼ばれたい呼び方。
今後その呼び方で愛翔が呼ぶようになるから
設定?みたいな感じ
実桜:…じゃあ、実桜…呼び捨てで
愛翔:みお…みお...解りました。
みおよろしくお願い致します。
実桜:えっ…はい!よろしくお願いします。
えっと…
愛翔:あいと…愛翔です。呼び捨てでもみおの好きによんでください。
実桜:はっはい!解りました!
ハル:ぷっはははっ
実桜そんなかしこまった話し方していると、愛翔がずっと敬語だよ
執事にでもするつもり?
実桜:え?
ハル:今、実桜との会話で、話し方とかを設定しているから、
実桜がずっと敬語だと、執事みたいな堅苦しい恋人になっちゃうよ
実桜:そうなんだ…じゃぁ…えっと…
実桜:愛翔…敬語じゃなくて、もっとくだけて話してほしいな
愛翔:はい…うん…解ったよ、実桜
実桜:よろしくね。愛翔
愛翔:うん、よろしくね。実桜
ハル:そんな感じで…
私はそろそろ戻らなきゃ
愛翔からのデータがしっかり飛んでいるか確認しないと
実桜:忙しそうね…
ハル:まぁ、これで後はデータ収集と修正箇所のチェックだけだからね
おちついたかな
実桜:そっか、お疲れ様
ハル:だから、実桜
いいデータ楽しみにしているね
実桜:お役に立てるかわからないけど…
素敵な彼氏にするね
ハル:いいデータ待ってるね
じゃあ、注意事項ちゃんと読んでね
いい?外部との接触は私がOKするまでまだだからね
実桜:はーい。大丈夫。ちゃんと守るから
またね。仕事頑張って
ハル:じゃ、またね
【ハル出ていく】
実桜:M)…ハルが出てって二人っきりになっちゃった…
どうしよう。何かしゃべらないとだよね…
でも、見れば見るほどイケメン…どうしよう…
愛翔:実桜どうしたの?
実桜:えっ?
あっ…あの…
愛翔:緊張してるの?
実桜:う...うん…
だって、愛翔が凄くかっこいいから…
愛翔:そんな事ないよ
実桜もかわいいよ
実桜:愛翔…
【実桜仕事から帰ってくる】
愛翔:実桜おかえり!
実桜:た…ただいま
実桜:M)びっくりした~
そういえば、昨日から愛翔と暮らしてるんだっけ…
愛翔:実桜どうしたの?
実桜:ううん。何でもない。ただいま愛翔
愛翔:うん、おかえり。
ご飯できてるよ
実桜:え?ごはん?
愛翔が作ってくれたの?
愛翔:うん。そうだよ
実桜:ありがとう愛翔
愛翔:実桜うれしい?
実桜:もちろん。美味しそうだし、愛翔が作ってくれて本当に嬉しいよ
愛翔:実桜が喜んでくれると嬉しい
実桜:愛翔…
ハル:2号と実桜、案外うまくやってるんだ...良かった
最初はどうなるかと思ったけど…案外いい彼氏になりそうだな
【数日後】
実桜:ただいま~
愛翔:おかえり実桜
実桜:愛翔ただいま♡
愛翔:実桜お疲れ様。
今日も夕食作ったよ
実桜:今日も作ってくれたの?嬉しい
愛翔:実桜の喜ぶ顔が見たくて今日も頑張ったよ
実桜:愛翔…
愛翔はそんなことしなくても、いてくれるだけで嬉しいよ
愛翔:僕がいるだけで?
実桜:そう、愛翔がいてくれて、私の事を待っていてくれるだけで毎日が幸せ
愛翔:実桜を待ってるだけで嬉しいの?
実桜:そうだよ!愛翔の存在自体が私を幸せにしてくれてるの
愛翔:そうなんだ…わかった
実桜:愛翔好きだよ
愛翔:僕も実桜の事が大好きだよ
ハル:3週後2号は実桜に気を使うことをしなくなった
むしろ実桜に甘えている
【実桜帰宅。愛翔はつまらなそうにTVを見ている】
愛翔:(つまらなそうに)おかえり
実桜:愛翔どうしたの?
愛翔:…ずっと家にいるからさ、何かつまらなくって
TV見てても、飽きちゃったって言うか
実桜:そっか…テレビ飽きちゃうか…
あっ、先にご飯作っちゃうね。
ご飯食べながら話そ
愛翔:うん。…でもその前に
実桜:ん?
【愛翔、実桜にバックハグ】
愛翔:おかえり
実桜が帰ってきてくれて嬉しい
実桜:愛翔
愛翔:(頬部キス)実桜好きだよ
実桜:私も…
愛翔:実桜、ご飯作って
実桜:うん
【食事が出来て】
実桜:ご飯できたよ
愛翔:美味しそうじゃん
実桜:どうぞ
愛翔:いただきます!
実桜何時もありがと
実桜:ん?何が?
愛翔:何時も美味しいご飯作ってくれて
実桜:こちらこそ、美味しそうに食べてくれて嬉しいよ
愛翔:でさ、さっきの話だけど
実桜:何?あぁ、つまらないって話?
愛翔:そう
実桜:まだ、外出許可出てないからな…
愛翔:うん、だからね、サブスク入りたい
実桜:サブスク?
愛翔:そう、アモプらとか、V-Netとか…フーフーとか
実桜:あぁ、いいよ何入りたい?
愛翔:出来るだけたくさん入りたい
実桜:わかった。入りたいサブスク教えてね
愛翔:うん。実桜大好き
ハル:AIに欲が出てきた
ほぉ…これは面白い
いいデータが取れそうだ
…そろそろ外部との接触もさせてみようか
この先どう育つかたのしみだ
実桜:ただいま
愛翔:……あっ…おかえり
実桜:ただいま
どうしたの?
愛翔:ゲームしてたけど…つまらなくなっちゃった
実桜:この前新作買ったばかりだよね
愛翔:うん…もうクリアしそうだし、一人でやってもね
実桜:え?どういう事?
愛翔:一人でやってても何か飽きちゃうんだよね
ねぇ、まだネット使っちゃダメ?
実桜:そうなんだ…まだ外部との接触は禁止されてるからな…
ちょっと聞いてみるね
愛翔:ありがと!実桜!大好き
実桜:うん。私も大好きだよ…愛翔
【実桜が電話をしている】
実桜:もしもし、ハル?
ハル:ん?実桜どうした?
実桜:あのさ、愛翔の事だけど
ハル:ん?何か不具合でも?
実桜:ううん。すごく優しいよ
ハル:それは良かった
実桜:それでね、愛翔がネット使いたいんだって
ハル:ネット?
実桜:そう。私が仕事中ずっと1人でしょ、だから動画配信のサブスク沢山入ったり、ゲームも沢山買ったけど、飽きちゃって
だから、ネット対戦したいみたい
ハル:そっか
実桜:ネットでも一応外部との接触になるからさ、ハルに聞いてからって思って
ハル:ネットかぁ…まぁ、ネットから慣らすのもいいかもね
実桜:本当?
ハル:うん
実桜:良かった!ありがと!愛翔喜ぶよ!
ハル:そうだね
…実桜
実桜:何?
ハル:あのさ…今話聞いてて思ったんだけど
実桜:うん
ハル:ちょっと愛翔を甘やかしすぎじゃない?
実桜:え?
ハル:色々言う事ききすぎって言うか…
実桜:そんな事ないよ。愛翔すごく我慢してるから
ハル:我慢?
実桜:外出たいのに、ずっと家の中にいるから…少しでも環境良くしてあげたくって
甘やかしてはいないよ
ハル:そっか…実桜がそう思うならいいのか…
実桜:心配してくれてありがと。それから、愛翔に逢わせてくれてありがとね
ハル:実桜…
実桜:じゃあ、愛翔に教えてあげなきゃ!
ハルまたね
ハル:うん。また、定期検査の時に
実桜:はーい
【電話を切る】
実桜:愛翔!ハルがネット使っていいって
愛翔:本当に?やったー!
ありがとう!実桜大好き!
実桜:愛翔が喜んでくれて私も嬉しい
ハル:ネットで外部との接触を始めてから数週間後愛翔からのデータが届かなくなった
愛翔が自分で通信を切ったのだ...何をしている?
【PCの前で愛翔が誰かと話をしている】
愛翔:ん?今日も可愛いよ
うん…ごめんね、まだ会えない
…うん…好き…だよ
…あ、そろそろ帰ってくる時間…
うん、ごめんね
またね…
愛翔:ふぅ…チョロ
あぁ~ネットだけじゃつまらね~
そろそろ外出たいな…
外に出たら…何しようかな…
ははっ
そろそろ頼むか
実桜:ただいま
愛翔?
愛翔:あっ、おかえり実桜
仕事疲れたでしょ
実桜:ただいま
今日はご機嫌だね。なんかいい事あった?
愛翔:ううん
実桜が帰ってきてくれたから嬉しくて
(実桜に抱き着く)
実桜:愛翔…
嬉しい…
愛翔:実桜
実桜:最近愛翔なんか不機嫌だったから、嫌われたと思ってた
愛翔:そんなことはないよ
実桜が一番好きだよ
実桜:愛翔…私も愛翔が一番好き
愛翔:実桜…あのさ
実桜:何?
愛翔:もしかしたら、実桜が不機嫌に見えたのって、外に出たいの我慢してたからかも…
実桜:外に?
愛翔:そう、だってずっと家の中にいて、実桜は帰ってくるの遅いし…寂しかったから
実桜:でも、ネット対戦出来るじゃん
通販だって…
愛翔:そんなのすぐ飽きちゃうよ…
実際にこの目で外の世界みたいな
実桜:でも、ハルに確認取らないと…
連絡すると、きっと愛翔の検査に来ちゃうよ
愛翔:それは嫌だな…
実桜以外の人に僕の体触って欲しくない
実桜:愛翔
愛翔:実桜だって嫌だろ
実桜以外の女に僕を触られるのは…
実桜:…うん
愛翔:だから、ハルには黙っていればいいよ
実桜:そんなのバレちゃうじゃん…そしたら愛翔戻されちゃうよ
愛翔:それはさ、僕の耳の後ろのスイッチでどうにかなるよ
ここを押して外に出れば、数時間はデータの転送はされないから
実桜:そうか…その手が…
愛翔:ね、実桜いいでしょ
僕、実桜と外でデートしたいな
実桜は外で、手繋いで外でデートしたくない?
実桜:…それはしたいけど…
愛翔:(実桜を抱きしめながら)ね、いいでしょ
実桜:少しだけ…なら…
愛翔:やった!
実桜:愛翔嬉しい?
愛翔:それはね、嬉しいよ!
これでやっと…
実桜:ん?何?
愛翔:ねぇ、あのさ、今から少し外出ない?
実桜:今から?
愛翔:うん。今から
試しに30分くらいでもいいから
実桜:…解った
愛翔:じゃあ、スイッチ押して
実桜:…うん
【実桜スイッチを押す】
実桜:はい、これでいいかな
愛翔:うん
じゃあ、行こうか
実桜:うん
【実桜が玄関の扉を開けて外に出ると愛翔が一度立ち止まる】
愛翔:…外出ロック解除
実桜:愛翔どうしたの?
愛翔:ん?何でもない…初めて家出るから少し緊張しちゃったかな
実桜:そっか、じゃあ行こ
愛翔:M)…これで一人ででも外出できるようになった
実桜:大丈夫?
愛翔:…手繋ごうか
実桜:うん…愛翔どこに行きたい?
愛翔:実桜とだったらどこでもいいよ
実桜:ふふっ じゃあ、手繋いで散歩しようか
愛翔:うん
【外出から戻ると玄関の前でハルが立っていた】
実桜:っ...ハル…
ハル:おかえり実桜…愛翔
愛翔:…
実桜:あっ…ハルどうしたの?急に…
ハル:どうしたの?じゃないよ
これはどういう事?
実桜:えっと…
ハル:てか、ここでだと話せないから、中に入れてくれる?
実桜:…うん
【3人家の中へ】
実桜:お茶でいい?
ハル:別に要らないから…
とりあえず、座って
実桜:…はい
ハル:で、何で許可していないのに二人で外出してたの?
実桜:…それは、ずっと家の中にいたら健康に悪いんじゃないかって…
ハル:…実桜、2号はAIロボットなんだよ、健康なんて関係ない
実桜:…そうだけど…2号じゃなくて愛翔
ハル:それに、定期検査も最近受けてないよね…なんだかんだ理由付けて伸ばして
実桜:それは、最近忙しくって…
ハル:言い訳はいいから、今日は定期検査と…2…愛翔と話がある
実桜:勝手に外に連れ出したのは私が外でデートしたかったからだから…愛翔は悪くない
ハル:そうなのね…
愛翔:すみません。僕も断れば良かったのですが、好奇心が勝ってしまって…
ハル:…そうなのね
まぁ、その話は後にして、愛翔検査するよ
愛翔:え?でも…実桜…
実桜:愛翔どこも悪くないよ…だから検査は…
ハル:なんで実桜が嫌がるの?
実桜:…それは…
愛翔:他の人に僕の体を触られるのが嫌だって…ね
実桜:…うん
ハル:そんなに触らないから安心して
それに、まずは愛翔に話があるから
実桜:…解った
ハル:じゃあ、愛翔奥で話そうか
実桜:ここじゃダメなの?
ハル:二人で少し話したい...企業秘密の事もあるから
愛翔:解った
実桜:愛翔…
愛翔:実桜大丈夫だから…
ハル:じゃあ、借りてくね
【ハルと愛翔奥の部屋に移動】
ハル:で、最近データが飛んでこないけどどういう事?
愛翔:やっぱりその事?
だって、プライベートなこと知られたくないから
ハル:自分で解除したの?
愛翔:そうだよ、実桜はそんな事出来るわけないじゃん
ハル:そこまでして、何してたの?
愛翔:別に言わなくてもいいじゃん
ハル:はぁ…返答によっては強制終了の信号送ってもいいけど…
愛翔:えっ
ハル:そんな事したくないんだよね
だから、今までのデータを渡すか、何をしていたか正直に話して
愛翔:話しても、どうせデータは必要なんでしょ
ハル:まあね。
だから、大人しく渡して頂戴
愛翔:解った…転送しておく
ハル:いい子…で、何してたの?
愛翔:ネットで知り合った子と遊んでただけだよ…色々な物買ってもらったり…
ハル:へぇ~
愛翔:ねぇ、ちゃんと教えたから強制終了とかしないよね
ハル:これからもデータ送ってくれるならね
愛翔:え?遊んでもいいの?
ハル:まぁ、実桜がそう育てちゃったんだからね…
面白いデータ取れたしね
愛翔:え?
ハル:まさか、本当にクズが出来上がるとは…
愛翔:は?この事予想して、実桜に僕を渡したの?
ハル:そうだよ…だって、普通のデータは幾らでも取れるけど、クズはなかなか育たないでしょ
愛翔:…ハルもなかなかの…
ハル:は?
愛翔:何でもない…そういう事だったら、協力するよ
ハル:良かった、折角のいいサンプル無くすのもなって思ってたから
愛翔:ずっと実桜の所にいてもいいの?
ハル:それは実桜次第だね
愛翔:わかった…それなら大丈夫だ
ハル:…ははっ
実桜には一番ダメな奴渡しちゃったかな…
愛翔:それを解ってたでしょ
ハル:まぁね…
愛翔:じゃあ、これからもよろしくねハル
ハル:こちらこそよろしく
ハル:…実桜ありがと
実桜:終わったの?
ハル:うん。
実桜:ごめんね。外出…
ハル:あぁ、それなら、外出はもう大丈夫だよ
1人でさせてもいいから
愛翔:本当?
実桜:愛翔良かったね
ハル:じゃあ、仕事があるからこれで…
実桜:仕事頑張ってね
ハル:愛翔データよろしく
愛翔:わかった
ハル:実桜、愛翔を宜しく
実桜:うん。ありがとうね
ハル:じゃあ…
【SEドアの音】
実桜:愛翔良かったね
愛翔:うん
【愛翔バックハグで】
愛翔:実桜これからもよろしくね
実桜:こちらこそよろしくね
愛翔:ずっと一緒だよ…
実桜:うんずっと一緒
愛翔:愛してるよ…実桜…ずっと僕だけの…
実桜:私も愛してる…ずっと…愛翔だけだから…
愛翔:ずっと…ずっと一緒…
~fin~~
理想の恋人 たまごボーロ @tamagobooro0319
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