story 2:
だからさあ、風が強すぎるんだって。
家を建てる前は、夢見ていました、私だって。
もしも、私が家を建てたなら・・・。あの歌詞のようにですね、いや、ちょっと内容としては違うんだけれども、お庭に洗濯物干して、お日様のにおい♡とか言いながら取り込んで、なんて。
風、強すぎ。
確かに私は怠け者です。家事嫌いです。おまけに共働きで、外に洗濯物干して出かけて取り込むのは19時過ぎ。お日様のにおいどころか夜露で濡れていたりする。そういうマイナス要素はたくさんあります。だから、家干ししている現状をすべて風のせいにするのは違う、それは分かっています。
でもさ、ベランダにどこかの誰かのブリーフが舞い降りている状況って、どうなのよ。ちなみに一軒家だからね?帰ってきたら物干しざおごと物干し台から落ちているって、どういうこと?
洗濯物単体が風で飛ばされる、なんて、まだかわいい。
洗濯物が物干しざおに止められたまま。一緒に地面に落ちている。いや、私の朝の努力はどうなった?おかしいからね?朝はそんなに風、強くなかったでしょ?
で、よ。建物の中から外見るでしょ?自転車通学している中学生や高校生、進んでいない。向かい風の先に、学校があるんだね。
静止画か!って、突っ込みたくなるけど、足はペダルをしっかり漕いでる。いやー、大変だね。じゃなくて、あなたたちもさ、自転車を押して歩いたほうが早いんじゃないの?親に車で送ってもらう、なんて甘えた選択をしていないだけで立派なんだから、遅刻だなんだっていう奴は放っておけばいいのよ。あと、女子。下にジャージはいて対策しているのは素晴らしいんだけど、もう、スカートは諦めた方が良いと思う。やっぱりスカートが翻ると抑えたくなるけれど、無理でしょ?制服で登校なんてくそくらえ、ジャージでOK。おばちゃん、見てると怖いのよ。ハンドルを片手で握って、片手はスカート抑えたバランスの悪い格好で、風向きは急に変わるしね。
だいたいさあ、この風、別に台風が来ているわけじゃないから。台風のほうがまだ良い。飛びそうなものを片づけたり雨戸を閉めたり、対策ができるじゃない。この、日常の中で台風並みの風、ってどうなのよ。下手すると、どこかから飛んできたベニヤ板が家や車に当たるからね?
車を運転してたら、風で折れた枝が急に車道に飛び出してくるし、動物注意と同じ程度で木の枝注意なんだわ。歩いていてもしなった木の枝に顔を叩かれたり、突風で手に持っていたレシートが飛んで行ったり。
一端手から離れた紙類を取り戻そうなんて絶対無理だから。お札がそうならないようにみんな必死。下手したらカード類だって二度と巡り合えない可能性もある。
子どもが追いかけてれば車道に飛び出さないか心配だし、お年寄りが追いかけていれば転んで骨折するんじゃないかと心配するんだけど、若い人はね。ごめん。ちょっと面白い。若いだけにね、もう少しで手が届く、っていう状況を繰り返すんだよね。とても微笑ましく見ております。
誰だって、夢がそのまま現実になるなんてことはなかなか無いだろうけれど。
冒頭の、小坂明子さん作詞の『あなた』の主人公、詩の内容が夢で終わってしまったことは気の毒だけど。
台風並みの大風で、洗濯物の落下に落ち込んだり、手元を離れた紙を髪振り乱して形相変えて追いかけたり、そんな現実を味わわずに済んだのは良かったんじゃないかな、きっと。
風に吹かれて (旧題:風と物と詩の物語) @namakesaru
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