アンサー

声兎

アンサー

彼氏が浮気してる

そのことを私は知ってる

殺したい

あのクソ彼氏を


でもただ殺すのはもったいない

じっくり労って殺してあげる

私以外の女と関係を持った

お前が悪いんだから


そんなことをSNSに書き込む

メラメラと燃えたぎる復讐心と裏腹に

なぜか冷静な私がいた

なんなら冷静さが勝ってる


彼が仕事から帰ってきた

彼は私に抱きつき

甘えた声で「好きだよ」と言ってきた

偽りの愛の言葉


私はいつもの私を演じて

気づいてないふりをする

知ってるよ、あなたの本性

「私も好きだよ」と冷めきった言葉で返す


私たちの関係は

どこか冷え切ったご飯よう

彼はそうは思っていないのかもしれないが

私の笑顔はとっくの昔に作り笑顔


夜の営みも

どこか○○○の感覚

自分の立ち位置は

いつの間にか変わってしまっていた


近ければ近いほど

深くなって

遠ければ遠いほど

もっと深くえぐられる


好きという感情が

ここまで鋭利だとは思わなかった

でも今は違う

好きという感情が無味に感じる


なりたくなかった

たった3文字のポジション

まだ好きという感情が残っている私は

バカですか


私を起こさないように静かに部屋を出ていく彼氏

愛のない行ってきますのキス

思わせぶりをする彼氏の態度が

マジでウザ


「別れよ」

という言葉は彼にはもったいないと思った

何も言わないまま消える

これが私が出したベストアンサー


彼が部屋を出ていったあと

部屋にある私物を片付けて

わざと掃除をして綺麗にし

部屋の鍵を閉めて

郵便受けに鍵を投函する


振り返りもせず

まっすぐ駅へと歩く

これで良かったんだよね

たぶん


降ってきた冷たい雨

私は雨に励まされている感覚になった

私の涙が雨に同化する


   

                 ─完─




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アンサー 声兎 @i_my

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