よみがえったのは本当に本人なのか
- ★★★ Excellent!!!
AIの技術によって、死者を“よみがえらせる”ことが可能になった、そんな時代を描いた物語。
このレビューを書いている時点では、まだ第五章までの連載中ですが、すでに深く引き込まれてしまいました。
現実のAI技術の進歩を思えば、この小説に描かれる未来は決して絵空事ではないのかもしれません。記憶や言葉、ふるまいまでもが再現され、かつての「誰か」が、再び私たちの前に姿を現す——そんな日が、本当に来るでしょう。
ただ、気になるのはそれが本当に本人なのかという疑問です。おそらくAIは過去の記憶をもとに当人を"再現"しているわけですが、それは生前の本人と同じと呼べるかは難しい問題です。場合によっては、作中のように恣意的な目的に使われることもあるでしょう。
難解なテーマをどう描いていくのか、その行方を見届けたくなります。そして何より、物語としての純粋な魅力にもあふれており、続きを読むのが待ち遠しい作品です。