memory memo

@Omoide_in_my

2人の特殊能力捜査官の話

「続いてのニュースです。6月20日 昨日、小倉北区魚町商店街にて、広範囲爆破事件が発生しました。今月で5度目です。合計死者は100名を超えてます。犯人は未だ見つかっていません。そして、爆破の原因は未だ究明できておりません。日本の皆様、不要な外出はお控えください。もし不審物を見つけた場合、直ちに逃げてください。あ、たった今速報が入って来ました!爆発の正体は……………………


鷹山(たかやま)「これはやっぱり奇怪な事件だなぁ。爆破事件ねぇ、まず威力が半径100メートルに及びかなり大きい。そして誰かが設置する瞬間も確認することは出来ない。いかんせんそこらの監視カメラは爆破消滅してて足取りが掴めん。といった所か。」


縦木(たてぎ)「鷹山さん!」


鷹山「どうした?」


縦木「そろそろお昼休憩です。食堂に行きましょう。」


こやつは助手の縦木。突然だが、縦木には特殊能力がある。それは、「物体を見ただけでその性質を理解出来る能力」だ。例えば、初めてスマートフォンを見たとしても、これは電話をしたりゲームをしたり、何か調べたりすることが出来る物だと瞬時に理解出来る。さらに極めつけは、死体を見た瞬間に死因が分かる。そして殺人だった場合、誰が犯人かも分かってしまう、とんでもないチート能力だ。だが縦木自身、それが人智を超えた特殊能力だということに気づいていない、あくまでちょっとした特技くらいに思っている。だから縦木に先に犯人を見つけて貰い、そこから逆算的に推理を展開し、あたかも俺が犯人を言い当てるみたいな感じで出世に利用させてもらっている。とは言えど、実は俺にも特殊能力がある。それは、「視界を撮影することが出来る」能力だ。だから、見たものを瞬時に覚え、忘れることの無い、真の写真記憶が出来る。俺はこの能力を利用し、教科書の全てのページを写真記憶し、熊本県最高峰の高校である、済々黌高校にも合格している。そしてさらに能力の応用として、USBメモリとかパソコンを手に持っておくと、撮影した写真を、その時思ったことや感じたことをメモとして付随し、それに移すことができる。だから、俺はいつもUSBメモリをポケットに入れて持ち歩いてる、何があってもいいようにね。ちなみにこの能力のことは縦木には教えていない。


縦木「鷹山さん、今日は何食べるんですか?」

鷹山「今日は……くっ…」


そう、特殊能力を持っていて一見パーフェクトヒューマンかと思われるが、欠点がある、それは、好きな人の前だと上手く喋ることが出来ない!!見つめ合うと素直にお喋り出来ないんや!まるで某オールスターズの曲のようにね……何を隠そう縦木とは大学から同じで何故かたまたま俺と同じ道を歩む羽目になって何故かたまたま俺と同じ部署になって………


縦木「鷹山さん?どうしました?」

鷹山「あーーいやいやいやなんも無い。今日は鶏ハムを食べます。」

縦木「なんで急に敬語なんですか。」

鷹山「はは……」


そんなたわいもない話をしながら好物の鶏ハムを食し、仕事場へともどった。


警視「緊急!全員こちらに集まってくれ!」


なんだなんだ?


警視「突然で申し訳ないが、日本全国爆破事件特別捜査部隊に、我々が選ばれた。この捜査は大変危険だ。もう既に4度の爆破事件が起こっているが、そのうち初例を除いた3度、捜査員が何名かが犠牲になっている。覚悟があるものはこの場に残って欲しい。しかし、そうで無い者はここから去ってくれ。」


鷹山(あーーまじかこれ参加しないとクビになるやつーー。縦木の様子は……あーめっちゃ参加したくなさそーな顔してるわ。そんな人間味があるところもいい所なんだよなぁ。仕方ない、穏便に行動すれば大丈夫なはずだ。)

こうして、2人して捜査に参加することとなった。



捜査初日がやってきた。まず、この捜査の最も重要な目的は爆発の原因を究明すること。この原因が分からぬままならば国民は安心して外出することなぞ出来ないだろう。


鷹山「俺たちどこ捜すんだっけか?」

縦木「小倉北区魚町商店街です。」


あそうだった。事件に共通することとして、人通りが少ない場所、またはそのような時間帯で爆発が起こっていた。


鷹山「魚町商店街は実際どうなんだ?」

縦木「えーと昼は人多いからあれだとして、夜は他のところに比べたら酔っ払いとかいるんで、人通りとか多い方だと思うんですよね。それもあって、私たちはこんな朝っぱらに捜査行く羽目になったんですよ。なんかそこら辺倒れてる人とかいますけども。」



…………さて、ここら辺から魚町商店街か。かなり静かだな。しばらく警戒しながら足を進めたが、爆発物らしきものは見当たらない。あー特に何かある訳でもなさそう、か??このまま平穏に終わってくれるとありがたいんだが……



ザザッ。



鷹山(え?な、なんだよコイツら……目の前にいきなり現れて来たぞ。鉄パイプに仮面を被ってる明らかにやべぇやつら。なんかこっちに向かってくる。何人居るんだよ…ざっと20人はいるか。ちくしょう、銃の装弾数は5発しかねぇ。縦木のと合わせても10発。到底足りない。戦闘するか??いいや無謀だ。縦木を危険な目に合わせる訳にはいかない。縦木は俺にとって大切な人間、ならばここは……………………逃げの一手!)


鷹山「縦木、逃げるぞ!」

縦木「は、はい!」


縦木の手を右手で握り、反対方向に走り出した。そいつらは俺らを追ってきた。商店街のまがり角を駆使しながら撒こうとするが、結構しぶとい。恐らく、今この時間はいわゆる命の危機というやつなのだろう、なぜか知らんが鉄パイプを持ったやべぇ集団に追いかけ回される。しかし何故だろう、恐怖心はあまり無い。むしろ縦木とこのスリルを共有していることにある種の安心感とドキドキを楽しんでる節まである。縦木を見てみた。

なんだ、楽しそうじゃん。


鷹山「おい縦木!なんだか楽しそうじゃん!」

縦木「はい!だってあの人ら、私たちを襲うつもりなんてありませんから!」

鷹山「な、なに!?あいつらの性質を見抜いたってのか!なんだよー!!もー!」


俺の荒い息遣いはいつからか笑い声に使われていた………………




え??




鷹山「(じゃあこれなに???なんで俺らを追ってきてんの?)縦木!もう一回だけあいつらを見てくれないか!なにかがおかしい!」

縦木「わ、分かりました!………………………な、なるほど、あの人らは私たちをある場所へと誘導したかったようですね。」

鷹山「誘導!?どこに!?」

縦木「えっとその場所は……あ、あれ??あの人ら急にいなくなっちゃいました!」

鷹山「いなくなった??それって、もしかして………誘導が……完了、してしまった可能性が……」




え、




と縦木から聞こえた。

2人は、右の方向を見ていた。縦木の向こう側の景色に、確かに俺の目に映った。地面の上に置かれた、緑色に包まれた箱。縦木は冷静にこう言った。







縦木「あの緑色の物体は、人に視認された直後、爆発する。」







その刹那、2人は死を悟った。そういう事か。あいつらは、厄介者である警察俺らを緑の箱に誘導し爆発させていたのか。


縦木「鷹山さん………私も………好きです。」

鷹山「縦木……お前、俺の性質を………」


俺は決死の速さでこの視界を撮影し、この物体の性質のメモと共にポケットのUSBに保存をした………………………………





…………………あ、たった今速報が入って来ました!爆発の正体は……………緑色の箱のようです!ただの箱ではなく…「人が視認した直後に爆発する」という仕組みの箱のようです!どのような仕組みなのかは全く分かりません!現場に落ちていたUSBメモリを鑑定した結果そのようなメモと写真が記されていた模様です。視認したら爆発するという性質は恐らくこのUSBメモリが無ければ発見されることはなかったでしょう。このUSBメモリは実行犯のものなんですかね?えー、これが実際の写真とメモです。このように、「緑の箱、人が視認した直後に爆発する」というメモが見て取れます。ただ1つ気になるメモがあるんですけれども……






なんなんですかね、この「両思い」ってやつは??」



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