大暴力小説大会を主催している作者、という前提で読まさせてもらってるので、まずはこの作品がその立場としてお見事すぎるなと感心しました。暴力を受ける者、そして暴力を振るう者の一歩進んだ感覚というものが描かれていて、暴力が連鎖していく様はまるで企画参加者たちを比喩してるようで面白かったです。また仕掛けた側の人間が特別一人というわけでなく、同じ感覚を持つものに共感されているというのも面白いところ。暴力というものの捉え方、描き方が『内と外』で表現されている感じがお見事でした。
右の頬を打たれたなら左の頬を差し出せ。他者の暴力を受け入れることは、誰かを愛することに似ている。愛し愛されたいと望むのは、どんな人間だって同じはずだ。被虐への渇望は倒錯的でありながら、暴力で繋がれたその絆は何よりもいとおしい。大いなる暴力のために私たちはまた歩き出す。壊れた祈りのその先を夢見ながら。とてもいい暴力でした。