「ハートたくさんできましたね」
「…何個か失敗しちゃいました」
途中で破けたり、くしゃくしゃになっちゃったものもいっぱいある。勿体ないって、言われちゃうかな…
「全然いいんですよ。失敗しない人なんていませんから。壁に貼ってみましょうか。どこでも良いですよ」
田所さんはずっとニコニコしている。全然怒ったりしない。失敗しても笑ってくれる。なんでなんだろう…私が心配そうな顔をしていると、優しい声で話しかけてくれる。
「ここでは、あなたを責めたり怒ったりする人は誰もいません。そんなに緊張しないで、もっと楽しく過ごしてみてください」
怒られないの…?良いの…?
「…頑張ります」
頭をなでてくれる。あったかい…
「咲さん、幸せのクローバーって知ってますか?」
「…知らないです」
田所さんが、私の作ったハートを4つ並べた。
「クローバーという葉っぱは、普通3枚の葉でできています。ただ、人に踏まれたり何かの病気になったり、困難を乗り越えたクローバーは4枚の葉になるんです。その力強さや珍しさから、見つけたら幸せになると言われているんです」
「幸せのクローバ…」
見つけたら幸せになれるなら、いっぱいあったらみんな幸せになれるのかな?ここに来る人達は病気とか事故に遭った人だって、田所さんが言ってたし、クローバがあったら、目が覚めた時も幸せになれるのかも。
「あ、すみません新しい方が来られてしまいました…では咲さん、
幽便局で、働いています。 ところわか @wakatan
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