第2話 おばあちゃん瀕死者を蘇生させる
不死と恐れられた魔物を屠る手助けをしたおばあちゃんは、冒険者ギルドに迎えられ、最下級のFランク冒険者となった。
ギルドマスターは
「なんなら、特例でAクラス冒険者からはじめてもらってもいいですよ。そういう実力ですし」
と言ってくれたのだが、おばあちゃんは断った。
「特別扱いは妬まれたりするからねえ。普通にいちばん下からでええよぉ」
おばあちゃんには世間知がある。冒険者みたいな実力主義の世界ほど特別扱いされる人への風あたりは強いとわかっていたのだろう。
「突然やってきた年寄りを世話していただけるだけでもありがたいですわぁ」
おばあちゃんは礼を言った。
ギルマスターはおばあちゃんがギルド会館の一室に寝泊まりできるようにしてくれていた。値段も普通だった。
「家賃ぶん、なんか稼がないとだめだぁねぇ」
半殺しの棒をふりかぶりながらおばあちゃんは独り言をいった。
機会はすぐに訪れた。
ダンジョンで深手を追った冒険者がギルド会館に運び込まれた。
若い男が二人。ともに死にかけていた。単純な回復魔法も効かないほどの重症で、回復ポーションを吸収する力もない。
おばあちゃんの半殺しの棒が光った。
「この棒が二人さ、殴れって言うとるわぁ」
おばあちゃんにしか聞こえない半殺し棒の声。それにしたがって、おばあちゃんは二人の若者を棒でぶん殴った。
その瞬間に起きたことはーー奇跡的な回復だった。
瀕死だったはずの若者のライフポイントが復活していく。
殴ればなぐるほど生命力を取り戻していった。
「これ、あれだわ。半殺しだからねえ。半分は生きてるからねえ」
ついに瀕死の状態から脱した男たちが、声をあげる。
「痛い! もうおばあちゃんやめて。また死んじゃうから」
おばあちゃんは棒でぶつのをやめた。
二人の若者を救ったことで、礼金が支払われた。
おばあちゃんはそれで家賃を賄うことができた。
「まんず。こらあ、すごい棒だ。なんでもかんでも半殺し。これからも助けてくれなあ」
おばあちゃんは棒をなでながら言った。
餅米を半分潰すための棒を持ったおばあちゃんが異世界転移して無双する プラウダ・クレムニク @shirakawa-yofune
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