餅米を半分潰すための棒を持ったおばあちゃんが異世界転移して無双する

プラウダ・クレムニク

第1話 おばあちゃん、公民館から異世界転移する

おばあちゃんは、公民館でずんだ餅を作っていたはずだった。


おばあちゃんは割烹着を着て頭を手ぬぐいで覆っていた。


おばあちゃんは餅米を潰していたはずだった。


太い棒で米粒が残る程度に潰す。これを「半殺し」と呼ぶ。おばあちゃんは半殺しの名人だった。


気がつくと、おばあちゃんは公民館ではない場所にいた。


目の前は暗かった。しかし闇の中で燃えているものがある。


よく見ると目だった。バケモノの目だ。


「なんと…」

おばあちゃんは驚いた。

「あっちさ、行け!」

おばあちゃんは手にした棒を振って言った。

モンスターが動いた。

おばあちゃんに飛びかかる。

モンスターの頭に棒が当たった。

カコーンと音がした。


しかし、そんなものに効果があるわけもなく。わけもなく……いや、効果はあった! モンスターは仮死状態になった。


「なんだぁ? 動かなくなったか? 死んだんか?」


しかし、モンスターは微かに動いている。


「ヒィイ。だれかぁ、助けてぇ」


おばあちゃんの声に応えるように冒険者たちが現れた。


「なんと、不死の化け物を半殺しに…」

冒険者のひとりが言った。


「あとはわれわれにお任せください」


まかすもなにもおばあちゃんは腰が抜けて立つこともできなかった。


「素晴らしいワンドをお持ちですね」

冒険者の一人が言う。


「ああ、これか。これで半殺しだぁ。美味しい餅作ったるよ」

おばあちゃんは言った。


おばあちゃんが手にしている棒は、この世界では特別な力を持つ。


再生能力が強く何度でも復活する魔物も半殺しにされてしまうのだ。


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