第30話 買い出しに行きたい!
「お泊まりよ!学校でお泊まりしましょ!!」
疑問や疑念、モラルを疑うことよりも。なるほどそれで洋服か。というアハ体験が先に来ている。
そして思った。ちょっと待てと。
「さすがに学校はヤバいだろ。他の家がいいんじゃ?」
「カゲの家はつまらないし、私の家に男を泊めるなんて無茶よ。
そしてハナちゃんの家は貧乏!アイちゃんの家は前に泊ったから消去法で学校なのよ」
「ちょっとまて、二個目すごいこと言ってたぞ」
花豊先輩の家庭が貧しいなんて新情報。
あと先輩に貧乏とかいうな。
「…じゃあ、泊るとしてどこに泊るんだ?」
「カゲ、思い出してみて。私たちはなんで天文部へ入部したの?」
「なんでって…」
なぜ天文部へ入部したか。確か、顧問を探したり部活を考えたりするのがめんどくさかったからだった気がする。
いやでもヒナミはそのことを言っているわけではない。僕に恥をかかせたくての質問だろう。つまり、僕が見落としてる…
「屋上に行けるからです!!!」
メモ帳を見返しながら花豊先輩は言った。
おのれ、もう少しで出そうだったのに。
「そうよハナちゃん。屋上使えるのよ」
「そういえば天文部だったね。」
「しかもよ!天文部という理由で星を観察するために夜まで残れることになったわ!これによって学校にいる最後の先生よりも長く入れる許可をもらえたのよ!」
「そんなこと可能なんですか?」
「そこは私が幅を利かせといたわ」
「泊るって、みんなで仲良く寝袋か?」
「当り前よ。でも聞いて、テントも持ってきたのよ!アイちゃんが!」
「じゃーん。」
アイカは後ろに隠していたテントの部品たちを見せる。
「アイカのパパ、アウトドアなんだよね。」
珍しく用意周到なヒナミであり、お泊まりに向けて色々と始まった。
◇
と言うわけで、買い出し組とテント設計組で別れることになった。
時間も大量にあるんだし、4人でやればいいじゃんと言ったが、
「こういう一致団結する時は見えない所でやっているというチームワーク感がいんでしょうが。あ、カゲには友達がいたことないから分からないのね」
と言われた。畜生め。
チームは何かの因果なのか、精工に分けた結果、アイカと花豊先輩。僕とヒナミになった。
そして現在、ヒナミとスーパーで買い出しをしている。
「…これ僕の奢りか?」
「いや、部費で賄うわよ」
「それはどうなのか」
「お肉もマシュマロも買ったし、あとは…」
「調味料は?」
「調味料は
科学部なのに坊主を強制させる頭のおかしい先生だ。
水鏡高校の三大美女教師の一人。
ちなみに二人目はうちの担任、平泉美麗先生で、三人目は…
「影真じゃない!何してるのよ!」
話しかけてきたのは、庶民のスーパーだと言うのに、やたら服装が派手でサングラスまでかけている夫人。
いや、これが水鏡高校の美女教師などでは決してない。
まさか、こんなところで会うとは。
「カゲ、この方は誰なの?」
「…僕の母親だ。」
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学校で1番普通の女の子から【強制ラブコメ】させられたけど案外悪くない 箒 @koyomihoukibosi
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