第53話 しぶといご様子

 島の方ではいろいろ起こっている時。

 もしかするとハーレムでは?と、思うかもしれないが。

 まあ、島は島で多分主に良い方に進んでいる時のこと。

 トップオーバカーネ国の方は完全に混乱が起きていた。

 それはそれはもうなんでいきなりこんなにもすべてが壊れるのか。楽しいくらい混乱が起きていた。

 山が崩れた?と、思っていた次の瞬間には水が減った――ではなく。突然の大洪水が起きたり。

 そして山間部だけで終わるかと思ったら。

 その山間部でどっかのおバカが余計なことをさせたことで、山間部だけで被害がとどまらず――あっという間に町。いや、国の半分以上が崩壊しているのだった。

 まあこれは人が立ち入らないところを開拓していったおバカたちの行動の結果である。


 そんな元凶を作ったのはもちろん何も知らなかったおバカたち。

 さらに、少し前に現地へと向かっていたおバカたちこと。トップオーバカーネ国の国王たち。

 まさか自分たちが災害に飲まれるとは思っていなかったのか。

 それとも何か感じなかったのか。

 見事に土砂崩れに巻き込まれ(一時は守りのシモンによって助かってはいたが。さすがに大規模となれば話は違う。スキルで鉄壁の守りとはいえ、埋まってしまっては何ともできない。それに四方八方からの土砂があれば。スキル使用者はまあ自分は助かるかもしれないが。誰かを守るというのは難しくなり)。

 このトップオーバカーネ国の国王ロマンはそのまま命を落としたのだった。

 彼の亡骸は大地の深く埋もれて見つけることは――。


 ………………。


 と、なった方がこのトップオーバカーネ国は一度一新されもしかすると。まともな国に再建が始まったかもしれないが。


「――ぷはっ、だ、誰かー。何だこれは。助けんか!シモン。シモンは何をしているんだ!泥まみれじゃないか!」


 土砂崩れの起こった場所からかなり下ったところで傷だらけのお腹がポッコリ大地から現れ。そのあと殻を破るかのように泥まみれの顔が姿を現したのだった。

 ロマン。

 地味にしぶとかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る