第47話 この島にいる人面白い
「えっと、つまりライは数千年生きていて――えっこんなに自然に話していていいのかな?」
「ああ。問題ない」
「――あと、他の人は――?」
「うん?あ、ミアは知っているがまあ触れないでいてくれているというか。戸惑っているのか。でもまあミアくらいか。ルネは――食べ物一本だし」
「――誰が食べ物一本ですって」
「なっ。って――ルネ」
噂をすればなんとやら――。
ライがルネの話をしたとき。ちょうど後ろからその本人の声が聞こえてきた。
「オロールさんがご飯って言ってたから伝えに来たのに。人のうわさしてるとか――って。ライそのステータスなに?」
「あ、これは――」
チアと話していた際にステータス表を表示したままだったためルネの目にライのステータス表。特に先ほどチアははじめスルーしたところをピンポイントでルネの方は目にとめたのだった。
§
ラーイユ・デュマ。
男。
年齢。1374歳。
独身。
族種。幽霊族。影人。
スキル。鉄道ジオラマ。
§
「1300歳オーバーって――へっ?影人?何よそれ――」
そしてやはり軽くパニックになるルネ。
チアよりいろいろ知識があるからだろう。チア以上に難しい表情をしている。
するとまた1つ足音が3人のところへと近付いてきた。
「ルネ。何してるの?アドリアンさんたちはもう来たのに――って、チアちゃんも一緒だったんだ。って、ルネ?なんで口開けて固まってるの?」
「ちょ、ミア。ライって1300歳以上って表示されてる」
「知ってるよ?」
「……」
まさかのミアの反応にまた固まるルネ。
その様子を見たチアがクスリと笑っている。
そして少しして意識を取り戻したルネがミアを質問攻めにするのだった。
と、言ってもミアも少し前にライのステータス表をちらっと見ただけなので詳しくは知らないのだが。でもこの中ではミアとルネは仲良し。そのためまあ――いろいろ2人で話したのち。ライ本人に視線が向くのだった。
「まあそれは――食事でもしながら」
ミアとルネが話している間に、なんか4人が来ない――とでも思ったのだろう。
オロールがこちらへと歩いてきているのにライだけが気が付いていたので、オロールに片手をあげ反応しつつライが3人に声をかけるのだった。
ちなみに意識を?戻したルネ。
それからオロールの食堂となった場所まで少しの距離だが歩いてる間もライのステータスに付いて聞きまくり。
そのまま食堂に入ったことで、先に飲み物(アナイスの出した水)を飲んでいたアドリアンたちも何事?と、思いライたちの方を見て――そのあとルネによる報告で男衆もオロールもアナイス(表情にはあまり出さなかったが多分)驚くのだった。
そしてオロールの作った料理を食べつつライは自分のしていたことをやっとみんなに話すこととなるのだったが――。
先ほどはチアだったのでピンとこなかったが――さすがにライの話を聞いたアドリアンたち大人はというと――。
「おいおいつまりなんだ――ライは山奥で1人山の整備?いうのかそれを数千年?」
「ええまあ」
「1人でそんなこと――」
「ってか、その話が本当――いやでも嘘を言う必要がないというか」
「だな。俺たちいつも勝手に流れてきていると思っていたあれは――まさかのライ」
「それも俺たちの親父たちの代。それよりはるか前からライが国そのものを支えていたってことになるんじゃないか?」
「なるほど」
「確かにね」
「そうなるのか」
「いや、そんな大事――」
「「「「いやいや」」」」
ライ自身はそんな国を――などと思っていなかったが。
今のライの話をざっくりでも聞いたアドリアンたちはというと。
これ――ライはさらにやばい奴。そんな奴に建物建てさせちゃったよ。そもそも島の周りに線路も――などと。ちょっとやばいのでは?と男衆の顔色が少しだけ悪くなるのだったが――でもまあなんやかんやでそんな数千歳を超えているライでも普通に受け入れていくアドリアンたち大人。
そしてこの流れで――チアのことも上手にライとオロールが話に居れたことで無事に輪にチアも再度入ることができたのだった。
というか。チアに関しては実はみんな知っていた――と。いう事もあるのだが。
でもまあ今のところ少ないながらもこの島では一つの家族が楽しそうに会話をしているのだった。
なお、ライの幽霊族。影人に関してはその後しばらくみんながいろいろ記憶をたどり考えたが。誰一人心当たりがあるものは居なかったのだが――。
まあライだし。
という謎なまとまり方をするのだった。
結局のところライは化け物――と、はっきりは言わないが。それに近いものと改めてみんなが思うのだった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます