第43話 各自の仕事場3
《8518780》
ライのスキルポイントは自動的に増えていたが。
それでも建物を建てていけばどんどん減っていた。
アドリアンの工房を作ってしまったライはその後目を輝かせて待っていてマルタンのためにもう1つ建物を作った。
つくりはアドリアンの工房と同じような感じにした。
そして室内にいろいろ裁縫道具。マルタンが話していたものをできる限りライが頭の中でイメージして――スキルを使うとアドリアンの工房の隣にまた1つ建物が。
「――おお、凄い。本当に裁縫道具そろっているじゃないか。それにこれは――織機か?初めて見たが――大丈夫そうだ。スキルで使えそうだ。いやー、すごいなライ」
「あはは、どうも」
アドリアンもマルタンもあまりに感激するためライは少し戸惑い気味だったが。
目を輝かせる2人を見るのはいい気分だった――。
と、そんな男2人の様子を眺めるという事は続かなかった。
何故か。
まだ待っている人がいるからである。
「そうだね。みんなが食べる――もしかするとこの後人が増えた後にも使えるようにすると。やっぱり広い方がいいかね。あ、段差はない方がありがたいね。あとはそうだね。食材を置くところも考えないと――そうね。棚とかはアドリアンさんにお願いしようかしら」
「任せろや」
「あと――小物類もマルタンさんにお願いして――」
「マットとかならお安い御用だぞ」
「お願いね。じゃあとりあえず建物と。それと――大きなもの。とりあえず町の食堂にしたいからね」
アドリアンと、マルタンの建物ができた後すぐにオロールがライを捕まえていろいろ話をしていた。
そしてライはオロールの話を聞きながら。頭の中でいろいろイメージ。イメージ。今まで以上にいろいろイメージして――。
ドッ――――――シン!
アドリアンたちの建物の倍以上はある大きな建物を完成させたのだった。
「――あれま」
それはいろいろお願いしたオロールですら驚かせる出来だった。
室内は一部アドリアンたちが作ることもあり。今までより簡素化されているが。それでもオロールがあのあとも、水道があると。火を使っても安全なように――などなどいろいろ注文をしたことをすべてライは再現していた。
なお、さすがに食材はイメージしても何も作られなかったが――。
「ミアちゃん。ちょっとここに氷魔法使えるかい?」
「あっ、はい。大丈夫ですよ」
「なんか――腹すいてきた」
「もう、ルネここ最近いつもお腹すかせてない?」
「アナイスさん。こっちにお水お願いできる?」
「――」
「チボーさん。試しに火を使いたいんだけどお願いできるかしら?」
「ああ。任せてくれ」
そして自分のお店ができたからか。アドリアンたちと同じく生き生きと動き出すオロール。
氷と水の使えるミアとアナイス。チボーもオロールに駆り出されている。
食堂の早期開店に向けて動き出したようだ。
ちなみにアドリアンやマルタンもいそがしそうにライの作った建物の中や外で動いている。
「なんか一気に活気が出てきたな」
やることが一段落したライは外に出て背伸びをする。
ちなみに特に建物を連続で作ったからと言ってライに疲れはいつも通りだがない。
§
ラーイユ・デュマ。
男。
年齢。1374歳。
独身。
族種。幽霊族。影人。
スキル。鉄道ジオラマ。
§
――スキル使用時消費スキルポイント――
☆ 砂利。1キロ。10P
☆ 石炭。1キロ。500P
☆ 線路。1メートル。1000P
☆ 客車。100000P
☆ 貨車。100000P
☆ 蒸気機関車。 1000000P
☆ 建物。1軒につき。1000000P
☆ 飲めない水。1000P
☆ 順次解放。
§
――スキルポイント(SP)獲得方法――
☆ 仲間を作る。10000P
☆ 仲間と交流する。1秒×100P
☆ 不遇な扱いを受ける。 1回ごとに5000000P
☆ ○○な○○を○×。 1人ごとに100000P
★ ○○する。 SP制限解除。
§
《8519280》
またスキルを連続で使ったからといってライのステータス表で何か変わったところもなかった。
まだ読めないところはそのままである。
できればSP制限解除。というのが解放されるとライもみんなと同じようにスキルが使える(今でもまあ自由に使えているようなものだが。スキルポイントを気にしなくてよくなる)と、思っていたが。特に変化なしだった。
「――」
「うん?」
外で少しステータス表を見ていたライはふと、1人でいるチアに目が留まった。
それぞれがやることがあり忙しそうにしているからか。みんな1人でいるチアに聞いていない様子だった。
「チアどうした?」
「――あ、ライ」
ライが声をかけると何やら元気のないチア。
先ほどまで普通に過ごしていたので、ライは少し気になりチアの隣に移動した。
「――あのね。実は私――邪人だんだ」
するとチアがボソッとライに聞こえるか聞こえないかくらいの声でつぶやいた。
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