第40話 腹を満たせば――
「さあ、できたよ」
建物の近くで水浴び。体を綺麗にしていたライたちにオロールが声をかける。
「ナイスタイミングだな」
アドリアンが濡れた手を払いながらオロールの方を見つつ言う。
「ちょうどさっぱりだな」
「オロールさんとアナイスさんとチアも後でライに水出してもらえよ。さっぱりするぞ」
「ほんと、気持ちよかったぞ」
「気持ちよかったー」
それから水浴びをしていたそれぞれが建物の方へと向かう。
建物中では――。
「すげー」
「おいしそう」
「さすがオロールさんのスキル、材料さえあらばすごいな」
魚メインの料理がたくさん並んでいた。
食材は魚がほとんどのはずだが。焼き魚から煮魚。さらに魚をすり身にしたりしたのだろう。団子みたいなものもあったりと。それはそれはいろいろな食べ物が並んでいる。
もちろんそんな料理があれば――ここ最近ちゃんとしたものがなかなか食べていなかつたこの島にいるメンバーはみんなあれよこれよと手を付けてくのだった。
「焼き魚――うめー」
「おいしい」
「うーん!」
「このスープうま味すごいな」
「うんうん。このスープだけで満足できるな」
「ほんとオロールさんすごいな」
「食材があるからだよ」
「まあ確かに、ライとミアの活躍だな」
「でもまあ油断するとだな。島からは今のところ出れないんだし。食料確保は大事だろ」
「まあチボーの言うとおりだな。あと、この後も誰か増える可能性はあるしな」
「でも今は――おかわり」
「ルネめっちゃ食うな」
「さすがライ曰く腹ペコ娘か」
「食べないならもらう」
「おいおい」
「マジで体のどこに消えてるんだろうな」
食事が豊かだからか。笑いの絶えない建物の中。
みんなと一緒はやはり緊張するということで、少し離れて食べているアナイスもどこか居心地が良さそうな雰囲気を出してる。
ちなみに男性陣以上に食べているのはルネである。
すでにからの皿を作っている。
楽しい食事時間は続く。
ちなみに特に何かを絶対この時間までにしないといけないことはない。
現に今日は食料も確保できたのと、ライが線路を完成させたこともあり。アドリアンが今日はこのままゆっくりしようと決めたこともあり。
そのあとも外が真っ暗になるまで盛り上がる建物内だった。
ちなみに暗くなるとチボーが火をつけて明かりを確保した。
ちょっと消えやすかったりするが。まあ問題ない。
「屋根あるとかほんといつぶりだろう」
「ほんとだな」
「そもそも部屋があるのがおかしいがな」
「確かに」
「ここ無人島。孤島だったよな?」
「多分な」
「今は鉄道もあるぞ」
「……ライが来てから変わったな」
「ライってより。ライたちだな。ミアもすごい」
「ルネは――食うのがすごいか」
「――うるさい」
「おっと、居たかルネ」
食後。外で雑談をしているのは男性3人。アドリアン、チボー、マルタン。
ライのおかげで建物があり。おまけに各部屋まであるので、みんな夜になってもゆったり過ごしている。
今までならありえないことだった。
夜こそ何かあるといけないので警戒しないといけなかったが。今のところ建物内に居れば――のため。そこまで警戒もしていない。
それにライの作ったものが頑丈というのもわかっているのもある。
そしてそんな男性陣の会話中たまたま近くを通ったルネがちょっと男性陣に一言言ったところである。
まだ島に来たばかりだが。食事の後からさらにみんなの雰囲気が良くなっており。
砕けた感じ――と、でもいうのか。親子見たい――な感じも出つつあった。
ちなみに今姿が見えないミアは室内でお片付け中。
ライは線路の方にいるので、男性陣からは見えないところにいる。
何をしているかというと線路に止めてある貨車の1つに水を貯めていた。
「スキルポイントがほっておいても貯まってるのはいいな」
ステータス表を確認しながら水を出しているライ。
《941080》
§
――スキル使用時消費スキルポイント――
☆ 砂利。1キロ。10P
☆ 石炭。1キロ。500P
☆ 線路。1メートル。1000P
☆ 客車。100000P
☆ 貨車。100000P
☆ 蒸気機関車。 1000000P
☆ 建物。1軒につき。1000000P
☆ 飲めない水。1000P
☆ 順次解放。
§
食事の目からだが。ここにきて今ライのスキルの1つ。飲めない水がかなり重宝されていた。
そもそもなぜ今水を貯めているのかというと。オロール、アナイス、チアの身体拭きようである。
先ほど男性陣とミア、ルネの時は、男性陣に関しては頭上からぶっかけ。
ミアとルネも頭からではないが手足にかかるようにぶっかけ。という感じ(スキルポイントの余裕があったので大盤振る舞いみたいになっていた)だったが。オロールたちに対してそれはだったので、とりあえず貨車に水が貯めれる(さすがに隙間から漏れるので完ぺきではないが)それでも貯めれるので、貨車に水を貯めてそれを3人が使うという形だった。
そのために水が漏れて減るということもありライは貨車の横で待機となっていた。
「気持ちいい」
チアの声が響く。
そして声は聞こえないが。アナイスもかなり嬉しそうな表情をしている。なお、顔は赤いので、アナイスは今自分で水を出せば――まあお湯になるだろうが。今の気候的にはライの出す水の温度がちょうどよいみたいだった。
と、それぞれが心地よく過ごす時間。
そしてそのあとはみんなで建物へと移動して、各自部屋へ。
それはそれはみんなにとって久しぶりの個人の時間。
突然個人の時間が復活すると変な感じもあったのか。はじめは男性陣が話す声や、ミアとルネの声が――と、まあいきなりは静かになることはなかったが。
それでも久しぶりにゆっくり寝れるからだろう。
しばらくすると、建物内は静かになるのだった。
またにぎやかになるのは外が明るくなってからだった。
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