第37話 それぞれ活躍。

 ジャラジャラ……。 

 ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。

 ドドン……ドドン。

 カンカンカン……。

 ドドドドドドド……。

 ガガン……。

 線路は順調にのびている。

 本当に順調に伸びている。

 たまにルート確認をする際に止まることはあっても(海岸線ではなく森に少し入っていると石や岩。木々があったりするからだ。なので少し先ほどよりは線路が曲がったりしているが。それでもほぼ順調に進んでいる)ほとんど休みなく進んでいる。


 そして、海岸線の砂浜だったところが少しずつ岩場になってくる。

 さらに岩場増えてくると少し内陸部に線路を移動させていく。さすがに岩場の上に線路は敷けないみたいだったからだ。

 無理と直感でわかると言うべきか。

 今まではその前に敷いた線路の続きに1メートルという感じだったが。岩場が差しかかると。岩場を避けて――の1メートルになっていったからだ。

 でもそれは問題ではなく。俺の思う通りに線路は敷かれ続けている。


「ライどうだ?いけるか?岩場に差し掛かってるが」

 アドリアンが線路が岩場近くになったところで、ライに声をかける。

 ちなみにアドリアンたちも普段は来ないところだったからか。少し前から貝類も見つけ出している。

 そして貝類をそのまま運ぶのは――だったのもあり。ミアが活躍している。

「ミアーもう1回氷頼む」

「あっ、はい」

 ちょうどマルタンに呼ばれてミアが小走りでマルタンのところへと向かっている。 

 何をしているかというと、ある程度海産物。今は主に貝や海藻だが。集まるとミアを呼んで氷結魔法で凍らせてもらっているのだ。

 ミアの氷はかなりガチガチに凍らせてくれるので一度凍らせてしまえばかなりの時間凍っている。

 もちろん完全に解けないといいわけではないが少し前からこらせている貝や海藻はまだしっかり凍っている。

 俺のスキルもおかしいが。ミアのスキルもなかなかと思うのは――俺だけだろうか?

 かなり純度の高い氷――と言うべきか。山の生活でもあまり見なかった綺麗な氷となっている。

 って、作業を止めるとなので俺はそのまま線路作りを再開してアドリアンに返事をする。

「大丈夫そうです。とくに問題もなく作れます。少し森側。内陸側に行きそうですが――」

「わかった。にしても順調すぎるな。これなら暗くなるまでにもしかして一周するんじゃないか?」

 まさか――と、思いつつの俺だったが。 

 《1809980》

 ジャラジャラ……。 

 ドン――ドン――ドン――ドン――ドン。

 ドドン……ドドン。

 カンカンカン……。

 ドドドドドドド……。

 ガガン……。

 にぎやかな音は本当に順調だった。

 アドリアンと話したあとも順調に線路はのびていき。岩場をあっさりこえた。もう岩場は後方となった。

「――トラブルなしだなライは」

 若干呆れ気味。おかしいだろと言いたげな表情をチボーがしている。

「あはは、とりあえず岩場は通過しました」

「それがあっさり過ぎてびっくりだわ。とりあえず食料はこの先にまた何かあるかな。ここから先は行ったことないな確か。アドリアンやマルタンはあるか?」

「うん?俺も知らんな。というか岩場もほとんど来なかったんだから。っか、アドリアン。そろそろ休憩しないか」

「だな。さすがに一気に進んでくると疲れたな。疲れてないライがおかしいが――」

 チボーとライが話していると、マルタンとアドリアンも線路の近くに寄ってきた。

「おーい。ミア。ルネ。一度休憩するぞー」

「あっ、はい」

 アドリアンがこちらに歩きつつ。少し先の砂浜を歩きながらいろいろ探しているミアとルネに声をかけると。気が付いたミアが返事をした。

「――あっ、ちょっとミア」

 すると、ミアの少し前を歩いていたルネが声を上げた。

「どうした?」

「何かあったか?」

「うん?」

 ルネの声に男性陣も振り向く。

 もちろん俺もルネの声の方を見た。

 「魚がめっちゃいる!」


 そして次の瞬間ルネの声を聞いた俺たちは一気にルネの元へと急いだのだった。

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